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清水の練習場に戻ってきた“あの選手”
21日、清水の練習場・三保グラウンドに見慣れた顔があった。現在、清水はGKの負傷が相次ぎ、六反勇治と西部洋平の二人だけでGK練習を行っていたが、そこに3人目として入っていたのは高木和徹。高木和は、今季途中に千葉に育成型期限付き移籍していたが、公式戦の出場はなく「なかなか難しかった」と振り返った。
ただ、千葉では「高い位置を取ることを求められていて、足元の技術に関してはプラスになった」と話す。さらに、清水に戻ってきて最初の練習では早速、ペイトンGKコーチの細かい指導を受けており、「基礎的なポジショニングとかを教えてくれている。しっかりと吸収していきたい」と意気込んでいる。
これについて六反は、「シーズンが終わって休みに入る選手も多いなか、自分のことを考えて、しっかりトレーニングに来るというのは大事なこと。徹の今季は終わってしまったが、彼のサッカー人生は続くので、良い期間になると思う」と話す。千葉に行く前にも、六反の背中を追ってトレーニングに励むなど、彼から受けた影響も大きい。再び「師匠」とトレーニングをともにして、さらなるレベルアップを目指す。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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長崎の黒木聖仁が高木監督への感謝の思いを語る
黒木聖仁が恩師への感謝を語った。
19日に高木琢也監督の今季限りでの退任が発表された。黒木が最初に長崎にやって来たのは14年途中。C大阪で出場機会を得られていなかった中での移籍だった。長崎では1年半で58試合に出場。サッカー選手としての輝きを取り戻した。それだけに黒木にとって高木監督は「拾ってもらった身として本当に感謝しているし、サッカー選手として自立させてもらった」という存在であり、「(長崎への移籍が無ければ)いまごろはもう、サッカーを辞めていたかもしれない」と話す。
高木監督の指導について、「高木さんの下で指導を受けて、中途半端だった選手が自立していくことが多いのはやっぱり、高木さんの厳しさがあったからこそ、成長できたんだと思います」と振り返る。しかし、黒木は今でも高木監督と接するときには緊張するという。「サッカーに対して、厳格な人なので常に緊張してしまう。高校のときの監督に会うときもそうなんですけど(笑)」。ただ、そんな黒木も最後は感謝の思いをしっかり、伝えたいと話す。
「本当に感謝しているし、プレーでその気持ちは見せたいと思っています。でも、最後は何とか『ありがとうございました』ということを伝えたい。最後、少しでもしゃべれればいいかなと思います」、照れ屋な黒木らしく、少し、気恥ずかしそうに思いを明かしてくれた。
「自分としてはここに帰ってきたのに、降格させてしまう形になって、何もできなかったという気持ちがある」と話す黒木だけに降格が決まり、喪失感は大きかったと話す。それでも、残り2試合、恩師と一緒に戦える機会がある。気持ちを奮い立たせるには十分なはず。プレーで、そして、言葉で感謝の思いを表現しなければならない。
文・杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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引退する親友の待つ広島戦へ。佐藤寿人が語る森﨑和幸という特別な存在
24日、エディオンスタジアムで行われるアウェイ・広島戦は、名古屋の佐藤寿人にとって感慨深いゲームになるのは間違いない。
すでに今季限りの引退を表明し、「長く苦楽をともにした“仲間”という言葉では片づけられない大切な存在」と佐藤が言う広島・森﨑和幸のホーム最終戦が行われるのだ。
同じ年の佐藤と森﨑和の出会いは18歳のとき。ともに年代別の日本代表として日の丸のユニホームに袖を通した。そしてその後プロの世界で戦うようになり、05年、佐藤が広島移籍を決断したのも森﨑和や双子の弟の浩司、駒野友一(福岡)がいたからだった。
「僕が広島にいったときはカズ(森﨑和)がキャプテンで、若かったのにチームをまとめてくれた。そのあともいろんな苦労があった中、常に一緒に戦ってきた」(佐藤)。
07年にはJ2降格という辛酸も舐めた。それでも翌08年は断トツでJ2優勝を成し遂げJ1に返り咲くと、12年には二人とも主力としてJ1優勝という悲願を成し遂げた。「広島に移籍して最初の優勝をカズと浩司と僕と3人で分かち合えたのは、僕のサッカー人生の中で本当に最高の瞬間でした。その翌日3家族で食事をしました。今まで何度も食事をともにしてきましたけど、本当に特別な、スペシャルな一日でした」
今でも佐藤の携帯電話のスクリーンショットに、優勝を成し遂げた時に撮影された3人の笑顔が大切に保管されている。
その森﨑和幸のプレーヤーとしてのすごさを佐藤はこう見ている。
「基本的なプレーがパーフェクト。派手さはないが目に見えないところでチームを助けてくれる。一番すごいと思うのは駆け引き。パスコースをわざと開けておいて、相手にそこにパスを出させて奪うというのはカズにしかできない専売特許。いろいろな選手と対戦してきたけど、駆け引きでカズを上回る選手はいないですね」
そんな森﨑和幸と対戦できるのはあと1試合になる。
「広島で生まれ育って、いろいろなプレッシャーを背負って地元でプレーしてきた。なかなかいまのサッカー界では“ワンクラブマン”は難しいけど、一つのクラブでやりとおして、その中で広島という決して大きくはない規模のクラブを3度の優勝に導いた。これは本当に大きな功績だと思います。できればカズを継ぐ選手が広島の中で生まれてほしい。引退するのは寂しいけど、選手として一緒にサッカーをすることはなくなるというだけで、また違った形でカズと一緒の時間を共有できると思っているので、何かカズの手助けができたらと思います」
24日、森﨑和幸ホームラストマッチ。佐藤寿人のいる名古屋が対戦相手というのも何かの因縁だろう。最後のホイッスルが鳴った瞬間の二人の様子を見届けてほしい。
文:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
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[本日のエルゴラッソ1面(2版)]アジアカップへの躍動
[日本代表]2版
■日本代表 vs キルギス代表
2018年ラストは快勝。さあ行くぞ、アジア杯へ[Jユースカップ決勝 マッチレポート]
■清水ユース vs 横浜FMユース
爆発的攻撃力で席巻。Jユース王者は横浜FM[高校サッカー選手権]
■昌平 vs 浦和南
帰ってきた埼玉の古豪。浦和南が実に17年ぶりの選手権へ