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2020.8.27(Thu)

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  • 松田詠太郎、相模原での半年間。「正直、プラン変更をしないといけない」(三浦文丈監督)

    「早かったもんな……(笑)」

     声の主は相模原の三浦文丈監督。今月上旬、横浜FMへの復帰が決まった松田詠太郎に話題が及ぶと、苦笑いを浮かべつつ、そう本音が漏れた。

     相模原において、松田の存在感は別格だった。彼が務める右サイドはまさにチームの生命線。「ウチの必勝パターン」と三浦監督が評していたように、プロ1年目の19歳はすでに攻撃の軸を担っていた。

    「ユース上がりでまだまだ弱い部分はあったけど、なんて言ったって数字は残してきていたから。詠太郎のところから生まれているチャンスはかなり多かったし、詠太郎がいることで相手がケアをして、そこに2枚がつけばほかが空く。そういう効果もあったからね」

     第2節・藤枝戦で早くもJリーグ初ゴールを決めると、シーズン序盤から相手クラブの警戒は強まった。多くのチームは松田に対し、数的優位を確保する策を取った。SBは縦を切り、中からは中盤の選手がヘルプに来る。それでも鋭い突破力、そしてルーキーらしからぬエリア内での冷静な判断力で、多くの決定機を生み出していった。

    「警戒されていたのはそれだけ結果を残していたから。もっと言えば、結果を出しているから戻されちゃったんだけどね(笑)」

     そんな活躍を、横浜FMは放っておくわけにはいかなかった。ただ、三浦監督は転機となった“ある1つの試合”について、こう教えてくれた。

    「マリノスのBチームと練習試合をする機会があっったんだよね。打ち合いのような試合になったんだけど、そこでも詠太郎に相当切り裂かれていたから。たぶんそこで(レンタルバックの)イメージがあったんだと思う」

     話によると、横浜FMからの要請があったのは7月下旬。チームはまだ5節を消化したタイミングだった。「正直、プラン変更をしないといけない部分はあった」と三浦監督。予期しないシーズン途中の“里帰り”は、まさに青天の霹靂だった。それでも、19歳の輝かしい未来に、指揮官は期待を寄せる。

    「でも、あいつにとっては絶対に良いことだから。これで活躍してくれたらいいよね」

     そして昨日26日、松田はJ1初先発を飾ると、堂々たるパフォーマンスを見せてチームの大勝に大きく貢献した。三浦監督の目にも、その背中は頼もしく映ったに違いない。

    文:林口翼