EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2018.8.9(Thu)

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  • 愛弟子・渡辺皓太の資質を評価するロティーナ監督。本人の高過ぎる理想に対しても「セントラルハーフであれば可能。リミットはない」

    愛弟子・渡辺皓太の資質を評価するロティーナ監督。本人の高過ぎる理想に対しても「セントラルハーフであれば可能。リミットはない」

     東京Vでいま一番旬な選手といえば、インサイドハーフとしてここまで全試合先発出場を続けている渡辺皓太だ。前節の大宮戦では先制ゴールをアシストしたほか、守備に攻撃に大車輪の活躍で本紙選定マン・オブ・ザ・マッチに。昨季は1ゴール0アシストだった記録も、今年はすでに2ゴール8アシスト。来週から行われるアジア大会に出場する、U-21日本代表に選出されたのも当然と言える。

     しかし本人は自身の活躍については口が重く、前節の試合後も「いや、別に」「まだまだです」と繰り返した。そこであらためて今週、渡辺に聞いた。ゴールこそなかったが、中盤でボールを奪って、攻撃ではチャンスをいくつも作った。自分のプレーのどこが不満なのか、と。すると開口一番、「仕事量が少ない」という。

     「ポイント、ポイントでいいプレーというのはちょっとずつできてるかもしれないけど、90分間とおしてそれができないとまだまだダメかなと思います。消える時間がないようにしていきたい」

     ユース時代はトップ下としてプレーした彼にとって、「全部できるようになる」というのが理想であるらしい。「守備もやって、ゲームを作って、ラストパスも出せて、ゴールも決める」と。108m×68mのピッチで11人対11人が行う競技において、それもヨハン・クライフやフランツ・ベッケンバウアーの時代ならともかくピッチ上の分業が進む現代サッカーにおいて、何とも高い理想を掲げたものである。

     そんな愛弟子についてロティーナ監督は、「去年から大きく成長した。今季はより相手にダメージを与えるプレーができるようになっている」と評価する。彼の最も大きな資質は、「中盤で守備ができ、攻撃も高いレベルでこなせる」ことだいう。ならば彼が理想するプレーヤーに近づく可能性は?

     「すべての能力を伸ばすこと、すべての局面で向上したいというのは、難しいかもしれないが、トレーニングによって可能だと思います。そのリミットはありません」

     しかし現代サッカーにそんなポジションは存在するのでしょうか?

     「セントラルハーフであれば可能ですね。攻撃でも守備でも、あらゆる局面で仲間を助ける。そういう働きをする選手をスペイン語で『amigo de todos』(全員の友達)と言います」

     現在、チームでこなしているインサイドハーフでは戦術上の制約が多いが、もっとザックリとしたボランチの位置ならばアリということか。実際、昨季の終盤から基本フォーメーションが中盤3枚の[4-3-3]になるまではダブルボランチの一角としてプレーしていた。

     そこで注目されるのがアジア大会。森保一監督の[3-4-2-1]の中で、渡辺が起用されるとすればシャドーかボランチと予想される。ぜひ“みんなの友達”として走り回る姿を見たいものだ。

    文:芥川和久(エルゴラッソ東京V担当)

  • 酷暑の影響を受ける岐阜が練習時間を午前から午後に変更。連敗脱出のきっかけとなるか

    酷暑の影響を受ける岐阜が練習時間を午前から午後に変更。連敗脱出のきっかけとなるか

     J2第27節・栃木戦で1-4の大敗を喫した岐阜。この状況を受けて、今週からチームは午前から午後へと練習時間を変更した。

     後半戦に入り、岐阜は今年の酷暑の影響を大きく受けてきた。練習場を構える岐阜市では、40℃を超えるか超えないかの気温が繰り返される日々で、7月末からは午前練習の開始、終了時間を早めて試合へのアプローチを続けてきた。大木武監督も「暑さは関係ない。どのチームも同じ」と酷暑の中でリーグを戦うことへの弱気な発言は一切発せず、どうにかしてチーム状態を上げるための試行錯誤を繰り返していた。

     しかし、前節・栃木戦は体のキレや攻守両面における粘り強さが前半戦を戦ってきたときと比べて明らかに不足しているように見てとれた。特に守備面においては、前線からのプレスにいくにしても、あるいは相手の突破を止める対人守備の局面でもスピード感やシンプルなパワーの欠如が顕著だった。

     今週水曜日の練習は暑さの中にも少量の風が吹くような環境で行われ、攻撃練習時には大木監督や選手達から大きな声で「背中、背中」と相手最終ラインの裏を取ることを積極的に意識して練習に打ち込む光景が見られた。もちろん、今までも選手達の練習への姿勢が暑さで崩れることなどはなかった。だが、大木監督就任以降は練習での取り組みが試合への身体作りの1番の基本としてきた岐阜にとって、この変更が試合での体のキレや集中力の向上へとつながることへの公算が大きく感じられる。

     ディフェンスリーダーである田森大己は、「大木さんは今まで午後練習を行うことがなかったと思うので、気分転換にもなる。そして、やっぱり今年の暑さは異常だったと思うので」と午後練習への変更には好感触を抱いている。

     現在4連敗中。絶不調に陥っている岐阜だが、チームが下した決定がトンネルを抜け出すいいきっかけとなるか。今週土曜日、岐阜は現在22位・京都とホーム・長良川で戦う。

    文・岩波陽平(エルゴラッソ岐阜担当)
  • 『amigo de todos』(全員の友達)。それが東京V・渡辺皓太の理想形

    『amigo de todos』(全員の友達)。それが東京V・渡辺皓太の理想形

     東京Vでいま一番旬な選手といえば、インサイドハーフとしてここまで全試合スタメン出場を続けている渡辺皓太だ。前節の大宮戦では先制ゴールをアシストしたほか、守備に攻撃に大車輪の活躍で本紙選定マン・オブ・ザ・マッチに。昨季は1ゴール0アシストだった記録も、今年はすでに2ゴール8アシスト。来週から行われるアジア大会に出場する、U-21日本代表に選出されたのも文句なしといえる。

     しかし本人は自身の活躍については口が重く、前節の試合後も「いや、別に」「まだまだです」と繰り返した。そこであらためて今週、渡辺に聞いた。ゴールこそなかったが、中盤でボールを奪って、攻撃ではチャンスをいくつも作った。自分のプレーのどこが不満なのか、と。すると開口一番、「仕事量が少ない」という。

    「ポイント、ポイントでいいプレーというのはちょっとずつできているかもしれないけれど、90分間とおしてそれができないとまだまだダメかなと思います。消える時間がないようにしていきたい」

     ユース時代はトップ下としてプレーした彼にとって、「全部できるようになる」というのが理想であるらしい。「守備もやって、ゲームを作って、ラストパスも出せて、ゴールも決める」と。108m×68mのピッチで11人対11人が行う競技において、それもヨハン・クライフやベッケンバウアーの時代ならともかくピッチ上の分業が進む現代サッカーにおいて、何とも高い理想を掲げたものである。

     そんな愛弟子についてロティーナ監督は、「去年から大きく成長した。今季はより相手にダメージを与えるプレーができるようになっている」と評価する。彼の最も大きな資質は、「中盤で守備ができ、攻撃も高いレベルでこなせる」ことだいう。ならば彼が理想とするプレーヤーに近づく可能性は?

     「すべての能力を伸ばすこと、すべての局面で向上したいというのは、難しいかもしれないがトレーニングによって可能だと思います。そのリミットはありません」

     しかし現代サッカーにそんなポジションは存在するのでしょうか?

    「セントラルハーフであれば可能ですね。攻撃でも守備でも、あらゆる局面で仲間を助ける。そういう働きをする選手をスペイン語で『amigo de todos』(全員の友達)と言います」

     現在、チームでこなしているインサイドハーフでは戦術上の制約が多いが、もっとザックリとしたボランチの位置ならばアリということか。実際、昨季の終盤から基本フォーメーションが中盤3枚の[4-3-3]になるまではダブルボランチの一角としてプレーしていた。

     そこで注目されるのがアジア大会。森保一監督の[3-4-2-1]の中で、渡辺が起用されるとすればシャドーかボランチと予想される。ぜひ“みんなの友達”として走り回る姿を見たいものだ。

    文:芥川和久(エルゴラッソ東京V担当)

  • 現在5アシストの仙台・蜂須賀孝治、攻撃の幅が広がったことを実感。「ピッチ上の変化に早く対応できるように」

    現在5アシストの仙台・蜂須賀孝治、攻撃の幅が広がったことを実感。「ピッチ上の変化に早く対応できるように」

     今季の蜂須賀孝治は、攻撃面で数字を積み重ねている。

     今季はここまでJ1リーグ戦で初ゴールを含む3得点。それ以上に際立つのが、アシストなどゴールのお膳立ての部分で、大外からクロスを上げる得意の形は勿論、自らボールをもって切れ込んでからの浮き球やグラウンダーでのパスで、味方の決定機を創出することが増えた。ここまでリーグ戦で5アシストを記録しているほか、ゴールの二手前、三手前にもよく関与している。

     最近はハーフナー・マイクが加わったことで、攻撃の幅が広がったことを実感したという。仙台では長短のパス交換をしながらチーム全体で前進し、大外の蜂須賀がフリーで抜け出してチャンスメークをすることが多いが、最近は展開役としてMFだけでなくFWの関与も目立つ。J1第20節・磐田戦(2●3)では、ロングボールをハーフナーが収めている間に蜂須賀が飛び出し、展開されたボールを受けた蜂須賀が中を向いて左足でボールを送り、中野のゴールにつなげた。「その数分前にもフリーで上げられて、いいイメージを作れたので、次のチャンスでもインスイングで迷わず上げられた」と、クロスの場面を振り返る。そして「マイクさんが入ったことで、高さはもちろん、収めてからのパスという形が加わりました。マイクさんが相手を引きつけることで、新たに空くスペースもあります」と、新しい形でのゴールにも意欲を燃やす。

     その一方でプレー精度向上や、「磐田戦では相手が形を変えてきたときに対応に時間がかかってしまった。ピッチ上の変化に早く対応してしかけられるように」という状況判断などで成長を誓い、さらに結果を残そうとしている。

    文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)

  • 「まさにアートだ!」。巨匠・森本貴幸の作品を目に焼き付けろ

    「まさにアートだ!」。巨匠・森本貴幸の作品を目に焼き付けろ

     多くの犠牲者が出た昨年7月の九州北部豪雨。その復興支援としてさまざまな活動を行った福岡の選手会が今年も支援を継続。今回は被害の大きかった東峰村の子どもたちを今節の水戸戦に招待するほかに、焼き物の里として知られる東峰村・高取焼の窯元『鬼丸雪山窯元』の二代目・鬼丸碧山氏と協力し、選手が絵付けした高取焼のマグカップを試合会場で販売。その売上金で購入したサッカーボールなどを寄贈することを決めたのだ。

     選手が絵付けをして焼き上がった陶製マグカップが8月8日に雁の巣練習場に届き、選手やクラブスタッフ、記者らが目にすることになった。選手それぞれのパーソナリティーが垣間見える作品の中で特に注目を集めた一品があった。

     選手会会長で今企画を中心になって進めた實藤友紀も最優秀作品に挙げて自らスマホで何枚も撮影していたのが写真のもの。「ここに描かれているものが人なのかどうかの答え探しなど無意味に思える、まさにアートだ!」と實藤が絶賛したのは、森本貴幸が絵付けをした一品だった。

     ほとんどの選手が自らの作品の出来栄えをチェックし終わったあとに、ゆっくりと登場した森本は「思っていたより、線の出方が薄かったな」とボソリ。ドラマなどでよく見る、出来上がりに不満な陶芸家がやるように床に作品をたたきつけて割るようなことはしなかったが、アーティスト特有の風格と空気を醸し出してチェックを終えた森本はコーヒーをすすりながら、帰途についたのだった。

     森本を始め選手が絵付けしたのは一人8個。チャリティーということで一つ4,000円での販売となる。もちろん森本以外の選手の作品も、どれも味があるものばかりで、作者のサイン入りの桐箱付き。11日の水戸戦が行われるレベルファイブスタジアムで販売される。お気に入りの選手の一品を手にして被災地支援に一役買ってみてはいかがだろう。

    文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)

  • 鳥栖の練習場にファン300人。フェルナンド・トーレスが初のファンサービス

    鳥栖の練習場にファン300人。フェルナンド・トーレスが初のファンサービス

     8日、鳥栖の練習場がかつてない賑わいを見せた。

     フェルナンド・トーレス加入後、非公開練習が続いていた鳥栖だが今週に入り、公開練習を実施。多くのサポーターがトーレスを目当てに訪れたが、C大阪戦の翌日となった6日はトーレスが室内調整だったため、ファンサービスは行われなかった。「試合翌日に体に刺激を入れるトレーニングをしている。驚いた」とチームメートが証言したように、試合翌日は軽いジョギングのみで疲労を抜くことが一般的な調整法の中、トーレスは独自の調整を行っている。ストイックなトーレスだからこそ、ファンサービスに対応できなかったという背景があった。 

     実質的に加入後、初めて練習場でファンサービスが行われることになった8日は6日以上に見学者が殺到。駐車場は練習開始前に満車となり、16時に練習開始という中、早い人は12時にはすでに練習場へやってきていた。練習が始まる前からファンサービスエリアは隙間もないほど、約300人の見学者でいっぱいとなった。チームが約2時間の練習を終え、トーレスがファンサービスエリアに向かうと見学者からは「トーレス!」と所々から大きな声が。サインを求める見学者が多くトーレスは従来のファンサービスエリアよりも手前のエリアから防球ネット越しに対応。あまりの多さにすべてに対応することはできなかったが練習後の疲れを見せずにできる限り、対応した。

     ファンサービスの対応の仕方や見学者のマナー、殺到した際に子どもの安全が脅かされるなど、今後の対応についても課題は残したが、あらためてトーレスの注目度をうかがわせる一日となった。トーレス狂騒曲はまだまだ続きそうだ。

    文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)