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「ずっと前から大阪桐蔭ファン」が栃木にいた。「サッカーではバルサ。高校野球では大阪桐蔭。そういうこと」(西谷和希)
今夏の高校野球は大阪桐蔭高校が史上初となる春夏2連覇で幕を閉じたが、大阪桐蔭が優勝した直後にツイッターで喜びを爆発させたのが栃木の西谷和希だ。
ただ、西谷和は大阪桐蔭とは何のつながりもないはず。大阪桐蔭に並ぶ大阪の名門、PL学園出身の漫画家が描く『バトルスタディーズ』を愛読することはよく知られた事実ではあるが…。
23日の練習後に本人に直接理由を聞くと「ずっと前から大阪桐蔭のファンなんです」と、それよくぞ聞いてくれましたね! といわんばかりの様子でこう続けた。
「もともと高校野球は大好きで、大阪桐蔭の野球が好きだったんです。(主軸の)根尾くんたちが入学してきたときからずっと注目していました。彼らはミレニアム世代、2000年生まれの黄金世代。ずっと注目していて、今回、見事に優勝してくれました。去年のメンバーもすごく良かったですけど、今年もすごかったし、来年もいいし、今の1年生もいいんです。その中には栃木の子もいるんですよ。小山市出身の仲三河(優太)くんです。県大会はベンチ入りしていたんですが、全国大会ではメンバーから外れてしまって。でもきっと来季のチームではメンバー入りしてくれると思います」
西谷和はあふれんばかりの高校野球愛を抑えきれないといった様子で一気にまくし立てた。なぜそれほどまでに大阪桐蔭に惹きつけられたのだろうか。
「大阪桐蔭といえば強力打線だし、投手も野手も全員すごい。そういう攻撃的なチームが好きなんです。サッカーではバルサ。高校野球では大阪桐蔭。そういうことです」
西谷和は流通経済大学出身で、在学中は勝者のメンタリティが沁み込むほどに勝ち続けながら大学生活を送った。それからプロ入りを果たしたのだが、そんな強者としてのDNAの今もなお騒ぐのだろう。
文・写真:鈴木康浩(エルゴラッソ栃木担当)
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フェルナンド・トーレスの初ゴールをアシストした、鳥栖・福田晃斗の美技。でも、味方にイジられたのはなぜ?
天皇杯ラウンド16・神戸戦で待望の加入後、初ゴールが生まれた鳥栖のフェルナンド・トーレス。そのゴールをアシストしたのが福田晃斗だった。「想像していた通りのことができた」と本人も話した、テクニカルなトラップで相手をおきざりにしてからフリーのトーレスにパスする流れは見事だった。トーレスも「晃斗が素晴らしいプレーをしてくれて、私が簡単にゴールすることができました。晃斗のおかげだと思います」と福田への賛辞を惜しまなかった。
トーレスの日本での初ゴールということで、まさに歴史的な瞬間に関与することになった福田だが、このゴール映像は日本のみならず、またたく間に世界にも配信された。まさに一生の記念に残る瞬間だったと言える。福田も「本当に僕としては光栄なことですし、僕もうれしいです。それに尽きるかなと。光栄です(笑)」と喜んでいた。
ただ、試合後にはすぐにチームメートからイジられていたようだ。「みんなにもうイジられました。『多分、映像で使われるのはあのターンのあとからだよ』って」と苦笑いで試合後には明かしている。福田が見せたトラップからのパスという流れはまさにワールドクラスのプレーだった。映像を使う際は、ぜひとも福田のトラップシーンから使ってもらいたいところだ。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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「今度は(北川)航也に良いボールを」。清水の金子翔太、盟友へのアシストを誓う
前節、明治安田J1第23節・浦和戦で2ゴールを決めた金子翔太。これで今季8ゴールとなり、自己最多の4点を更新し続けている。二ケタ得点もちらつくが、「二ケタは意識していない」と言う。今節はそれより別の目標がある。「ゴールを狙ってはいるが、ゴールを取らせることも意識している。前節は(北川)航也から良いボールをもらったので、今度は航也に良いボールを供給してお膳立てしたい」。
北川は中断明け2試合連続でゴールを決めていたが、ここ5試合、得点はなし。ヤン・ヨンソン監督も「ゴールは入っていないが、チャンスは訪れている。それを落ち着いて決めてくれたら」と話す。チームとしては得点を奪えているが、ここに北川のゴールが決まれば、さらに勢いづくことは間違いない。
チームのゴール数は金子が8得点で1位、北川は7得点で2位となっており、アシスト数では、逆に北川が5アシストで1位、金子が4アシストで2位。北川がゴール数を増やして、金子がアシスト数を増やす。この2人の切磋琢磨を続けていきたい。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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片野坂知宏監督の喉を守れ! サポーターのTwitterをきっかけとした大分と浅田飴の縁、その行方やいかに
15日に開催された明治安田J2第29節・東京V戦後のDAZNインタビューと記者会見で、大分の片野坂知宏監督のかすれ声が、広くJリーグファンの注目を集めた。
試合中は終始テクニカルエリアから指示を送り続ける片野坂監督。その躍動ぶりは「ヒートマップを見たい」「専用カメラを置いてほしい」と要望が出るレベル。東京V戦は敵将・ロティーナ監督とのハイレベルな采配合戦となったためにベンチでコーチ陣とタクティクスボードをいじっている時間帯もあったが、テクニカルエリアでは声が出ないもどかしさからか、いつもは爪先立ちで踏みとどまっているところを完全にはみ出して、第4審判に制止される場面も。
そんな片野坂監督が声を嗄らしたことはこれが初めてではないのだが、今回は試合開始5分でのアクシデント。ハーフタイムにはスタッフが大分サポーターたちの応援するゴール裏にまで走って「お客様の中にのど飴をお持ちの方はいらっしゃいませんかー!」と叫び、コールリーダーから袋ごとのど飴をいただいて戻るという一幕もあった。
それを受けて大分サポーターの間で「片さんにのど飴を差し入れせねば」という機運が高まった中、一人のサポーターが「浅田飴さん、片さんの喉を守ってあげて」とツイート。なんとこれに浅田飴の公式ツイッターアカウントが反応し、それが縁でその翌日、大分FCスタッフが浅田飴本社へ挨拶に出向くことになった。
ツイッター界隈でJリーグクラスタが固唾をのんで見守る中、無事に初対面を終えた両社は、それぞれの公式ツイッターアカウントで経過を報告。大分FCスタッフはひたすら片野坂監督の手腕の素晴らしさと声嗄れについてしゃべりまくったようだが、訪問終了後に自社へと入れた連絡は、さすが浅田飴本社を訪れた後だけに「スッキリいい声」だったという。
営業担当が頑張って飛び込むのとは一味違う、予期せぬきっかけから生まれた御縁。どうやら今後の展開もありそうな気配で、ファンの関心も高まるばかりだ。両社のこれからを見守りたい。
文:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
こちらもご挨拶に伺いますなどと勝手にツイートしてしまい絶対怒られる!とヒヤヒヤしておりましたが…温かくお迎えいただきありがとうございました!!営業担当からスッキリいい声で連絡がありました☺️このご縁が続きますように…⚽️ https://t.co/vXupflh04Z
— 大分トリニータ【公式】 (@TRINITAofficial) 2018年8月23日 -
榎本哲也、天皇杯でひさびさのメンバー入り。苦しい日々を乗り越え、いま思うこと
再び、メンバーに入った。浦和の榎本哲也が、22日の天皇杯ラウンド16・東京V戦でベンチ入り。今季開幕戦、5月のルヴァンカップでサブに入って以来、3度目のことだった。
「長かった。うん、長かったですよね」
本人は感慨深けに、ただほっとしたようにも映る表情でケガに苦しんだ日々を振り返った。
1月の沖縄キャンプ序盤で受傷したのは、右足かかとの骨挫傷。「足をつくのも痛い」というような、私生活にも支障をきたす厄介なケガだった。その後何度か復帰するものの、そのたびに筋肉系の負傷に見舞われた。右足をかばっての結果だ。浦和に加入して2年目の今季は、実に苦しい日々が続いた。
「こんなに長くかかったケガは、これまでなかった」(榎本)。右足の状態も良くなり、6月に全体練習に合流してから、少しずつ、少しずつ状態を上げていく。「コンディションが上がってきたし、次はメンバーに入るか」。土田尚史GKコーチから告げられたのは、東京V戦3日前の19日のことだった。
現在はリーグ戦159試合連続フル出場(継続中の記録で最多)を続ける西川周作が万全の状態、ルヴァンカップでは福島春樹が好パフォーマンスを見せて第2GKの座を確かなものにしていた。岩舘直も負傷から復帰して突き上げがある。そんな状況下でも、「耐えて、耐えて、練習してきた」からこその今回のメンバー入りだった。
ついに公式戦出場を見据える立場になったが、ルヴァンカップで敗退したこともあり、すぐにチャンスが訪れる可能性は少ないといえる。それでもーー。榎本は「はっきりと勝ちにこだわる監督のもと、勉強になる日々」と現状を前向きにとらえて、“その日”のための準備を続ける。
文・写真:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)
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「チームのために黒子に」。上位対決を前に、松本・岩間雄大が粉骨砕身を誓う
横浜FC戦との上位対決を控えた23日、松本のMF岩間雄大が試合に向けての意気込みを語った。
暫定3位との直接対決となった前節・町田戦に0-1で敗れ、リーグ戦の連勝も『5』でストップ。悔しい結果ではあったが、今節も暫定4位の横浜FCとの激突となるだけに下を向いてはいられない。
「強いチームは気持ちを切り替えて、次の試合に臨めるもの。この横浜C戦もホームでやれるので、声を掛け合いながらやっていきたい」と“チーム一丸”を強調して、今節に臨む。
対戦する横浜Cについては、「相手の特長に関しては消すことが重要。イバ選手など力のある選手がいるので、対処の方法なども変わってくる」と前線で存在感を発揮しているイバやレアンドロ・ドミンゲスらのアタッカー陣への警戒を強める。
その上で自身としては「チームを助けられるようなプレーをしたい。常に言っているがチームの勝利のためなら黒子で構わないので、見えないところでも貢献できれば」と連敗阻止のために粉骨砕身することを誓っていた。
文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]残留争い直接対決
[明治安田J1第24節 プレビュー]
■鳥栖 vs G大阪
差は1。降格ラインを挟んだ直接対決
[明治安田J1第24節 プレビュー]
■柏 vs 長崎
その差5の“直接対決”に臨む柏[天皇杯 マッチレポート]
■鳥栖 vs 神戸
日本初対決で初得点。ベアスタ大熱狂