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大宮vs水戸の練習試合で、大宮から水戸に期限付き移籍中のMF小島幹敏が存在感
3日、大宮は水戸との練習試合を行った。結果は2-1の逆転勝利。苦しむ時間帯もあったが、目先の結果よりも細かな戦術的オプションにチャレンジできた部分もあり、1週間後の鹿島戦に向けて悪くない一戦となった。
その中で、大宮から水戸に期限付き移籍中のMF小島幹敏も先発出場し、約80分間プレー。得意のパスワークでビルドアップを担うだけでなく、鋭い読みからのインターセプトも見せるなど、成長した部分を見せた。
「(大宮で一緒に)やっていた人も多くて、僕は特徴も知っているので、『あの人のパスはこんな感じだな』、『この人ならこういうポジションを取るな』というのが分かっていて、慣れている部分があった。パスカットが多かったのはそれが要因かなと思う」(小島)。
J2リーグ戦も残り11試合。残された時間は決して多くないが、小島は「コンスタントに試合に出続けて、フル出場を続けて結果を残せたら。アシストなり得点なり、そこを一番求めないといけないと思っているので、貪欲に結果を残していきたい」と勝負する意欲にあふれる。試合後には多くの大宮サポーターに呼び止められるなど、チームを離れて修行中の若武者を気にかける人は多い。残りのシーズンでの飛躍を期待したい。
文・写真:片村光博(エルゴラッソ大宮担当)
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鳥栖が佐賀大と練習試合。イバルボのゴールなどで5得点快勝
鳥栖は3日、ベストアメニティスタジアムで佐賀大との練習試合を45分×2本形式で実施した。
1本目はリーグ戦での主力が顔を並べた。押し込みながらもゴール前での精度を欠く時間が長かったが、25分に左サイドから吉田豊のクロスにビクトル・イバルボが頭で合わせて先制する。42分にもペナルティーエリア内に侵入した福田晃斗のパスを再び、イバルボが左足で合わせて追加点を挙げる。前半を2点リードで折り返した。
2本目に入るとメンバー5人を入れ替え、54分にも4人を交代し、大幅にメンバーを変更。66分には裏に抜け出した田川亨介がGKとの1対1を冷静に制して3点目。70分にはミスから佐賀大に1点を返されるが75分には三丸拡のクロスがそのまま、ゴールに入り、4点目を奪う。試合終了直前には左からのクロスに池田圭が頭で合わせて5点目を記録。
試合はそのまま、終了し、合計5-1で勝利。リーグ戦再開後の仙台戦に向けて、中断期間で唯一の実戦の場を勝利で無事に終えた。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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東京農業大との練習試合にカズが出場! 試合結果の行方は?
横浜FCは今日、横浜FC・LEOCトレーニングセンターにて東京農業大学(関東大学リーグ2部)と練習試合を行った。
前日の湘南戦でベンチ入りしたカズが先発出場したほか、田所諒も実戦に復帰。南雄太、寺田紳一、野崎陽介らも交代出場した。
試合は横浜FCが19分、湘南戦は出場停止だったジョン・チュングンが大久保哲哉のスルーパスで抜け出して先制。ジョン・チュングンはその後27分にもカズの浮き球のミドルパスに呼応して、GKと1対1の場面を迎えるなど活躍した。後半は東京農大の攻撃に何度か決定機を作られたが、GK南、市川暉記の好セーブによって得点を許さず。横浜FCが1-0で勝利した。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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[書評]読むサッカーvol.41 『解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』
“解説者”に軸足を置いたサッカー指南書
去年から今年にかけて『DAZN』の登場を筆頭にサッカー中継の視聴環境の幅が急激に広まり、解説者のいない実況者だけの試合にも違和感がなくなりつつある今日このごろ。スマホなどで移動中に観る試合は背番号も見づらく選手の認識が難しいため、ボールに絡んでいる選手名を漏らさず伝えてくれる実況者だけの進行のほうが、むしろストレスがないようにも感じ始めていた。
少なくともそんな筆者にとって、“解説者”についてあらためて深く考えるきっかけを与えてくれた本書との出会いは素晴らしい機会となった。
本書内のコトバを借りると、「サッカーの試合中継は、現地からの映像と実況があれば成立する。しかし、そこに解説者のコトバが加わることで、視聴者が得られる情報や視点は大きく変わることになる」。まさにその点に注目し、実際に解説者としても仕事をする反町康治氏、都並敏史氏、後藤健生氏、中西哲生氏などへのインタビューも交えながら、斬新な視点で“サッカーの観かた”を提案してくれるのが本書である。
「サッカー中継・解説徹底比較! NHK-BS vs 民放地上波」や、柄沢晃弘アナによる「実況アナウンサーの『解説者取扱説明書』」など、各章ごとに企画が練られており、読み手を飽きさせない構成になっているのも本書の魅力である。
なお本書内において、「大まかに『クロス』として表現される『横からのパス』について、どのようなコトバを当てはめるべきか」と著者から質問された中西氏の解答が個人的には非常に興味深いものだった。
「海外サッカーを観ているときによく聞きますが、『デリバリー』はどうですか。ピンポイントのデリバリー。宅配ピザみたいなものでしょ(笑)。隣の家に行ったら困る。配達する。クロスというのは抽象的ですからね」
日本語以外に精通しておらず、「デリバリー」という表現を初めて知った筆者にはとても刺激的で、ほかにももっと知りたいという欲が高まった。
ぜひ海外の有名解説者&実況者への取材を盛り込んだ続編『海外版 解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る』の刊行を期待したい。
文:中林良輔(東邦出版編集長)著者:河治 良幸(かわじ・よしゆき)
発行:8月21日/出版社:内外出版社/価格:1,200円(本体価格)/ページ:208P -
新潟の主将・大野和成が約3カ月ぶりに実戦復帰
2日、新潟は聖籠町のアルビレッジでいわきFCとの練習試合(45分×3本)を行い、ドウグラス・タンキらの得点で、トータル4-0で勝利した。
この日はCB大野和成が、約3カ月ぶりに実戦復帰した。およそ500人のサポーターが見守る中、3本目の45分間にキャプテンマークを巻いてフル出場。最終ラインで大きな声を出してチームを動かし、無失点に貢献した。試合後は、「けがなく終えられたことが一番良かった」とホッとした表情を見せた。
陳旧性右内側側副じん帯損傷のため、6月2日に手術を実施。全治12週間と診断されたが、リハビリを順調にこなして8月15日から練習に一部合流した。予定より早めの復帰となったが、「リハビリ中に結構走っていたので、フィジカルは大丈夫。対人をもっとやれば良くなると思う。自分の形に戻していけるようにやりたい」と次のステップを見据える。
新潟県上越市出身。子供のころからアルビレックス新潟を見て育ち、新潟ユース(現・新潟U-18)を経て、08年にトップチームへ昇格した。昨季は一番に契約を更新し、今季から主将を務めている。新潟への思い入れが人一倍強い大野の存在は、チームがJ1最下位からの浮上を懸けて戦う上でも大きな力となる。
「残り10試合、厳しい戦いが続く。そこで力になれるように頑張りたい」。力強い対人プレーが大野の真骨頂。少しずつ取り戻しながら、リーグ戦のピッチへ戻る準備を進めていく。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)