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「必要としてくれた感謝の気持ちをプレーと結果で返したい」。横浜FCの新戦力・瀬沼優司、早速のメンバー入りへ
7月31日に山形から完全移籍加入を発表されたFW瀬沼優司が、軽快な動きを練習から披露している。本格合流となった8月1日はフルメニューを消化し、2日は紅白戦で迫力のあるプレーでコンディションのよさをアピール。タヴァレス監督も「トレーニングですごくいいパフォーマンスを見せてくれている」と熱視線を背番号39に送っている。
そんな頼もしい新戦力は、強い思いをもって横浜FCへの加入を決断した。
「簡単な決断ではなかった。でも最終的に決めたのは自分なので大きな覚悟がある。僕を必要としてくれた、このクラブに感謝の気持ちがあるので、それをプレーと結果で恩返しできればいいという一心。移籍してきたから試合に出られるという気持ちは1mmもありません。まずはここでゼロから競争をして、アピールをして、チームメートと監督に自分を知ってもらって、試合に出て、結果を出して、ポジションを争えるようにやっていきたいと思っています」
ストロングポイントは泥臭いプレー。「僕のプレーの特徴はハードワーク。球際だったり、相手よりチームのために一歩戻ることだったり、みんながイヤがるような泥臭い仕事を率先してやりたい」。
週末に行われる今節・町田戦は、早速のメンバー入りが濃厚。途中出場などからチャンスが巡ってくる可能性も高い。どんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。
文・高澤真輝(エルゴラッソ横浜FC担当)
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大型補強のあおりを受ける名古屋の若手たち。酷暑の中、猛練習でアピール
「質より命」とチーム関係者が愚痴るほどの暑さの中、いろいろな意味で反転攻勢にかける若手たちは、前を向き懸命にトレーニングを積んでいた。
この日(2日)は、練習場のある豊田で38.7℃を記録する猛暑。前日夜に仙台で試合を終えたチームは朝から豊田に移動。一番暑さのキツい14時30分から練習が始まった。
しかし屋外でのトレーニングに顔を出したのはいわゆるサブ組で、しかも30分ほどで全体練習は終了となった。
「30分でも吐きそうになりましたよ」と、すぐにクラブハウスに引き上げる選手もいる中、1時間以上、個人練習をしていたのが菅原由勢や深堀隼平、榎本大輝、大垣勇樹といった若手たち。ボールを使った練習が30分では足りないと、「止める・蹴る」を中心に体を動かした。
次節の対戦相手G大阪がデビュー戦だった菅原由勢は、「暑いですけど、練習するのはすべて自分のためになることなんで。正直、メンバーから外されたのは悔しいですけど、自分の力をもっと伸ばして使ってもらえるようになりたい」と、中断期間で失ったポジションを奪回すべく汗を流した。
ピッチのサイドライン、およそ100mをダッシュしていたのは、2年目の深堀。「今日は8本ですかね。前節はメンバーから外れているので、ここからまたメンバーに入って試合に関われるようになるために、走ることは大事なんで。暑い中でも苦にならないから大丈夫です」と、深堀は日に焼けた顔を引き締めた。
チームは大型補強を敢行し、しかもその選手たちの活躍もあって前節は16試合ぶりに勝利した。Jリーグ史上2番目の若さで開幕戦先発と話題をさらった菅原も、ルヴァンカップで広島からゴールを奪い勢いを見せた深堀も、これまで以上に試合出場へ向けての道程が険しくなった。それでもチームの力になりたい、なるんだという意識は変わらない。コーチ陣も暑さを乗り越えた先に明るい未来が待っているはずと信じて見守っていた。
文・斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
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千葉の為田大貴に待望のチャントが完成。「リズムがいい」と本人もお気に入り
千葉の為田大貴に待望のチャントが完成した。お披露目された7月29日の前節・新潟戦では決勝ゴールで花を添え、「(試合後、あいさつに出向いた)ゴール裏で初めて知り、うれしかったです。ここから自分の出来のよさを見せていかないといけない時期なので、上り調子になっていくために歌ってくれれば、なおうれしいですね」とサポーターに感謝する。
チャントの原曲はTRFの『EZ DO DANCE』。ノリのよいダンスナンバーだけに、「大分時代はどちらかと言うと、言葉が多めだった。今回のチャントはすごくシンプルな感じ。リズムがよく、よく聞くフレーズなので子どももすぐ覚えてくれそうです」と好印象を覚えている。
自身は2戦連続の決勝ゴールで、2連勝に大きく貢献中。その勝負強さについては「本当にもともと決勝ゴールのタイプ。2-1で勝った2点目とかそういう得点が多いので、得点のタイミングについては“もっている”というのはありますね(笑)」と口も滑らかだ。
今節の首位・松本戦では3戦連続決勝弾が懸かる。「悪いときに失点して、失点したあとに失点する試合が続いていたが、悪い中でも守れているし、失点したあとも粘り強さ、チームではね返す力というのは出てきた。それを継続させつつ、攻撃でもいいパフォーマンスを出せれば」。自身のことは多く語らず、チームファーストのそんな姿勢がまた “離れ業”を期待させる。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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梅鉢貴秀、鹿島時代の先輩・青木剛とピッチ上で再会を果たせるか
金沢は5日に行われるJ2第27節、アウェイで熊本と対戦する。MF梅鉢貴秀は、鹿島時代の先輩・熊本のDF青木剛について「5年くらいずっと(一緒に)やっていた。めちゃめちゃ真面目な方」と話す。
鹿島ではボランチに限らず、CBやSBにも取り組んでいた梅鉢にとって、守備のユーティリティー性に長けた青木から学ぶところは多かったという。「本当にいろいろなポジションをやっていたけど、言われた役割をすごく高いレベルで実行していた」と振り返る。
「両足でフィードができて、遠くまで見れる。あとは攻撃しているときの守備の準備が速い。リスク管理というか、攻撃から守備に切り替わったときに準備しているぶん、最初の一歩が速い。そこで相手の攻撃を終わらせてしまう。そういうポジショニングのところで後手を踏まない」と梅鉢。
今節、第20節の対戦では実現しなかった、ピッチ上での再会を果たすことができるか。
文・野中拓也(エルゴラッソ金沢担当) -
5年ぶりにJ復帰の京都FWカイオ。「『日本に戻ってきたい』という気持ちは常にあった」
J2最下位に低迷し、得点数もリーグワーストの京都。その得点力不足解消の切り札として期待が懸かる新戦力のブラジル人FWカイオが、チームに合流している。
1日の練習後に話を聞くと、開口一番に「アツイネ」と苦笑い。南半球のブラジルを出発するときの気温は4℃だったそうで、連日40℃近くを記録している京都とのギャップにはさすがに苦しんでいるようだ。
それでも、「横浜FCを離れたあとはドバイや韓国、中国に行ったけど、『日本に戻ってきたい』という気持ちは常に自分の中にありました。また戻ってこられて、すごくうれしい」と、13年以来5年ぶりとなる日本でのプレーに喜びをにじませる。
09年にはC大阪の選手として、12年には横浜FCの選手として、J2で2度の二ケタゴールを記録しているだけに、京都でも望まれているのはやはりゴールの量産。カイオも、「自分の長所はシュート力。ゴールは期待しておいてほしい。チームの勝利のために自分のもっているものをグラウンドで出していきたいです」と、しっかりそれを自覚している。
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)