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“多摩川クラシコ”に向けて、脇坂泰斗と仲川輝人が特別対談! 「クラシコを機に…」
3月30日に行われるJ1第5節、“多摩川クラシコ”、川崎フロンターレvsFC東京に向け、スペシャル対談が行われた。
Jリーグで43回目(うちJ2リーグ4試合)となる伝統の一戦を前に、両チームを代表して川崎Fからキャプテンの脇坂泰斗、FC東京からは川崎Fの育成組織(スクールからU-18まで)出身の仲川輝人が今回の試合会場となるUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで“前哨戦”を行った。
両者ともに川崎フロンターレU-18出身ながら、年齢は3歳差。脇坂が川崎フロンターレU-18への入団が内定した中学3年のときに練習に参加したものの、当時高校3年生だった仲川は「全然覚えていない」という程度の関係性の両者。開始当初はやや不安な様子をのぞかせながらも、徐々に盛り上がりを見せていった。
今季のJ1リーグ5試合目で迎える多摩川クラシコ。これまでのお互いの戦いぶりについてはどういう印象を持っているのだろうか。
脇坂「タイムリーなネタでいうと、(長友)佑都さんが日本代表に復帰しましたし、U-23日本代表にも4人くらい入りましたよね?」
仲川「4人だね」
脇坂「そういう若手選手の勢いもありますし、一人ひとりがフォーカスされているという印象です。荒木(遼太郎)くんも期限付き移籍で来て結果を残していますよね?」
仲川「そうだね」
脇坂「いろいろなところに目の付けどころがある印象ですね」
仲川「フロンターレさんは人が抜けても力があるチームですよね。今季もだいぶ抜けてきついだろうなと思いますけど、力はあるし、ベースの底上げがあるので強いと感じます。結果はあんまり?」
脇坂「そうですね。まだそんなに出せていないです」
仲川「僕らも最初は全然勝てていなくて、前節で福岡に勝って、『やっと勝てた』という感じだった」
脇坂「お互いに波に乗れていないので」
仲川「まだ、ね」
脇坂「クラシコなので、このゲームを機に、みたいなところはお互いにあると思うので、そういった意味でも大事なゲームになると思います」
仲川「そうだね」
脇坂「さらにここから連戦なので、どう弾みをつけるか大事な試合になります。34試合のうちの1試合ではありますけど、勢いは大事なので、本当に大事な試合になります」
仲川「僕らは福岡戦が内容的にも満足いく試合だったので、またアウェイになるけど、勢いをどう継続していくか。素晴らしい雰囲気の中、自分たちのサッカーをどう展開していくかも大事。それが自分たちの優勝できるかできないかということにも関わってくるので、今年一番大事な試合と言っても過言ではないくらいの多摩川クラシコだと思う」
また、警戒したい選手の話になると、お互いがお互いを意識しながら、昨季の国立競技場での一戦の話にもなり…
仲川「どの選手も危険ですけどね」
脇坂「本当にそうですね」
仲川「でも中盤を支配されたくないと思っているので、相手にとって一番重要なのは脇坂選手だと思っています。止めるために僕は削りにいきますよ」
脇坂「仕返しですか?」
仲川「去年のクラシコで、国立で削られているので、うまく削りにいこうと思います」
脇坂「うまく削るなんてことあるんですか?」
仲川「退場にならないように」
脇坂「僕も退場にならないようにしっかり止めたいと思っています。東京さんもポゼッションを志向されている中で、目線がそこにばかり言ってしまうとテルさんの一瞬の速さ、緩急はすごく嫌なので、そこに入らせないために奪い切りたい、中盤でフリーで持たせるとテルさんのランニングが脅威になるので、守備陣のマークも大事ですけど、自分たちがどれだけ寄せられるか、出させないかということも大事になってくると思います」
お互いがお互いを意識する中、脇坂からすれば育成出身である仲川に活躍させたくない、仲川からすれば育成出身のチームだからこそ活躍したい、という気持ちはあるのだろうか。
脇坂「それは僕よりテルさんの方があるかもしれないですね」
仲川「どうなんだろう? でも僕は(横浜F・)マリノスにいたときもそうですけど、等々力での試合は点を取っていていい印象はあるし、また点を取りたいです」
脇坂「僕はフロンターレにいる者として、アカデミー出身者には点を取らせないように頑張ります。でも冗談抜きで一番取らせたくない選手ではあるので、チームとしても点を取らせないようにしたいです」
仲川「僕はボールを握らせないようにします。激しくいきます」
今対戦するからこそ注目してほしいことはあるのか。両者ともにチーム状況があるからこそ、多摩川クラシコにかける思いは強いようだ。
脇坂「まだお互いに望んでいる結果が出ていないので、僕らとしてはシーズンが終わったときに『多摩川クラシコからだったね』という試合にしたいです」
仲川「それはしたいね。僕らは福岡戦でポゼッションやパスワークに兆しが見えたので、それを川崎さん相手にどれだけできるかというところも大事になってくると思います。お互いにいろいろな意地やプライドがあるので、早く試合がしたいという思いが強いです」
そして、脇坂が「『多摩川クラシコのベストゲームだね』と言われるくらいのプレーをしなければいけない。ホームなので受けることなく積極的にプレーしたい」と言えば、仲川が「このスタンドが満員になってくれることを願っている。お互いが面白い試合ができるように、僕らは全力でプレーするだけだと思うし、本当に楽しみ」という今回の多摩川クラシコ。Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuのピッチで熱く激しい戦いが展開されることになりそうだ。写真・文:菊地正典(エル・ゴラッソ川崎F担当)