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神戸のGK徳重健太、G大阪との第2戦へ。「次で勝負が決まる。その覚悟を持って向かわないといけない」
8月30日のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝、G大阪との第1戦でスーパーセーブを連発し、チームの無失点に大きく貢献したGK徳重健太。9月1日の練習後、「(神戸DFの)プレッシャーがかかっている中でのシュートなので」と話し、守備陣の奮闘に強いリスペクトを寄せた。
その徳重は前日(8月31日)夜、日本代表のW杯ロシア大会アジア最終予選・豪州戦をテレビ観戦。「あのプレッシャーのかかる中で結果を出した。難しく、厳しいことはみんな分かっているし、日の丸を背負う代表という違うプレッシャーがある中でのこと。しびれました」と話し、代表選士の活躍に感動の声を挙げた。
ただ、観戦中は大きな興奮が生まれていたようで、テレビ観戦する自宅で叫び声を挙げながら応援した。そのため、「嫁にしかられた」とショボン。さらに、その叫び声が影響し、翌9月1日から小学校の2学期が始まるため早めの就寝をしたはずの愛娘も起き出した。「それで嫁にまたしかられた」と再びショボン。″神戸の熊″の異名をとる徳重だが、この夜ばかりは童心にかえったようだ。
もちろん、徳重の視線はすでに″決戦″を見据えていた。「まだ前半戦が終わっただけ。間違いなく厳しい試合になる。次で勝負が決まるわけなので、その覚悟を持って向かっていかないといけない」。G大阪との第2戦は9月3日。徳重は集中力高く、ピッチに立つことになりそうだ。
文・写真:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)
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2試合連続ゴール中の大分・鈴木惇、フィニッシュに絡む現状に手応え
大分において、FW伊佐耕平と並んで2試合連続ゴール中のMF鈴木惇。第29節・京都戦では、右サイドの流動的な崩しから松本怜のグラウンダークロスに走り込んでの同点弾。第30節・山口戦では87分、やはり狙いどおりの形から松本怜のクロスに飛び込んでジャンピングボレーで沈め、シーソーゲームに決着をつけた。
いずれも日頃から「まずは球際や切り替えで戦えないと戦術も表現できない」と話しているとおりの姿勢で挙げたゴール。「自分たちは組織でサッカーをするのだという形がしっかり出せたシーンだった」と得点場面を振り返った。
自身では自慢の左足でFKからの得点を狙って練習を重ねてきたが、ここに来て流れからフィニッシュに絡む機会が増え、「京都戦で良い形で崩せてタイミングが取りやすかったところから、キッカケがつかめたのかもしれない。積み上げてきたものが少しずつ出せている」と手応えを口にする。
2日のJ2第31節・群馬戦では、福岡U-18時代にトップチームでプレーしていた松下裕樹とのマッチアップが予想される。「キック精度やパンチ力など、自分もあのレベルにならなくてはならないと思っていた」と、第20節以来の再会を楽しみにしている。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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「いまベンチに座っていることはプロセス。危機感を与えてくれることに感謝」。本田圭佑のいまの思い
1日、日本代表の本田圭佑が、来年のロシアW杯の出場権を獲得した豪州戦(8月31日・2-0で日本の勝利)から一夜明け、口を開いた。
必勝を誓った前日の試合で快勝を収め、6大会連続のW杯出場を決めた日本。歓喜に湧くハリルジャパンの面々だったが、長らくチームのエースとして君臨してきた本田は先発を外れ、結局90分間を通して出番がなかった。同じく出番のなかった日本の10番・香川真司とともにベンチを温め続けた一方、前線で起用された22歳の浅野拓磨と中盤で抜擢された21歳の井手口陽介が貴重なゴールを挙げた。この結果に、いよいよ本格的な世代交代が到来したという声が多く飛び交っている。
試合翌日、日本代表は埼玉県内で午前中から練習を行った。昨日の試合に出場していないメンバーは、ミニゲームなど激しい練習を行い、しっかり汗を流した。そこには必死にボールを追いかけ、積極的にシュートを放つ本田の姿もあった。
そして練習後の取材ゾーンで、本田は足を止めてこう語った。
「僕に関しては長い間プレーしていないので(昨日の試合での)監督の判断はうなずける。
オレや真司がいらへんというのは当然やと思う。今まではオレや真司が出ない試合は良くない試合が多かったけど、昨日は勝ってしまった。僕らは必要なくなるということも当然言われる。でも、本田、香川が必要ないと思われることは、逆に良いこと。これでポジションを取りに行ける。
これがもしW杯本戦なら、もしかしたらサッカーを辞めようというのも考えるかもしれないけど、目標は本戦なので。本戦のピッチに立つこと。そういう意味では、いまベンチに座っていることはプロセス。危機感を与えてくれることに感謝している。いまの状況を楽しんでいるし、刺激を受けていきたい。
W杯で対戦したい国?イタリアはやりたい。イタリアの人たちの大半を認めさせることができなかったので、悔しさがある。オランダやロシアではある程度、前提条件を果たしていたけど。イタリア代表と対戦して、その思いを晴らしたい」
意地を張ったり、負け惜しみを言っているようではなかった。元々、以前から本田は若手の台頭の必要性を声高に主張していた。そしていま、徐々にその流れが生まれ、自らの立場も脅かされるようになった。ただ、ある意味ここ数年は代表では安泰の存在だった本田が、再び刺激を受けて立ち上がる時こそが、ここから来年のロシアW杯までの戦いだと言える。
そして、ミランでの3年半の挑戦が失敗に終わったイタリアへの“リベンジ”も誓った。誰よりも負けず嫌いの男。イタリア人に対しても、自分がいまの低評価のレッテルのままにしておくわけにはいかない。
あらためて、いくつものモチベーションを手にした本田。現在、新天地のパチューカ(メキシコ)では再度本職の中盤中央でプレーし始めている。代表でも再び、輝きを取り戻すために。本田はこのままでは、終われない。
文:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当)
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日本代表のW杯予選で刺激を受けた仙台。大一番であるルヴァン杯準々決勝第2戦に向け、西村拓真も「何が何でも勝ちたい」と意気込む
JリーグYBCルヴァンカップで、クラブ史上初のベスト4入りを目指す仙台。その第2戦を前に、日本代表が8月31日に行われたW杯アジア予選・豪州代表戦で本大会出場を決めたことに、選手もスタッフも刺激を受けている。
渡邉晋監督は9月1日の練習を前にしたミーティングで、「Jリーグでやっている選手たちが、世界相手に堂々とやり合っている。われわれとしては、そういう相手に対してJリーグの場で堂々と渡り合えるようになりたい」とチームに呼びかけたという。選手もスタッフも、代表レベルに到達するため、まずは日々のJリーグにおいて結果を出し続けようと誓った。
仙台は、9月3日にルヴァンカップの準々決勝第2戦を迎える。第1戦を3-1で勝利したが、油断せず敵地での勝利を目指す。気合いを高めている若手選手の一人、西村拓真は「何が何でも勝ちたい」と、闘争心を隠さない。
西村は豪州戦を見て「同い年の選手が点を決めて、鳥肌が立った」と、15年のJ3でJリーグ・アンダー22選抜の選手としてともに戦った井手口陽介のゴールにも興奮したという。まずはクラブの大事な一戦で結果を出すべく「大一番で力を出せる選手になりたいし、攻守で勝ちたい気持ちをチームに伝えたい。プレーで最初からそういう気持ちを表現します」と、意気込みを口にした。
文:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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ロシアW杯出場決定から一夜明け、最終予選を主力として戦ってきた清武弘嗣が思いを明かす
8月31日、日本代表はロシアW杯アジア最終予選の豪州戦に2-0で勝利し、見事、6大会連続6回目となるW杯本大会出場の切符を手にした。
最終予選の初戦であるUAE戦に1-2で敗れて厳しい状況からスタートした今回の最終予選は、逆境の連続でもあった。それだけに、昨日は日本サッカー界全体としてホッと胸をなでおろすと同時に、未来へ向けて希望が広がる喜ばしい一日になったと言えるだろう。
そして、今回の突破に貢献した選手の一人が、現在はけがからの復帰に向けてC大阪でトレーニングに励んでいる清武弘嗣であることは紛れもない事実。特に、[4-2-3-1]のトップ下で先発した第5戦のサウジアラビア戦では、重圧のかかる先制PKを決めて勝利に貢献するなど、追い込まれた“ハリルジャパン”を救う活躍も見せた。
W杯出場決定から一夜明けた9月1日、C大阪の練習場にて清武は、「良かったです、本当に。みんなの勝ちたい気持ちが伝わってきた試合でした。テレビで見ていても、国民の皆さんが感じたことと同じように、感動するゲームでした。(山口)蛍も『タフ(な試合)だった』って言っていましたね」と仲間たちの戦いぶりを称えた。
「ああいう場面にいられなかったことは一人のサッカー選手としてはすごく悔しい思いもあります」と偽らざる心境も明かした上で、「昨日、勝ってW杯出場を決めたことで、また全員の選手にチャンスはある。昨日、ハセさん(長谷部誠)も言っていたように、また競争が始まる。今までを振り返っても、ロンドン五輪の時も、ブラジルW杯の時も、どの選手が入るか分からなかった。またここからがスタートだと思います」と前向きな思いとともに、新たな競争に挑む決意を示した。
ボール支配を高めて主導権を握るサッカー、昨日のように、相手に合わせて堅い守備から素早く攻撃に移るサッカー、そのどちらにも対応し得る清武の存在は、W杯本大会を戦う上で戦術の幅を広げることにもつながり、必ずや必要なピースになるだろう。まずは焦らず、熱い気持ちは胸に秘め、復帰に向けたリハビリに取り組む。
文:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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U-18日本代表候補入りした千葉U-18のFW古川大悟、「率直にメチャクチャ緊張している」
8月30日に発表されたU-18日本代表候補トレーニングキャンプ(9月4~6日・J-GREEN堺)のメンバーに入った千葉U-18のFW古川大悟。「代表に興味がなかったわけではないが、スケジュールはまったく知らなかった。率直にメチャクチャ緊張している」。これまで各年代別代表に呼ばれた経験はないだけに、うれしさと緊張感が入り交じる感情を吐露した。
千葉U-18所属の古川は今季、2種登録されてトップチームに帯同。6月21日の天皇杯2回戦・東京V戦でプロデビューを果たすと、これまですべて途中出場ながら天皇杯2試合を含む公式戦4試合に出場している。J2第30節・岐阜戦でも72分からピッチに立つと、プロ初ゴールこそお預けとなったが、高校生離れしたフィジカルの強さを生かして2本のシュートを放ち、存在感を示した。
ただ本人曰く、「まだまだ」と納得感はない。
「時間が経ってくると、体力が消耗しているわけないが、相手(DF)が慣れてきて、どんどんこられると負けてしまうところもある。ラリベイさんとかイブ(指宿洋史)さんは手の使い方がうまく、ヤバい。清武(功暉)さんのゴール感覚もスゴいと思うし、基礎をもっと大切にしたい」
攻撃面の目下の課題はポストプレーに加え、左利きで体の外にボールを持ち出す癖があるため、ゴールへ直線的に向かうシュートへの持ち込み方。強烈な個性を放つ先輩たちをお手本に日々、成長を続けている。
4日から始まるキャンプに向けては、「巧さは売りにしていない。スピードが武器なので見せていければ」と意欲的。その後、U-18日本代表はカタール遠征などを経て、10月末に始まるAFC U-19選手権2018の1次予選に臨む。
「今回のキャンプは本当に大事。人とのつながりも増えるし、(チームで)いまやっているサッカーではないサッカーもできる。そうゆう意味でも代表に入りたい」
この絶好のチャンスをモノにし、さらなる飛躍を遂げるつもりだ。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]豪州撃破。W杯出場決定!(2版)
[ルヴァンカップ準々決勝第1戦 マッチレポート]
■川崎F vs FC東京
川崎Fのプランどおり。満点の回答[明治安田J2第31節 プレビュー]
■讃岐 vs 福岡
おかわりが止まらないカマタマーレ。次に狙うは福岡[日本代表(2版のみ掲載)]
■日本 vs 豪州
無骨なハリルジャパン、若き力でW杯