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「やってみないと(どういう感情が湧くか)分からない」。讃岐の馬場賢治が対戦相手として初めて平塚へ
平塚生まれの平塚育ち。幼い頃からベルマーレのサポーターとして平塚競技場(現・Shonan BMWスタジアム)に通い、そのライトグリーンのユニフォームに憧れを抱いていた讃岐・馬場賢治は今節、思いがけない形でそのピッチに立つ。
幼少時からの憧れに加え、湘南ではのべ3シーズンプレーしたということもあり、そこに抱く気持ちは“思い入れのあるチーム”という古巣戦でよく用いられる常套句がチープに思えるほどのもの。親も同然のチームを相手に戦うのは今季第6節でのホーム戦以来2度目だが、湘南ホームでアウェイチームの選手として戦うのは生涯初となる。
「やってみないと(どういう感情が湧くか)分からない。それが正直なところ」
さまざまな思いがあるだけに、そのピッチに立つことを想像すらできないため「考えれば考えるほど頭の中がいろんなものでいっぱいになる」と複雑な気持ちを抱えながらも、遠征前には「いま自分のやるべきことや、自分が良いプレーをすることだけを考えている」と雑念は捨て、思いを勝負のみにフォーカスした。
『もしゴールを奪ったら、どういうリアクションを取るのか?』という問いにも「どうですかね。分かんないです」とやはり答えに困る。しかし、それをイメージできずとも、「自分が(ゴールを)取って勝ちたい」とゴールを奪うイメージはできている。それはチームの勝利に貢献するだけでなく、「それがある意味、自分はまだ頑張っているよ、というのを(湘南の人たちに)伝えるチャンスだと思っている」という恩返しの意味も込められているようだ。
文:松本隆志(エルゴラッソ讃岐担当)