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“エスナイデル改革”が奏功で、けが人ゼロ10日目の千葉
今季、ハイプレス・ハイラインに取り組んでいる千葉。GKを含めて全ポジションに豊富な運動量が求められる戦術だが、27日時点でけが人はゼロ。チーム全体として、コンディショニングの良さが目立っている。
フアン・エスナイデル監督の就任以降、食事面で脂質を抑えたメニューを課し、1日4度の摂取を義務付けた。チーフアスレティックトレーナーの山本純氏は食事面だけの効果かどうかは一概に判断できないと前置きしながらも、「食事の内容や取るタイミング、トレーニングの準備、監督の選手起用や管理、それを支えてくれるクラブの姿勢などの要素がマッチし、良いサイクルに入っている」と分析する。
現在、けが人ゼロは10日目。単純比較はできないが、山本氏が昨季まで8年間在籍した山形は「最大15日間」だったという“実績”からも、この状況が珍しいと言えるだろう。
選手からも効果の声が聞かれる。「いま全員でやれているのは珍しいし、食事の効果が出ているのかな」とはMF清武功暉。さらに朝食と昼食の2食をチーム全員で取っている波及効果も。DF北爪健吾は「いろいろな話もできるし、一緒にいる時間が長いからチームメートをより理解するチャンスがある。いろいろなことに気付ける」と言い、連係面にも好影響を及ぼしているようだ。
現時点ではコンディショニングの面で“エスナイデル改革”が奏功しており、今後それをなんとか結果につなげていきたいところだ。
文・大林 洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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名CB井原正巳が語る冨安健洋の“分かる人にしか分からないすごさ”
5月2日にU-20W杯(5月17日~6月12日@韓国)に参加する日本代表メンバーが発表される。AFC・U-19選手権での無失点優勝に貢献した冨安のメンバー入りは確実と周囲は見ているが、本人は発表を前に「不安しかない」と意外な答え。理由は3月に行われたドイツ遠征で自身のパフォーマンスが低調に終わったからだという。
そんな冨安について語る井原正巳監督の言葉の中に興味深いものがあったので紹介する。「若い選手の中にはチヤホヤされると天狗になる者もいるが、トミ(冨安)は違う。常に謙虚で成長への努力を惜しまない人間。温かく見守ってはほしいが、地味だけど注目してほしい選手なのでメディアの方にはどんどん取り上げてほしい」。
「CBでプレーするときのトミの良さは準備が早いこと」
二つ目の言葉を補足すると、状況を見極めた上で下す判断が的確な上に早いからこそできる“先回りのプレー”とでも言えようか。ただ、難しいプレーも先回りしているがために何の変哲もないプレーに見えてしまうことがある。このあたり、かつて名CBとして名を馳せた井原監督ならではの視点か。『分かる人にしか分からないすごさがある』。こんなふうに持ち上げても、きっと冨安の鼻はピクリともしない。
文・写真:島田徹(エル・ゴラッソ福岡担当)
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平岡康裕、仙台移籍後初の清水戦へ
平岡康裕が、仙台移籍後初めてとなる“古巣戦”を心待ちにしている。
平岡は16年に清水から期限付き移籍で仙台に加入。今季から完全移籍し、3バックの中央でプレーを続けている。リーグ戦ではチームとして複数失点が続いている中で「攻めているときのカウンター対策、時間の使い方、すべてをしっかり詰めたい」と、30日の明治安田J1第9節・清水戦に向け気合いを入れている。
清水とは26日のJリーグYBCルヴァンカップ第3節(3○1)に続き、30日のJ1でも戦う。平岡はルヴァンカップのほうには出場しなかったため、リーグ戦に出場すればこれが仙台に移籍してからは初の“古巣戦”となる。
今回の会場は、IAIスタジアム日本平。平岡は札幌に期限付き移籍していた08年J1第24節に対戦相手として当地を訪れたことはあるが、そのときは出場機会がなかった。2回目となる今回の日本平行きについて「こういった形でアイスタに行く、そのときが楽しみです。そのピッチに立ったら、自分は仙台の一員として精一杯のプレーをしたい」と出場を目指す。
26日には、ユアテックスタジアム仙台を訪れた元チームメートとも少し話したという平岡。「(清水は)カウンターからの得点源となる選手が多いチーム。しっかり対策をしたい」と、30日の対戦に向け、気を引き締めていた。
なお、日本平は平岡が清水時代のJ1第6節にJ1初ゴールを決めた場所であり、そのときの相手は仙台だった。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)