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リーグ最終戦と天皇杯での先発出場を目指す仙台・古林将太。「上にいける結果を出したい」
仙台の古林将太が、12月の連戦に臨む仙台において、右ウイングバックでの先発復帰を目指している。
昨季途中に仙台に加入した古林は、今季開幕戦から先発出場の座をつかんだが、3月31日からのリーグ戦とカップ戦が短い間隔で続く“15連戦”の最中に負傷。その後、なかなか出場機会をつかめなかった。しかし「常に機会を逃さないように。でも、気張り過ぎずに、100%の力を出すことを考えてきました」と自らを磨いてきた。10月24日の天皇杯4回戦・横浜FM戦(3○2)で久しぶりに公式戦先発出場を果たすと、得意のクロスから石原直樹の決勝ゴールをアシストした。
最近の仙台において右ウイングバックで先発出場を続けてきた蜂須賀孝治が、前節・鹿島戦で負傷退場し、次節・神戸戦での出場が危ぶまれる状況だ。ここで右サイドからの「縦に、深い位置まで入ってのクロスが得意」という古林には、空席となった右ウイングバックでの活躍が期待される。11月11日には、広島との練習試合で得点。このことについては「お互い公式戦とは違うし、あまり細かくは覚えていないのですが」と前置きした上で、「久しぶりに90分間プレーできたし、いいイメージをもって、上にいけるような結果を出したい」と、好調を維持して神戸戦の出場を目指す。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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高木琢也監督、長崎でのラストゲームに向けた心境を語る
退任する高木琢也監督がラストゲームへの心境を語った。
19日に今季限りでの退任が発表されている高木監督にとって、次節は6年間、指揮を執ってきた長崎でのラストゲーム。その心境を問われると「最後のゲームという感覚は自分の中ではまだあまりない」と普段どおりの口調で答えた。
しかし、退任発表以降、練習場に訪れるサポーターの数は日に日に増している。もちろん、そのお目当ては高木監督だ。どの選手よりも長くファンサービスエリアで時間をかけて、一人ひとりに丁寧に対応している。「逆に、本当にチームを離れるんだなと感じたりします」とやり取りの中で徐々に退任を実感している様子だった。そこで掛けられる感謝の言葉の一つひとつが高木監督の心に優しく響いている。
「普段はこられない方でもきていただいて、温かい声、簡単に言えば、『ありがとうございました』や『お疲れ様でした』という声をいただけるのは本当にありがたいことだなと思います。この世界でこういう仕事をしていくとなかなか、そういう言葉をかけられることはそんなに多くないと思います。昇格はしましたけど、降格という最悪の事態にしながらも、そういう言葉をいただける。それは短期ではなく、このチームに関わってからのことを考えていただけたんだなという意味では自分自身にも満足感はあります。少しもやもやしたものがあったとしても、そういった言葉のおかげで(気持ちが)スッとできて、また新しいチャレンジをやっていけるのかなと。本当にいい言葉をいただいています」
結果が出なければ罵声を浴びせられることもある厳しい世界。降格という現実がありながら、高木監督に届けられるのは感謝の言葉ばかり。その光景が功績の大きさを物語っていた。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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J1史上初のGKによるヘディングゴールを決めた清水の六反勇治。複雑な心境になった噂とは?
第33節・清水vs神戸はラフプレーや退場などで大荒れとなったが、その中でも清水のGK六反勇治が同点ゴールを決めたことは衝撃だった。あのとき、ゴール前でどんなことを考えていたのか。「相手は(退場やケガで)人数が少なかったので、ゴール前に必ずフリーになるということは分かっていた。一人がゾーンで守っていて、それ以外はマンマークで、人数が余っていた。そこでクリアされなければ決められる確率が高いかなと思っていた」。
その読みもあり、石毛秀樹のCKにゴール正面に陣取った六反の、下がりながらのヘディングシュートがゴールに収まった。FW顔負けのシュートは、J1では史上初GKによるヘディングでのゴール。簡単なゴールではなかったはずだ。
普段から練習をしていたのか?
「練習はしていない。それだったらキーパーの練習をしていますね」
とやはり、真っ当な答えが返ってきた。ただ、六反はこんな噂を聞いたようだ。「鹿児島のテレビでは、投げ飛ばされたことしか放送されていなかったらしい」。故郷では、ゴールを決めたことは流れず、ウェリントンに投げ飛ばされたこと、そして試合後に泣いていたことばかりが映し出され、複雑な気分だったようだ。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)