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岩尾憲がサプライズ復帰。記者陣を欺いたリカルド・ロドリゲス監督、「うまく騙せましたか?」の問いに「Si!(はい)」
前節・松本戦、徳島のリカルド・ロドリゲス監督は、負傷離脱していたMF岩尾憲を予定より早く復帰させた。メンバー選考時に「まだ痛みを抱えていましたが、最後の最後まで検討した結果、リスクはあるがプレーできる状態」と判断して抜擢したという。まだ万全とは言えなかったとはいえ、主将・岩尾の復帰はチームにとってはもちろん、サポーターにとってもうれしいニュースだった。
さて、この復帰について、多くの人が気づくことができなかった。非公開練習時には「合流して練習させていました」(ロドリゲス監督)とは言うものの、公開練習時にはいつもどおりトレーナーと一緒に淡々と別メニューをこなしていた。ほかの選手に取材した際も、岩尾復帰がにじみ出るようなコメントは表に出てこなかった。
「敵を欺くにはまず味方から」という表現もあるが、岩尾不在を“劇団”全員で華麗に演じた徳島。「うまく騙せましたか?」という記者からの問いに、ロドリゲス監督は「Si!(はい)」と屈託のない笑顔でにんまり。
くぅ~、やられた。
文・柏原敏(エルゴラッソ徳島担当) -
マークが厳しくなる後半戦に向け、長崎・高木琢也監督が見据えるベースアップ
J1初挑戦となった今季、長崎はルヴァンカップこそグループステージ最終節で敗退が決まってしまったが、リーグ戦では15位で中断期間に突入。ここまでの15試合を5勝2分8敗の勝点17圧倒的不利と言われた開幕前の下馬評を覆すだけの戦いぶりを見せている。
リーグ戦と並行してルヴァンカップを戦っていたこともあり、ターンオーバーしながら多くの選手を積極的に起用してきた。「いろいろとやり方を変えていく中で選手の適性が見えてきますよね。『ああ、この子はこういう感じなんだ、こうやってできるんだ』というふうに。いろいろと試しています」と高木監督も結果以外の部分でも手ごたえを語っている。
過密日程での連戦が続いていたこともあり、限られた練習時間の中で直近の試合へのアプローチが主になり、チームのベースを高める練習はなかなかできなかった。天皇杯はあるが中断期間に入り、まとまった時間が得られるだけにチーム力を高めるアプローチも施していくことになる。「変化、刺激は絶対に必要。攻撃のところは手を加えていきたい」と高木監督は中断期間を見据えて話していた。前半戦の戦いぶりで他チームのマークが厳しくなることが予想されるだけに、中断期間でのベースアップは不可欠。指揮官がどう選手たちの成長を促していくのか注目したい。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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東京VがJ3・2位の沼津と練習試合。林陵平の1点が決勝点に
東京Vは27日、ヴェルディグラウンドにてJ3・2位の沼津と練習試合を行った。
スタートはFW林陵平の1トップ、FW高井和馬とMF森俊介が2シャドーを組み、DF林昇吾とFW菅嶋弘希が左右のウイングバックに入る[3-4-2-1]の布陣。前日に行われたJ2第16節・愛媛戦はスコアレスドローに終わっているだけに、チャンスを与えられていないアタッカーたちの活躍が期待された。
キックオフから東京Vがボールを支配しするものの、ペナルティーエリア内になかなかいい形で進入できず、チャンスはミドルシュートに限られた。沼津は東京Vの攻撃を粘り強くはね返してカウンターを狙い、19分には右クロスからDF中島拓真が決定機を迎えた。
突破口を見いだせなかった東京Vだが、30分に右サイドで林昇が縦に仕掛けると、右足で送ったクロスを林陵が頭で合わせて先制する。しかしその後は攻勢を強めた沼津のターン。沼津はFW畑潤基を中心に幾度も決定機を作る。それでも東京VはGK柴崎貴広が好セーブを連発して前半の失点をゼロに抑えた。
互いにメンバーを代えた後半は一進一退の展開になるが、双方とも連係ミスが多くチャンスを作れないまま時間が過ぎていく。終盤、東京Vは85分にMF澤井直人、88分にMF佐藤優平、アディショナルタイムにFWカルロス・マルティネスが次々にペナルティーエリア内で決定機を迎えるが、決め切れず。1-0で東京Vが勝利を収めた。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ東京V担当)
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『ベガルタ仙台 2018 SOCIO・FANCLUB 会員感謝の集い』開催。セットプレーで盛り上がりは最高潮に
26日、ユアテックスタジアム仙台で“ベガルタ仙台 2018 SOCIO・FANCLUB 会員感謝の集い”が開催された。仙台の SOCIO・FANCLUB の会員2045人(当日加入者含む)が、選手やスタッフとのふれ合いイベントなどで、楽しいひとときを過ごした。
今年は2部構成で、第1部はスタジアムのコンコースを中心にイベントを開催。選手のふれ合いブースでは、サイン会などを実施。チャリティーオークションブースには、選手やスタッフだけでなく、マスコットのベガッ太さんも出品。お手製の木彫り時計が、お客さんの関心を集めていた。
第2部は、スタジアムピッチ上でのイベント。その前に、渡邉晋監督はサポーターへの挨拶で「山場の15連戦を、上り調子で終えることができました。これからのルヴァンカップのプレーオフステージや天皇杯に向けて、皆さまのパワーをわれわれにいただければ」と呼びかけた。続く選手代表挨拶では、DF常田克人が登場。「最後まで楽しんでいって下さい」と少々緊張した表情で呼びかけた。
第2部ではミニゲームなどが行われたが、特に盛り上がったのはセットプレー。“CK体験”や“FKの壁体験”では、MFリャン・ヨンギら本職のキッカーやDF大岩一貴ら本職のDFにサポーターやベガッ太さんが加わり、激しい(?)攻防を繰り広げた。
6月2日から始まるルヴァンカッププレーオフステージと天皇杯の連戦を前に、仙台のチームにもサポーターにも、心安らぐひとときとなったようだ。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)