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熊本の池谷友良監督、讃岐・北野誠監督との“初対戦”を「楽しみたい」
次の相手は熊本に所縁(ゆかり)のある選手、スタッフの多い讃岐。ピッチ上での戦いも注目だが、2005年の熊本発足時に監督とコーチという関係だった池谷友良監督と讃岐の北野誠監督が、Jリーグの公式戦ではじめて、監督同士として対決する。
「そこは本人たちよりも周囲が意識するのかもしれない(笑)。サッカー仲間だし、良いゲームができればと思う。けど、負けたくないという気持ちはほかよりも強いよね」と池谷監督。
とくに、J2昇格や入れ替え戦などこれまで何度もシビアな戦いをしてきた北野監督のキャリアを踏まえ、「いろんな経験を積んで監督としての経験値は俺より高いと思うし、こういう状況を戦い抜くのは強いと思う。ただ、そういうところも含めて、楽しんでやれたら」とのこと。
2人の歴史が再び交錯する。
文・写真:井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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町田は今節・岡山戦で吉田眞紀人と谷澤達也が出場停止。総合力が問われる戦いへ
前節の熊本戦は14試合ぶりに先発出場を果たした戸島章が決勝点を奪うなど、町田はチャンスを与えられた選手たちがチームの勝利に貢献。谷澤達也のボランチ起用など、相馬直樹監督がチームに新たな刺激を注入する中で前節は結果を残した。
チームの競争力という意味では昨季に比べて高いレベルを維持できており、6日のトレーニングマッチ・東京国際大学戦では重松健太郎が負傷から実戦復帰を果たすなど、現状の町田は選手起用と戦い方の幅を生む陣容が整ってきたと言っていい。「けが人が戻ってきて、コンディション面や戦術面でこういう意図を持ちたいというときに変化をつけやすい状況になっている」。現在のチーム状況を相馬直樹監督もそう言って歓迎している。
ただし今節・岡山戦は累積警告により、吉田眞紀人と谷澤達也が出場停止を余儀なくされる。そのため、町田にとってはチームの“総合力”が問われる戦いになる。熊本戦でボランチのポジションを谷澤に譲る格好になった森村昂太(写真)は言う。
「いまはお互いに切磋琢磨しながら、各自が刺激し合えている。ただメンバーが代わった中でも結果を残すことを単発で終わらせるのではなく、連勝して勝ち点を伸ばすことでさらにチームをもっと良い方向にもっていけると思う」
前節の勝利で勝ち点を『42』に乗せた町田だが、チームとしての進化を遂げる戦いに終わりはない。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
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札幌のジェイが、昨季まで在籍した磐田との試合へ。大井健太郎は「怖い選手」と警戒
磐田の選手たちは、かつての仲間を警戒している。
今夏、札幌に加入した、イングランド代表キャップ保持者であるジェイは昨季まで2シーズン、磐田の得点源として活躍。15年にはJ2得点王に輝き、翌年はJ1で14ゴールを記録した。
サックスブルーの点取り屋だった男は今、J1残留を目指す札幌のためにその能力を発揮している。
「ジェイは高さも技術もある。怖い選手」と磐田のキャプテン・大井健太郎が言えば、森下俊も「うまい選手だし、安易に飛び込むとかわされてしまうので注意したい」と話した。
ジェイには最大限の注意を払うべきだろう。しかし、札幌の前線は実力者がそろう。ジェイだけを警戒すればいいわけではない。
「誰が出てくるか分からないし、全員に警戒しないといけない」と述べるのは守護神・カミンスキー。さらに名波監督も、ジェイだけでなく都倉賢、ヘイス、チャナティップの名前を挙げ、札幌の前線の力を認めている様子だった。
相手の強力攻撃陣を封じることに意識を傾けつつ、勝機を見出したい。
文:青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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徳島との上位直接を控える長崎・幸野志有人が毎朝、考えること
長崎の幸野志有人には、気になっていることがある。
ここ2試合はベンチスタートとなっている幸野だが「毎日、思っているし、毎朝、起きたときに考える」ことがある。その気になっていることとは自身の得点、アシスト、いわゆる数字に関わる部分だ。高い技術と独特のセンスを生かしたプレーは健在ながら以前とは違い、ハードワークの部分でも成長を見せるなど数字以外の部分でも貢献度は高い。それでも、「ここまで個人的にも決して悪いシーズンではないですけど、このまま終わったらモヤモヤした感じにしかならない」と2得点という現状には到底、納得できていない。
今節は、4位の長崎が5位の徳島を迎えるJ1昇格プレーオフ圏内直接対決となるが「そこ(1試合の重み)を感じられるのが年齢を重ねて成長したところかなと思うし、1試合に対する準備や心の持ちようなどはかなり意識している」と話す。1試合への重みを感じ、そこに至るまでのアプローチに対しては自分自身でも確かな成長を感じられているようだ。「まずは1点取って。そこからもっと取っていかないと個人としても一皮むけていけない」。
まだ24歳ながら、すでに6クラブでプレーするなさまざまな経験をした苦労人でもある。だからこそ、培った経験を数字に結びつける選手になれるかどうか。幸野にとっても重要な終盤戦へと突入していく。
そして、もう一つ、気にしているのが採点。「俺への採点、厳しくないですか?」と冗談めかして本紙での採点について記者に伝えたこともある。攻撃的な位置でのプレーとなるだけに、得点やアシストを記録すれば採点も比例して上がるのは間違いない。幸野が自らの力で「気になること」をクリアしていくことを期待したい。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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大分・竹内彬、節目での決意とともに、思い出深き瑞穂での名古屋戦へ
J2第32節・名古屋戦に向けて、竹内彬が士気を高めている。竹内にとっては今季、大分に加入して初となる瑞穂陸上競技場での凱旋試合だ。
「名古屋は自分のプロ選手としての第一歩を歩ませてもらい、一度離れたあとももう一度チャンスを与えてくれたクラブ。豊田スタジアムも素晴らしいけれど、瑞穂には瑞穂の雰囲気があって、そこでプレーできるのが楽しみ」
第13節、大銀ドームでの前回対戦は4-1で快勝したが、「今回は当時とは違って相手も完成度を上げている」と警戒を強める。リーグ屈指の攻撃力を誇る名古屋の矛をどう抑えるか、DFリーダーの腕の見せどころだ。
第29節・京都戦でJ2通算150試合出場を果たした34歳は、「これまでにJ1でも同じくらいの試合に出場していて、これからもJ1での出場数を増やしたい。そのための現在だととらえている。大分の力になって勝利に貢献し、チームをJ1に上げることで、自身としてもJ1での記録を伸ばしたい」と、節目での決意を語った。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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『神奈川ダービー』前日、横浜FM主将・齋藤学の決意。そしてロシアW杯への思い…
明日9日は、横浜FMにとって決戦だ。
勝ち点差1の3位・川崎Fとの『神奈川ダービー』が組まれており、MF齋藤学はこの一戦に並々ならぬ意気込みを見せている。今季はここまでまさかの無得点と沈黙を続けているが、チームの得点に絡む機会は多く8アシストを記録している齋藤。迎える大一番でもゴールに絡む仕事を求められるが「得点したいけど、チームが勝つことが一番大事」と自然体を貫く。
しかしながら齋藤自身にとって重要なゲームになることは、誰よりも本人が理解している。「ブラジルW杯が終わって、ロシアW杯ではピッチに立ちたいと強く思った。でも自分は予選のピッチに立てなかった。ただ、チャンスがないわけではない。ここからの1試合1試合でMAXを出すことが、来年のロシアにつながる」。
トリコロールで結果を出し続けることが、日の丸への近道となる。
文:藤井雅彦(エルゴラッソ横浜FM担当)
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今季限りでの契約満了が発表されたG大阪・長谷川健太監督、「決定事項だった」。後任は外部から招へいへ
9月7日に今季限りでの契約満了が発表されていたG大阪の長谷川健太監督が8日、吹田市内での非公開練習後にクラブハウスで取材に応じた。
「ルヴァンカップが終わったあとにクラブの方で決めたみたいで、次の日にそういう話をされた」と長谷川監督は明かした。ルヴァンカップ準々決勝第2戦に勝利した4日に、山内隆司社長から通達があったという。
「基本的には決定事項で、事後報告として今シーズンの契約をもって来季は契約しないということを伝えられたので、『分かりました』というしかないんで」と長谷川監督は話した。話し合いの末での契約満了ではなく、クラブ側が長谷川監督との契約満了を決定。7月29日の大阪ダービーの前に代理人を通じ、水面下で契約延長について聞かされていたという長谷川監督だが、「8月になかなか難しい時期がありましたから、クラブとしてもそういう判断を下したんだと思います」とクラブ側の決断の背景を推察していた。
「最後の最後まで一つでも多くタイトルが取れるように、一つでも多くの勝利を取れるように、選手とともにスタッフも一丸となって戦っていくだけです」と神戸戦以降の戦いに向けて、青黒の指揮官は決意を新たにしていた。
後任については宮本恒靖G大阪U-23監督の昇格などはなく、現在Jリーグで指揮を執る外国人監督などを含めて、幅広い選択肢の中から探っていくことになる。
文・写真:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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FC東京が新宿西口の「HOOTERS」でパブリックビューイング開催。対象はプレミアチケット化した23日のアウェイ柏戦
FC東京は8日、9月23日(土・祝)に日立柏サッカー場で開催される明治安田J1
第27節・柏レイソル戦(16時キックオフ)のパブリックビューイングを、「カジュアルアメリカンダイニング&スポーツバーHOOTERS 新宿西口店」で開催することを発表した。なお、柏戦のFC東京側ビジター指定席、自由席、SS席ビジター寄りという、アウェイ側と言えるチケットは、すでに完売しており、サポーターにとっては集いやすい場所での絶好のパブリックビューイング開催となった。
HOOTERS 新宿西口店は120インチ(3.048メートル)のスクリーンと、13台のTVモニターが完備されており、パブリックビューイングにも適している。当日は、FC東京応援番組「F.C.TOKYO魂!」の出演者(土屋礼央さん・渡邉一平さん)によるトークショーや、プレゼント抽選会、試合解説などの内容が準備されているという。
開催日には23日15時半から18時までを予定。開場は14時30分。先着150名が定員で、入場料は2000円(税込)でワンドリンク付き、その他飲食はテーブルでの注文対応となる。HOOTERS 新宿西口店(http://www.hooters.co.jp/shop/shinjuku/)の住所は東京都新宿区西新宿1-8-5 アルファ107ビル B1F-B2F。チケットは8日10時より、ローチケHMVおよびローソン/ミニストップ店舗Loppiにて発売されている。
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仙台から徳島に育成型期限付き移籍の佐々木匠、「(徳島のサッカーは)すごく面白い」
育成型期限付き移籍で仙台から徳島に加入が発表された佐々木匠が、7日に徳島の練習に合流し、本格始動した。
仙台で生まれ育ち、ずっと仙台でやってきた佐々木にとって「(今回の移籍は)簡単に決めたことではありませんでした」。しかしながら、「徳島のサッカーを見て、徳島のJ1昇格への思いも聞いて、自分がその思いに応えられればと思って決断しました」とキラキラと目を輝かせながらいまの気持ちを言葉にした。
佐々木は、徳島のサッカーについて「見ていて、すごく面白いです。(直近の)10試合くらい見てきましたが、どの試合も全部面白かったです」。直近の試合で印象に残っている試合を尋ねると、第29節・山口戦(5○0)を挙げ、「1、2点入ると、さらにどんどん勢いづいていきました」。話の節々から、そこにいる自分の姿を想像すると楽しみで仕方がないといった様子だった。
「J1昇格を成し遂げられるように、全力でチームに貢献したいです」
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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ピッチ外でもハードワークを続ける鳥栖。小学校1年生に向けた『サガン鳥栖ドリームワーク』を配布
鳥栖がスポーツを通じた豊かな“学び”への取り組みを今季も行う。
株式会社学研教育みらいと協業し、『サガン鳥栖ドリームワーク』を昨年に引き続き、今年も制作。サガン鳥栖ドリームワークとは小学校1年生で学習する、国語や算数、生活などの内容を、鳥栖の選手やチームマスコット・ウィントス、佐賀県の名産品など、子どもたちに身近な話題を通じて楽しく学べる内容になっている。
吉田豊(写真)もすでに平仮名の読み書きができるという4歳の娘の学習にこのサガン鳥栖ドリームワークを活用しているという。「良い取り組みだと思います。勉強をしながら、小さいころからサガン鳥栖を近くに感じられますし、良いと思います。選手としてもこうやって関われることはうれしい。自分が出ているページに娘も反応してくれるので、そこもうれしいですね」と顔をほころばせていた。
サガン鳥栖ドリームワークは鳥栖と連携協定を結んでいる佐賀県鳥栖市・佐賀市・嬉野市・小城市・唐津市・みやき町に合計約5,200冊が配布される。また、佐賀県内の連携協定を結んでいない地域の小学校に通う小学校1年生にもスタジアムで配布される予定。配布されるのは第26節・甲府戦、第28節・鹿島戦、第29節・C大阪戦の3試合となっている。
これまでにも小学校1年生へのランドセルカバー配布など、さまざまな地域社会への貢献活動を行ってきた鳥栖だが、今回の取り組みもその一環。2年目を迎え、内容もパワーアップしたサガン鳥栖ドリームワークを通じて、ピッチ外でもハードワークを続けている。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
写真:サガン鳥栖提供
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