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長崎の『3』飯尾竜太朗。松本との古巣戦を前に『3』の先輩について語る
長崎の飯尾竜太朗が背番号3の先輩について語った。
今節、松本との対決を控える長崎だが、飯尾にとっては昨季まで4シーズンを過ごした古巣との初対戦となる。古巣戦について「松本のサポーターのみなさんには本当に感謝しているし、育ててもらったという感覚がある。恩返しというか成長している姿を見せられるようにピッチで躍動できたら」と胸中を明かしている。
また、長崎では背番号3を背負い、右サイドでプレーしており、その点は松本の田中隼磨を想起させる。背番号3を選んだ理由に田中の存在があったのかを尋ねてみると「どうでしょう(笑)」と笑顔ではぐらかしたが、「松本にいるときにずっと目の前にいて越えないといけない壁だった。(ポジションを奪えなくて)悔しい時間もあったけど、人間としてもサッカー選手としても尊敬できる人。意識しなくても勝手にお手本になる人、意識せざるを得ない存在」と背番号3の先輩の存在をそう語ってくれた。
ともに右サイドでのプレーが濃厚なだけに、直接マッチアップする機会は多くないだろう。しかし、松本のサポーターにとっても長崎で欠かせない戦力として活躍を見せるもう一人の背番号3の存在は気になるところではないだろうか。どちらのチームにとっても背番号3の出来は勝敗に大きな影響を及ぼすはずだ。
文・写真:杉山文宣(エル・ゴラッソ長崎担当)
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山下達也が合流。激化するCB争いに指揮官もうれしい悲鳴
J1第4節・鳥栖戦で負傷し、左ハムストリング筋損傷で全治3週間と診断されたDF山下達也だが、「思ったよりも早く」(山下)今週から全体練習に合流。今節の鹿島戦に向けても「出られる」(山下)状態だと話す。
一方で、その鳥栖戦と、山下が欠場した前節・横浜FM戦では、プロ2年目のDF木本恭生が山下の代役にとどまらない印象的な活躍を見せた。それだけに、メンバーを選ぶ立場のユン・ジョンファン監督も「すごく悩ましい」とうれしい悲鳴を上げる。
ポジションを競う形となった両者。木本の台頭について山下は「勢いがあるし、出たら点を取りそうな雰囲気もある。でも、(木本に限らず)CB全員がライバルだと思っているので、自分自身としては、今までどおり、練習からアピールを続けていきたい」と話す。
一方の木本も、「山下さんはずっとレギュラーを張ってきた選手。守備の部分では(山下のほうが)安定感はあると思う。もちろん(山下から)ポジションを奪う気持ちでやらないといけないけど、守備の強さはもっと出していかないといけない」と謙虚に話す。
層の厚みがグッと増し、チームにとっては喜ばしいCB陣の激しい競争。試合当日、先発に名を連ねているのは果たしてどちらか?
文・小田 尚史(エルゴラッソC大阪担当) -
負傷から完全合流した千葉の町田也真人。「インテリオールの選手がゴールに近付くところが少し足りない」
千葉は5日、千葉U-18を相手に実戦形式の練習を行った。通常は主力組と控え組の紅白戦を行っているが、この日は互いに2チームずつ編成してピッチ2面を使用。トップチームは主力組のメンバーを入れ替えながらトレーニングし、8日の群馬戦に向け、選手間の競争を煽りながらモチベーションを高めた。
千葉の通常の紅白戦では、週末の試合を見据えて主力組はほぼメンバーを固定して細かな戦術を確認することが多い。一方で5日の練習では全ポジションで頻繁に交代を行い、チームの活性化を図った。
千葉は直近3試合で1分2敗。第3節・名古屋戦(2〇0)を最後に勝ち星から遠ざかっており、開幕から全敗中の群馬を迎えるホーム戦ではどうしても勝ち点3が欲しいところ。選手たちも激しさを増すチーム内競争を肌で感じているようで、ここ3試合欠場中ながら今週から完全合流したMF町田也真人は「いろいろな選手が出ているが、その中で(自分は)一つ違いを出せるようにしたい。(具体的には)インテリオール(スペイン語でインサイドハーフの意)の選手がゴールに近付くところが少し足りないと感じていたので、ダイナミックさを出せれば」と群馬戦での先発復帰と勝利を誓っていた。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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今季初得点を決めた山口のMF小野瀬康介、「気持ちがラクになった」
J2第6節・水戸戦で70分から途中出場した山口のMF小野瀬康介。78分にPKを獲得し、ゴール左スミに蹴り込んで今季初得点を決めた。「コースは決めてなかった。GKが動かなかったので感覚で速いボールを蹴った」と振り返る。
その後も豊富な運動量でゴールに迫り、チームに勢いを与えた。以前のインタビューで、チームの目指す形と自身の特長との狭間で「迷い」を吐露したが、ゴールを決めたことで「気持ちもだいぶラクになった」という。
「先発で出場していたときは連係を意識し過ぎてゴールを決めるという大事な部分を優先できていなかった。一度先発から外されて結果が大切だとあらためて気付いた。一番欲しいのはゴール。自分は点を取りにいくだけ」と意欲を見せている。
文:田辺 久豊(エルゴラッソ山口担当)
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今季加入のGK白井裕人、早くも金沢の絶対的守護神に
今季松本から金沢に完全移籍したGK白井裕人。開幕から先発出場を続け、DAZNベストセーブにランクインするなど、“1点モノ”を防ぐビックセーブを連発。J2第6節までを終えて金沢は9失点を喫しているが、白井の好守がなければもっと厳しい数字になっていただろう。
金沢が今季初勝利を挙げた前節・群馬戦でも、白井のシュートストップが光り、被決定機を阻止。相手に流れを渡さなかった。「1試合に何本かは決定的なピンチがあると思うので、それを止められたら、前節(群馬戦)みたいにしっかり勝ち点3が取れる。そこは見せ場でもあるので、止められるように練習からやりたい」(白井)。
ただ、多くの試合でGKのビックセーブが目立つのは、チームとしてそれだけきわどい場面を作られているということ。白井は「あまり良くないと言えば良くないけど、手を抜いてやっている選手はいない。やっぱりGKはピンチを救ってあげるポジション。これからも救えるように頑張りたい」という。
早くも新天地・金沢の絶対的守護神になりつつある。
文:野中拓也(エル・ゴラッソ金沢担当)
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春の訪れとともに上昇を。札幌は過密日程だからこそ結果を出す
今週末の8日、オフに大型補強を敢行したFC東京と対戦する札幌。
中3日でルヴァンカップの清水戦をはさみ、翌週は川崎Fと、翌々週は浦和と対戦するという、過密日程な上に難敵との激突が続くスケジュール。しかし、四方田修平監督は「立て続けに試合があるということは、結果を出すことができれば、勢いをつけることができる。過密日程をポジティブに捉えていきたい」と意欲的だ。
負傷離脱者が重なっている中、5日の練習ではMF石井謙伍とDF田中雄大が復帰し、FC東京戦にも間に合いそうな見とおし。この日の札幌市内は気温がおよそ15℃まで上がり練習中も陽の光が射し込み続け、「春めいてきましたね」と指揮官もほおを緩めた。前節は甲府に0-2のスコアで敗れる結果となってしまったが、春の訪れとともにチームの調子を上向かせ、勢いに乗って強敵を立て続けに打ち破っていきたい。
文:斉藤 宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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DF蜂須賀孝治、FWクリスランとの“ホットライン”開通 へ着々
DF蜂須賀孝治が、新加入FWクリスランとの“ホットライン”構築に手ごたえをつかみかけている。
今季は[3-4-2-1]の右MFでの出場が多い蜂須賀。ここまでは途中出場で、対面の相手を抜き去ってクロスを送るプレーが目立つ。その蜂須賀にとって、クロスのターゲット役として、今季から加わったクリスランが調子を上げてきたことは心強い模様だ。
「自分とクリス(クリスラン)はここまでベンチスタートで一緒に出ることが多くて、自分が顔を上げたところで、目が合うことも増えています」と、連係が深まってきたことを実感。4日の戦術練習でも、蜂須賀のクロスをクリスランが見事叩き込んだ場面があった。「良いクロスが増えてくることを、自分のゴール量産につなげたい」と歓迎するクリスランと蜂須賀の間に“ホットライン”が開通すれば、仙台の攻撃にとって強力な武器が増えることになる。
連係を深めるには、普段のコミュニケーションも大切だ。クリスランは5日の練習後も、取材を受けるDF増嶋竜也を報道陣に混じって見つめていたように、茶目っ気のある選手。蜂須賀も「普段のクラブハウスでも、お笑いの動画を見せてきてコミュニケーションをはかってくれています」と明かす。ポルトガル語なので内容はよく分からないとのことだが、「努力はひしひしと伝わってきます」と、ホットライン開通に向けて親睦を深めている。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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『8』から『24』へ伸ばした福岡のDF下坂晃城。先発機会は意外に早く来る!?
J2第5節の山形戦において途中出場で8分間プレーし、リーグ戦初出場を果たした福岡のDF下坂晃城。続く横浜FC戦でも左SBとして途中からピッチに立ったが、今度は24分間のプレー。その横浜FC戦では攻守に的確な判断を見せて安定感あふれるプレーを披露した。
「出場時間が伸びたので、自分をアピールするプレーをしたかったが、できたかどうか…」
自己評価を下すことに迷いを見せたのは、最も自分をアピールできるクロスの回数が物足りなかったことが理由のようだ。
「チームは2試合連続で無得点に終わっているので、もし次も出られるようであれば、クロスの本数を増やしたい。中にはウェリ(ウェリントン)という、どんなボールでも勝ってくれる選手がいるので、クロスの本数が増えれば、それだけゴールが生まれる確率も高くなる。少し浅い位置からのクロスもきっと効果的なはず」
まだ出場経験は浅いが、「ピッチで緊張することはほとんどない」というなかなか図太いメンタルの持ち主。カップ戦では経験があるが、リーグ戦での先発がまだない下坂に、そのチャンスが回ってくるのは意外に早いかもしれない。
文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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FKの名手・宮阪政樹、直接FKでのJ2通算得点記録を更新
Jリーグ参入以降、勝利したことのない鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムにて2-0の勝利。3連勝中と好調だった徳島に土を付ける快勝劇だったが、この試合で偉大なる記録が生まれた。
本日発売の本紙でもコラムが掲載されているが、この試合、直接FKでゴールネットを揺らしたのがMF宮阪政樹。J2通算で14点目となる直接FKでの得点となったが、これはJ2歴代単独トップの数字である。
壁を作る徳島の選手たちの何気ない動作を見逃さず、「(徳島の選手たちは)壁のニアを警戒しているのが分かったので、ファーに打ってみようと思った。軌道もスピードも回転も良く、うまく決めることができた」と振り返る。
直接FKでのゴール数がJ2歴代単独トップに立ったことについては、「昨季の東京V戦(第12節)のゴールでトップタイに並んでいたが、その1本で終わってしまっていた。まず1点決めることができたので、この記録をどんどん伸ばしていきたい」と、さらなる記録更新に意欲を燃やしていた。
文・多岐 太宿(エルゴラッソ松本担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]MVP RAFAEL SILVA
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