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山形のルーキー・髙橋成樹の丸刈りはいつまで続く?
山形ユースから今季トップチームに昇格した髙橋成樹。まだリーグ戦に絡めず、天皇杯2・3回戦でのベンチ入りにとどまっているが、今季は試合出場にこだわるよりも、自らを成長させる1年と位置づけた髙橋にとっては想定内。練習には意欲的に取り組んでいる。
ここまでの進捗状況を聞くと、「最初に立てた目標の達成度は自分が思うとおりですけど、その目標が、いまとなっては『それではダメだ』という感じ」との回答。「目標が低かったというわけではないですけど、それだけでは足りないというか。ユースのときにこうと考えてやるのと、実際にトップチームに上がって日々やっていって考えることとは違う。そういう面で、ざっくりとした目標しかなかったので、やらないといけないことをもっと細かく修正しました」。
ほぼ毎日のようにヘディングで大きくはね返す練習をするなど、プラスαのトレーニングも地道に続けている。ただ、この夏、2度にわたり丸刈りにしたのも気合いの表れかと思ったら、そればかりはどうやら違うらしい。
「髪は伸ばしたいんですけど…と書いておいてください。伸ばしたいんですけど…」とどうも歯切れが悪い。「アイツです、アイツ」と指差す先には茂木力也の姿があった。どうやら、丸刈りは茂木の意向らしく、実際にバリカンで刈っているのも茂木とのこと。「アイツ、山形の冬を知らないので。俺は山形の冬を知っているので、(これから)伸ばします」。
死活問題ではあるが、2歳年下の髙橋の意向がとおるかどうか。今後の成り行きに注目したい。
文・写真:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
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ベガッ太さんからも祝福された仙台の大岩一貴、FC東京戦との今季公式戦3戦目で勝利を誓う
仙台の大岩一貴が、J1第26節・FC東京戦での勝利を誓った。
リーグ戦では第22節・広島戦以降3バックの中央で出場し、「声を出すことが増えた」という大岩は、守備の統率者としても活躍を続けている。前節・鳥栖戦では4-0での試合終了を前に失点したことを反省し、続くFC東京戦での無失点を目指す。
相手は監督が交代したばかりで、メンバーや戦い方など、未知数の部分も多い。「まず大事なのは、試合の流れをしっかり感じ取って、それに対応できるようにすること」。ここ数試合で結果を出している、前線からの連動したプレッシングで相手をハメることが理想だが、「それができないとき、耐えるべきときにはみんなで耐えるという意思統一をすぐにできるように」と、柔軟な対応も考える。
大岩は今季のルヴァンカップ第1節(0◯6)、J1第10節(0◯2)のFC東京戦に2戦とも出場して悔しさを味わった。「痛い敗戦だった。でも、いまのチームの戦い方で、しっかり勝利したい」と、“3度目の正直”となる勝利を誓う。
私生活においては、今月7日に一般女性と入籍。11日に、クラブを通じて公式に発表した。「試合(10日の第25節・鳥栖戦)前だとプレッシャーが掛かるかな…と思って、試合後に発表しました」とのこと。なお、大岩を溺愛するマスコットのベガッ太さんには「少し前に言っておきました」と配慮しており、公式発表から間もなく、そのベガッ太さん自身のブログにて祝福の言葉がかけられた。ますますの活躍が期待される。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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C大阪に復帰した米澤令衣。本人が語る“足りなかったもの”とは?
今季から期限付き移籍していたレノファ山口FCから、9月12日付けでC大阪に復帰した米澤令衣。夏の移籍ウインドー期間はすでに終了しているが、23歳以下の期限付き移籍(育成型期限付き移籍)であったことから、残りのシーズン、再びC大阪での登録は可能となる。
復帰した翌日、13日の午後練習を終えた米澤は、「違和感ないな、と周りからも言われます(笑)」と自身も話すように、C大阪のクラブハウスの風景にもすっかり溶け込んでいる。
あらためて、山口で過ごした期間を振り返って、「最初は何試合か出場したけど、そこで結果を出せず、悔しい思いをした。途中で監督が代わって、FWに求められるプレーも変わって、なかなか出場機会を得ることもできなくなった。その悔しさがすごくあるので、その悔しさをバネに頑張りたい」と話した。
今後に向けては、「(C大阪)U-23での出場が主になると思うけど、試合に出て結果を残したいし、結果を残せばトップチームに絡めるチャンスも出てくると思う。山口では数字を残す部分が足りなかった。そこはこっちに戻ってきて、どん欲に狙いたい」と意気込みを語る。ここから残りの数カ月、どこまで数字を伸ばしていけるか。その活躍が期待される。
文・写真:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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フル稼働も何のその。札幌MFチャナティップが3連勝に意欲を燃やす
先週末はホームで磐田を撃破し、今季初の連勝を果たした。どの選手も「ここから勢いをつけていきたい」と力強く発するように、16日に行われる今節・神戸戦に勝てば3連勝となるだけに、ここはJ1残留に向けての山場とも言えるだろう。FW都倉賢やDF増川隆洋、DF田中雄大など、神戸を古巣とする選手も複数いるだけに、モチベーションもかなり高い印象だ。
その中でも、とりわけ強い意欲を感じさせているのがMFチャナティップだ。先週まではタイ代表としてW杯予選を戦い、敵地での豪州戦も難敵を相手にハードワークをしたばかり。前節・磐田戦の2日前に帰国し、チーム練習に合流したのが前日というスケジュールながら、磐田戦ではフル出場で勝利に貢献した。
「試合前も疲労はかなりあったけど、食事などをしっかりと摂って体力を回復させた」とチャナティップ。実際のところ、四方田修平監督も「70分くらいがメドかなと思っていたけど、動きが落ちなかったので」と、当初は交代も視野に入れていたが、それを覆すほどのハードワークを磐田戦では見せていたのである。「試合に出るからには、しっかりプレーしなければいけない」と強く意識をしていたとのことだ。
そうして迎える今週末の神戸戦は、前述したように3連勝が懸かる。チャナティップも「勝ち続けたい」と必勝態勢。「今週はしっかりと体力を回復させられる」とした上で「相手のポドルスキ選手はタイでも有名。すごい選手」と強く警戒するが、難敵相手にも「勝利への意欲は強い。みんなで勝ちたい」と、チーム一丸となって、万全のコンディションでFWルーカス・ポドルスキ擁する神戸も撃破するつもりだ。
文・斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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磐田の松本昌也が全体練習に合流。目標は20日の天皇杯4回戦・長野戦出場
磐田の松本昌也が13日、チームの全体練習に合流した。
松本は8月中旬に右ひざ内側側副じん帯損傷のけがを負い、練習合流まで4~6週間と診断されていた。
「まだ怖さは多少あるけど、練習をやりながら取り除いていける。アジリティーの部分、心肺系などコンディションを上げながら試合に絡んでいけるようにやっていきたい」
20日には天皇杯4回戦・長野戦が行われるが、まずはこのゲームへの出場を目指すことになると思われる。
「(出場するがどうかは)最後は監督が決めることだけど、自分の中で目標をしっかり作ってやっていきたい」
シーズンも佳境に差し掛かる中、戦列復帰した松本は「チームの力になっていければ」と意気込みを口にした。
文・青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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「慣れ親しんだ地」。大宮の伊藤彰監督が今節の舞台“熊谷”を語る
今節・G大阪戦の行われる熊谷スポーツ文化公園陸上競技場は、大宮のアカデミーで指導歴を積み上げてきた伊藤彰監督にとって、さまざまな思い入れのある会場だ。
「ジュニアユースは熊谷がメインで、決勝だろうが、雪が降ろうが、暑かろうが、ずっと熊谷でした。毎回、自分の車で熊谷まで行っていました。アカデミーで準決勝、決勝をやるとなったら『ああ、熊谷ね』と。慣れ親しんだ地という感じですね」
朝9時のキックオフの場合は、諸々の準備の必要性もあり、5時半集合もザラだったという。もちろん、集合が早いからといって終了も早いというわけでもない。アカデミー特有のハードながらやりがいのある仕事を思い出し、指揮官は「なかなか良い思い出ですね」と笑顔で振り返った。
トップチームでの一戦はあらゆるものが違ってくるはずだが、コーチを務めた昨季には熊谷で川崎F戦の勝利を経験しており、すでに良いイメージはある。いまも多くの友人がいるという熊谷の地に思いを馳せ、意気込んだ。
「毎年、熊谷の地でやらせていただいているのは光栄なことですし、そこで自分たちが良いサッカーを見せる、勝ちをプレゼントするということが、熊谷で応援してくれる人たちの力になると思います。すごく楽しみにしていますし、昨季もフロンターレに勝ったということで、いまいる選手たちもそこまで悪いイメージは持っていないと思います。思い切ってやってくれれば、良いゲームができるんじゃないかなと思います」
文:片村光博(エルゴラッソ大宮担当)
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頼もしい男が復帰! 新潟の田中達也が部分合流
オフ明けとなった12日、新潟はJ1第26節・鹿島戦に向けたトレーニングをスタートした。この日は、ひざの違和感から別メニュー調整を行っていた田中達也(写真左)が全体練習に部分合流。約2カ月ぶりに仲間たちと元気にボールを蹴り合い、ピッチのムードを活気づけていた。
今季はリーグ戦9試合出場2得点、ルヴァンカップ2試合出場2得点。J1第1節・広島戦、ルヴァンカップ第1節・鳥栖戦は、いずれも途中出場から同点弾を挙げるなど、チームに勝ち点をもたらす得点を挙げてきた。その後、4月下旬にひざの違和感で離脱し、古巣戦となる第18節・浦和戦で復帰したものの痛みが再発。「チームを助けたいという思いもあり葛藤したが、いろいろなチェックをして、しっかり治して戻ろうと決断した」と離脱した思いを明かした。
呂比須ワグナー監督も「経験もあるし、ずる賢さもあって、動き出しもうまい。ポジション争いが面白くなる」と期待を寄せる。
田中は「いまは自分のことで精一杯」と苦笑いしたが、「少しでも多く、助けになれれば」と、完全復帰に向けて、フィジカルコンディションと実戦感覚を上げていく。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)
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森岡亮太から刺激を受ける岩波拓也「代表に入ってほしいし、自分も負けていられない」
元神戸でベルギー1部のベフェレンに所属するMF森岡亮太。今季のリーグ開幕以来6試合で4得点、アシストも続々と記録するなど、欧州でプレーする日本人選手の中でも注目株に躍り出ている。
森岡が神戸に在籍したとき、親交の深かった一人がDF岩波拓也だ。13年に神戸がJ2を戦った際には「一緒にかなり長い時間を過ごした」という。当時、森岡はけがに泣かされたシーズンでもあったが、森岡と岩波はプライベートでよくボウリングに出かけたそうで、「そのボウリングに行ったあとにけがしていたような…」と申し訳なさそうに岩波は振り返る。
ただ、「それからジムにニ人で行くようになった。そこからけがをするのを見たことがないくらいプロフェッショナルになっていった」とし、第30節・東京V戦でトップ下で先発出場して以降、「数分出場して沸かせる選手から、亮太くんはチームの中心に変わった」と自らを高めていった森岡を尊敬のまなざしで見つめていたという。
神戸からポーランドのヴロツワフに移籍し、今季ベルギーリーグで暴れる森岡。「『スペインでサッカーがやりたい』と言っていましたし、そこに近づいて、少しずつ日本でも注目されるようになっている。それはあの人の努力の賜物でしかない」とリスペクトする岩波は、「代表に入ってほしいし、自分も負けてはいられないと思っている」とも続け、ともにプレーした先輩の活躍は自らへの強い刺激にもなっているようだ。
神戸は9日のJ1第25節・G大阪戦で久しぶりの勝ち点3を獲得。しばらく勝ち星に見放される中で悩むことも多かった様子だった岩波だが、12日の練習後、「いまは吹っ切れている」と“手ごたえ”を口にし、「残り(J1の)9試合すべて勝つつもりで、パフォーマンスを上げていきたい」と強い野心をのぞかせていた。
文・小野慶太(エルゴラッソ神戸担当) -
「シンプルに勝ちを目指して戦う」。川崎F、クラブ史上初のACLベスト4へ向けた運命の第2戦
川崎Fは12日、翌日に控える浦和とのACL準々決勝・第2戦に向けて、決戦の地である埼玉スタジアムで公式会見と前日練習を実施した。
公式会見には鬼木達監督と小林悠が登壇。鬼木監督は「明日はシンプルに勝ちを目指して戦う。これに尽きる。次に進むためにとにかくそれを実現したい」と力強いコメントを残し、主将の小林も「アウェイゴールはあるが、次のステージに進むために、試合に勝つことだけに専念していきたい」と語気を強め、何よりも“勝利”を目指して戦いたいと強調した。
その後、約1時間しっかりと汗を流した川崎F。練習後に囲み取材に対応した谷口彰悟は、クラブ初のベスト4を懸けた大事な一戦に向けて強い意気込みを語っている。
「浦和はちょっとシステムを変えたり、新しいことをやっている印象がある。ただ、後ろの対応としてはあまり変わらないし、いつもやっていることをやるだけ。絶対に準決勝へ進出したいし、第1戦で点差をつけて勝つことができたので、それを無駄にしないためにもしっかり戦わないといけない。僕らは負けるわけにはいかない。みんなで集中力高く臨みたい」。
ベスト4を巡る日本勢同士の第2ラウンドは、本日の19時30分に埼玉スタジアムでキックオフ予定となっている。
文・写真:林遼平(エルゴラッソ川崎F担当)
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ベストゴールコレクター、清水の北川航也が誓うさらなるゴール
12日、清水はいつもどおり週明けのメニューをこなしていたが、突如雷雨となり練習を中断。「雷がすごかった」と北川航也が話すように、雷鳴が轟く三保のグラウンドから、監督、選手、スタッフが一斉にクラブハウスに引き上げ、そのまま練習は終了となった。
その北川は前節・甲府戦で、ミッチェル・デュークのトリッキーなプレーからゴールを奪いDAZN週間ベストゴールに選ばれた。また第21節・C大阪戦のゴールが8月のJリーグ月間ベストゴールにも選ばれるという、ここ最近の目立つ存在となっている。
「ほかにももっと点を取れるチャンスはあったし、それを決めていればチームはもっと上にいた」と謙虚に反省の言葉が並んでいたが、こう続けた。
「でも、観に来てくれている方の気持ちや心に残るプレー、ゴールを見せることはプロサッカー選手としての使命。目標とされるような選手になれるように頑張っていきたい」と、再びサポーターを歓喜させるゴールを誓った。
文:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)