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70年目の早慶サッカー定期戦。7月12日、伝統の一戦を制すのは?
早稲田大と慶應義塾大が激突する伝統の一戦、「早慶サッカー定期戦―早慶クラシコ―」の季節がやってきた。キックオフは7月12日、舞台は等々力陸上競技場だ。果たして今年は、どんな激闘が繰り広げられるだろうか。節目の第70回大会を前に、まずは両雄の歴史を振り返ってみたい。
遡ること69年、1950年10月1日。神宮外苑競技場(国立競技場)にて行われた第1回大会から、定期戦の歴史が紡がれ始めた。日本初のナイトゲームだったという一戦の結果は6-4。慶應大が打ち合いを制して初代王者に輝くと、早稲田大も負けじと翌年にリベンジ。5-2と勝利を収め、大会初制覇を果たしている。以後は拮抗した戦いが続き、第12回大会を終えた時点で半数の6試合が引き分け。戦績は慶應大の4勝6分2敗だった。
しかしここから、黄金期を迎えた早稲田大が勝利を重ねていく。2度の天皇杯制覇を成し遂げた1960年代から、定期戦でも慶應大を圧倒。通算成績37勝18分14敗でリードを保ち続けている。なお、直近10年間は早稲田大の7勝3敗。2012年の第63回大会から7連勝中で、今年は大会記録に並ぶ8連覇が懸かるだけに、是が非でも勝利をつかみたいところだろう。対する慶應大も、これ以上の屈辱は味わいたくないはず。7連敗中とはいえ、直近5試合中4戦は1点差での決着と、紙一重の戦いを続けていることも事実だ。
今年も伝統の一戦が幕を開ける。いつ何時も互いを意識し、切磋琢磨を続けてきた両雄にとって、この90分が持つ重みは計り知れない。選手、監督、コーチ陣はもちろん、部の運営や試合開催に尽力するすべてのスタッフ、両校の卒業生と、あらゆる人々の思いが注がれる大一番だ。2014年から舞台が等々力へと移り、一昨年からは「早慶クラシコ」と新たな愛称も加わった。時の移ろいとともに変わり行くもの、そして決して変わることのない勝負へのこだわり――。令和最初の定期戦を制するのは、果たして。
(写真)現在7連勝中の早大
文・内藤 悠史 写真・JUFA/Reiko Iijima