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今季初出場でアシストを決めた山口・廣木雄磨の進化
J2第9節・名古屋戦でDF廣木雄磨が今季初出場。90分最後まで走り切り、先制点をアシストするなど勝利に貢献した。「試合に出られないときもチャンスは必ず来ると思っていた。そのためのトレーニングもしてきて自信はあった。久しぶりに出られて楽しかった」と笑顔を見せる。
SBの選手として運動量とスピードの向上を目指し、オフシーズンにはトレーナーから個別指導を受けた。その教えを意識した陸上トレーニングは、いまも自主的に継続しており、「以前は長距離のときにスピードが乗っていかなかったが、いまは最初に出遅れても追い付けるようになった」と手ごたえを語る。
次節の長崎戦ではホームに駆け付けたサポーターに躍動する姿を見せたい。「球際の強さや切り替えで長崎に負けなければ、自分たちのパスサッカーがしっかりできると思う」と廣木。右サイドを力強く駆け上がり、連勝につなげたい。
文・写真:田辺久豊
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古巣戦を前に「負けたくない」を連発。“ブラザー”河原和寿との対戦を待ちわびる山形の瀬沼優司
昨年まで愛媛に在籍し、今季山形に移籍した木山隆之監督と青野慎也コーチ、さらに選手4人が今節、ニンスタに乗り込む。
GK児玉剛、FW瀬沼優司、FW阪野豊史、DF茂木力也の4人は現在、全員が主力として活躍中。乗り込む側、迎え撃つ側双方にそれぞれの思いが渦巻くが、瀬沼優司にとっても、公私ともに深い関わりがあった河原和寿との対戦が控えている。
河原を「僕の一番尊敬している先輩」と最大級のリスペクトをし、ツイッターでは「ブラザー」とも呼ぶ仲。瀬沼は今回の対戦について、「愛媛で2年、一緒に過ごさせてもらって、いろいろ学んでから敵として試合ができるのは、すごくうれしいこと。これがサッカーの素晴らしさの一つ。負けたくないですね」と闘志を燃やす。
「愛媛で過ごした2年間は、愛媛のことだけを考えて、愛媛のためにすべてを尽くして全力で戦い切ったと本当に言い切れます」と断言する瀬沼は、「一つの目標に向かって戦った仲間たちがたくさん残っているので、その仲間をリスペクトしつつも、一番は『負けたくない』という気持ちしか出てこないです。本当に負けたくない」と、取材中に「負けたくない」を連発し、今節への意欲を隠さなかった。
文:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
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熊本の清川浩行監督、JデビューのFWモルベッキを高評価
ホームでのJ2第8節・松本戦に続き、アウェイで臨んだ第9節・金沢戦も2-0で勝利した熊本。この試合では、終了間際の後半ロスタイム、3月に加入したFWモルベッキが途中出場。プレー時間は非常に短かったが、Jリーグデビューを果たした。
「判断良くプレーしてくれたと思う。林(祥太)からのパスを受けた場面は、もう少しタイミングが早ければ自分でシュートまでいけたかもしれないけど、状況を見て深いところまで運んでキープに入って、しっかり良い対応をしていた。守備も頑張るし、先発でもやれる力は持っている。途中でピッチに入っても流れを理解できる。チャンスがあればこれからも使っていきたい」と清川浩行監督も高評価。
次節から3連戦、さらに第13節からも3連戦と、現状の混戦から少しずつ差が開いてくる5月。松本戦でJ初ゴールを挙げてから2試合連続得点とブレイクの兆しが見えてきたグスタボとともに、若い二人のブラジル人が存在感を発揮し始めたことは、浮上を狙う熊本にとって大きなプラスだ。
文・写真:井芹 貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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横浜FCのフレッシュなベテラン小宮山尊信。「やっと0を1にできてよかった」
今季、川崎Fから横浜FCに移籍してきた小宮山尊信が、22日に行われたJ2第9節・千葉戦で今季初出場を果たした。4-0と大量リードした90分、ピッチに立った小宮山はサイドハーフとしてプレー。「三ツ沢は僕の好きなスタジアムだし、サポーターもすごく雰囲気良くしてくれた。交代を待っている間、なかなかプレーが切れなくて、『早く切れよ』ってずっと思ってました(笑)。ボールにあまり触れなかったので、次はもっと長い時間やりたいですね」と、笑顔は試合に戻ってきた喜びを感じさせた。
すでに練習試合では90分出場を幾度かこなしており、「コンディションはすっかり上がっている」。練習試合でともにプレーしたメンバーからは「SBの位置でボールが落ち着くのはすごく良い」(寺田)と絶賛を集め、エースのイバも「フットボールをよく知っている、重要な選手。早く一緒にプレーしたいね」とラブコールを送る。
公式戦の試運転を終え、これからゴールデンウィークの連戦で出場時間を伸ばしていくことが期待される。「千葉戦で試合前にメンバー表を見たら、自分のとこだけ出場0って書いてあって。あれを見て『早く出たい!』と思ったし、やっと1にできて良かったです(笑)。これからどんどん増やしていきたい」と力強く語った。
J2でのシーズンは自身初。対戦する相手、行くスタジアム、初めてのところが多い。「すごく新鮮ですね。ベテランと呼ばれる年齢(32歳)ですけど、あまり自分のことをそう思わないし、いまはとてもフレッシュな気持ちです。全部前向きに、楽しんでやっていこうと思っています」。次は29日の熊本戦。初となるえがお健康スタジアムで、出場数と時間をさらに増やして「チームに貢献する」つもりだ。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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高田明新社長が早速長崎の練習を視察。選手たちはそのあいさつに感銘
長崎は25日、株主総会と取締役会を開き、ジャパネットホールディングスの創業者である高田明氏が代表取締役社長に就任することが決まった。
高田社長は就任から一夜明けた26日、長崎市内の練習場を訪問。練習開始前に高木琢也監督やチームスタッフ、選手を前に就任についてのあいさつを行った。また、わずかな時間ながら練習も視察。その際には高木琢也監督と会話する光景も見られた。
経営問題に揺れたクラブだったが、これにより一定の方向性が見えてきた。「社長さんから『選手は目の前の試合のことだけ考えて頑張ってほしい』と言われました。その言葉どおり、僕たちは現場で頑張って、サポーターの方々が見ていてワクワクするような、楽しめるようなチームになれるように」(増田卓也)、「モチベーションにつながるのは間違いない。自分たちはサッカーに集中させてもらえることになったのでより一層、責任感も出るし、僕らにできることはピッチの中にある」(翁長聖)と、選手たちも高田新社長のあいさつに感銘を受けた様子だった。
現在、チームは3連敗中と苦しい状況にあるが、新体制の初陣に際してモチベーションは高まっている。気持ちを新たに新体制初陣を白星で飾りたいところだ。文・写真:杉山文宣(エル・ゴラッソ長崎担当)
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守備“だけ”にあらず。松本の飯田真輝が持つ鋭い得点感覚と勝負強さ
1-1の引き分けに終わった前節・京都戦。振り返ると、序盤から苦しい展開を余儀なくされた試合だった。
スコアレスのまま迎えた52分には、一瞬のスキを突かれて闘莉王に先制ゴールを許す。完全に流れを手放しかねない状況の中で同点ゴールが飛び出したのは、その9分後。「常にああいう形は狙っていた。誰かシュートを打って、こぼれてくればいいなと思っていた」と振り返る飯田真輝がその言葉どおり、こぼれ球を逃さずに右足で流し込んだ。奇しくも両チームともに背番号4が得点を挙げた試合となった。
飯田は昨季J2リーグ戦で7得点を挙げており、得点感覚は鋭い。今季も第3節・岐阜戦での決勝点に、京都戦での同点弾と、価値ある得点を叩き出している。自動昇格圏浮上のためにはワンチャンスを得点につなげることが重要だけに、アタッカー陣だけでなく背番号4の得点力にも期待せずにはいられない。
もちろん本職の守備面での活躍にも注目が集まる。今節対戦する讃岐には、松本でプレーした木島良輔と徹也が所属しているが、この両者とともに戦った経験を持つのは飯田ひとりとなった。かつての同僚を封じ、3試合ぶりの無失点試合と勝利を成し遂げたい。
文:多岐太宿(エル・ゴラッソ松本担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]16強への扉は開くか
[AFCチャンピオンズリーグ](全国版のみ掲載)
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