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湘南・曺貴裁監督が表原玄太、山田直輝に取材敢行
28日、湘南は紅白戦を行うなど、精力的にトレーニングをこなした。そして練習終了後に行われた曺貴裁監督の囲み取材中にたまたま通りかかった表原玄太、山田直輝が指揮官から逆取材されるという光景があった。その一部をお届けしたい。
Q:曺貴裁監督「最近調子はどうですか?」
A:表原「ダメです(笑)」
Q:曺貴裁監督「次の試合に向けて何が大事ですか」
A:表原「攻撃で縦パスを入れたり、追い越していくことが大事かなと思います」
Q:曺貴裁監督「表原選手、そういうしかけるプレーとか少なくなった気がするんですけど、どういう感じですか」
A:表原「それは、全然そんなことはなくて、一発を狙っているので」
Q:曺貴裁監督「一発を狙うことが結構ダメで、ネイマールみたいにしっかり守備をすることも大事なんですかね」
A:表原「ミーティングでそういう映像(CLのパリSGvsバイエルン・ミュンヘン)があったんですけど、そういうプレーが出せるようにやりたいです」
少し時間が経つと次は、山田が通りかかり再び逆取材が始まった。
Q:曺貴裁監督「今日のミーティングの映像を見て山田選手はどんなことを感じましたか?」
A:山田「ネイマールでも考え方というか、変われるんだなと」
Q:曺貴裁監督「それはどういうところを見て感じますか」
A:山田「映像で、守備に本気で走っているのを初めて見ました」
Q:曺貴裁監督「山田選手も昔は守備は人任せみたいなところもあったと思うんですけど、最近はその辺はどんな感じなんですか?」
A:山田「最近はチームのために走ることを考えてやっています。昔は自分勝手に走っていました。走行距離自体は変わらないですけど、チームのために走れるようになりました」
曺貴裁監督がミーティングに使用した映像は2選手に限らず、ほとんどの選手に得るものが多くあったようだ。30日のJ2第35節・金沢戦から迎えるホーム2連戦。表原、山田のプレーにも期待が高まる。
文:高澤真輝(エルゴラッソ湘南担当)
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苦節5年、待望のリーグ戦初得点を挙げた小暮大器に芽生えた“次の目標”
前節の横浜FC戦でキャリア5年目にしてついにリーグ戦初ゴールを奪ったMF小暮大器。その表情は以前より一皮剥けたたくましさが加わったように見える。
その試合でベンチスタートだった小暮は80分、チームが2点ビハインドの苦しい状況でピッチに送り出されると、「チームを勝たせるプレーを死ぬ気でやっていかないといけない」と闘志むき出しのプレー。いつもはワイドに開いてチャンスメークに回ることが多かったが、この試合では自身で積極的にゴール前に向かう強い意識を持ち、それが直接ゴールへと結びついた。自慢のドリブルで勢いよくゴール前まで切り込んでいくと、パスの選択肢がニつある中でも迷わず左足を振り抜き、そのシュートはゴールネット右スミを射抜いた。カップ戦では14年に1ゴールを奪っているが、リーグ戦ではこれがうれしい初ゴールとなった。
「自信がすごく持てるようになった」
アグレッシブなプレースタイルに対し、どちらかというと控えめだった言動も力強さが増してきた。「ああいうプレーをどんどん試合の中で出してやっていければさらに自信はつく。今後もどん欲にやっていきたい」と気持ちは前のめりに。
前節では自身のメモリアルゴールもチームが敗れて“空砲”となってしまっただけに、次の目標はチームを勝利に導く「勝ち越しゴールを決めたい」。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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2試合の出場停止明けのウェリントンが内省と指揮官の厳しい助言で、きっとハジける!
今節の山口戦では2試合の出場停止処分が明けたウェリントンが帰ってくる。今回の処分は、第32節の愛媛戦においてゴール前の位置取りの際に相手にひじ打ちをした疑いがあるとのマッチコミッショナーからの報告を受けた規律委員会が、映像確認やヒアリング調査を経て試合の1週間後に下したものだった。
「これまでのキャリアの中でも初めての処分だったので、最初の1週間はとてもつらかった」と言うウェリントン。もちろん、自分の犯した過ちでチームに迷惑をかけたという思いが落胆の一因でもあり、「大事な時期に申し訳ないと、チームメートを前にして謝っていた」と井原監督はウェリントンの行動を明かした。
そんなふうに落ち込むウェリントンに対して井原監督は「起こったことは、もうどうしようもないことだが、それでもウェリ(ウェリントン)には、『真のストライカーになるには、いかなるときも冷静であることが必要なんじゃないか』と話した」と、あえて厳しい助言をしたという。
そういう周囲のさまざまな反応の中、徐々に落ち着きを取り戻したウェリントンは「(処分を受けた)2週目からは今後のことも考えて前向きになるしかない」と気持ちを切り替えて、「実戦から離れるので、低下するコンディションの維持を一番に気にしながら練習に臨んだ」。
第29節の名古屋戦と第30節の水戸戦の2試合を2度目の累積警告で欠場していたため、ここ6試合でプレーしたのはわずか2試合。プレーすることと、ゴールに飢えている(※最後に挙げたゴールは第27節の京都戦)ウェリントンが、今週末にはきっと良い意味で大きくハジけてくれるはずだ。
文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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「思い浮かんでいた」イメージ。“ミラクルレノファ”の決勝点は、池上丈二のプロ初ゴール
前節・松本戦は2点を先取されながら、84分から3点を奪って3-2で逆転勝利。MF池上丈二のプロ初ゴールが決勝点となった。
ゴールシーンについて池上は「コヅ(小塚和季)から縦にパスが出た時点で、自分が拾ってからの二次攻撃が頭に思い浮かんだ。セカンドボールを拾って、ゴール前にしかけたことが得点につながった」と振り返る。
右サイドから放ったクロスは、シュートのようにも、パスのようにも見えたが、「中に岸田(和人)選手が見えたので、何か起こるかなと思ってクロスを上げて、そのまま入ったという感じ。あのようなゴールになったけど、自分としてはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。
今季はこれまで18試合に出場、うち14試合で途中出場してフレッシュな動きを見せてきた池上。ベンチに入れない時期もあったが、「コンディションを落とさず、常に結果を残すことを考えていた」と話す。
「前節は7分間で逆転することができた。その力を僕たちは持っている。途中出場だとしても、結果を何も残せないということはないと思うし、途中交代の選手が結果を残し、試合を決められるようにやっていければ、もっと良いチームになっていけると思う」
今季も残り8試合。累積警告での出場停止や負傷離脱などがある中、前向きなルーキーの飛躍に期待が懸かる。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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Jリーグ通算450試合出場を達成した讃岐のアレックス。次節の古巣・徳島戦でセレモニー開催
23日のJ2第34節・岡山戦でJリーグ通算450試合出場を達成した讃岐のアレックス。偶然にも、古巣対戦となる10月1日の次節・徳島戦でセレモニーが開催されることになった。
昨季まで徳島でプレーしていたアレックス。契約満了後はブラジルに帰国してけがの治療やコンディション調整に時間を充てていたが、「34歳だけど、まだまだバリバリ元気です!」と夏場の補強期間に讃岐へ加入。その言葉を証明するように、アレックスが出場するようになってからは6勝2分2敗。前半戦こそ苦戦を強いられた讃岐だが、急浮上してJ2残留圏まで浮上した。
アレックスはこれまでの経歴を振り返りながら、「日本に来た当初は、まさかこれ程できるとは思っていなかった。“まずは1年1年頑張ろう!”という意識でやってきたが、この数字を残せたことはものすごくうれしい」とコメントした。当日は両チームのファン・サポーターから盛大な拍手が送られることだろう。
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ讃岐担当)
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京都が望月嶺臣、下畠翔吾の入籍を発表。望月は新婚生活でも司令塔!?
京都は28日、望月嶺臣、下畠翔吾の2選手の入籍を発表した。望月は8月1日、下畠は9月23日に入籍を済ませている。発表があった28日の練習後、二人は以下のように新婚生活をスタートさせた心境を話してくれた。
「(入籍日の)8月1日は出会った日みたいです。(奥さんに)『いつが良い?』って聞いたら、『その日が良い』ということだったので…。一緒に住み始めたのは少し前からなので自分の中ではそんなに変化はないけど、責任感は違ってくる。『結婚したぶん、頑張らないといけない』と思っています」(望月)。
「(入籍日は)大安だったし、奥さんの休みが土日しかなくて一緒に行きたかったので。ずっと一緒に住んでいたし、『変わったな』と感じることはあまりないです(笑)。でも、これからは二人ぶんの人生を背負っていかないといけない。自覚を持ってしっかりやっていきます」(下畠)。
また、何度も望月の家に遊びに行っているという田村亮介によると、「全然、動かないですからね、この人(望月)。『アレ取って』って、ずっとイスに座ってる(笑)」とのこと。そのプレースタイル同様、新婚家庭でも司令塔ぶりを発揮しているようだ。
[写真:28日に入籍を発表した望月(左)と下畠(右)]
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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高木義成を見てプロ生活を過ごしてきた男、柴崎貴広。高木の引退に「あの年までやれていることが、選手としての(価値の)証明」
27日に現役引退を表明した岐阜のGK高木義成、彼を見てプロ生活を過ごしてきた男が東京Vにいる。
GK柴崎貴広。高木が38歳、柴崎は35歳。高卒で01年に東京Vに加入した柴崎にとっては、3歳上の先輩だった。その柴崎にとって、(表立ってはハッキリ言わないが)とても大きな存在だったそうだ。
「引退を決めたことは、先週に聞いていました」
最初に引退についての話は「もう、そんなときが来たか」という感情で聞いていたという。
「プロに入って、一番最初の先輩。すごく近い存在で、私生活から何から、いろいろと見てきた人」
そんな高木に似たのか、柴崎もありとあらゆる業界人の知り合いがいることで知られる。「あの人ほど社交性は高くない」と言うが、先輩になぞらえた部分もあるだろう。
「あの年までやれていることが、選手としての(価値の)証明だと思う。ピッチ外でのいろいろな活動もやってきた人。自分もそれに近づけるように、何かができればいい」
思慮深げに、そう話した柴崎。今季、岐阜戦は10月21日、長良川でのアウェイゲームを残している。
「これまで1回もないので、対戦してみたいのが本音です」
果たして、関係深き二人の直接対決は実現するか。
文:田中直希(エルゴラッソ東京V担当)
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千葉のバンディエラ・佐藤勇人が語るチームの理想的な成長曲線の描き方
9月24日のJ2第34節で長崎戦に敗れた千葉はJ1昇格プレーオフ圏まで勝ち点差が『8』に開き、目標のJ1昇格へ土俵際に追い込まれた。この窮地を救う原動力となるのは、ベテランの経験値や胆力という安易な言葉で片付けてしまいがちだが、その考えを佐藤勇人に投げかけると、対局の答えが返ってきた。
「よくそうゆう話を頂くが、はっきり言うと、自分が若いときは上の人を頼っていなかったし、若いなりに責任を持ってプレーしていた。『自分がこのクラブを優勝に導こう』とか、『日本代表に入ろう』とか、野心を持っていた。いまのJ1の強いチーム、例えば鹿島も若い選手がそうゆうメンタルを持ってプレーしている。日本に限らず、海外もそうだが、年齢に関係なく、どれだけ(いまの)サッカー人生に懸けられるかがその先を変える。17歳だろうと、個人的にはそこは持っていてほしい」
強いチームというのは若手の強烈な個性や突き上げの上に成り立っている。そしてそれを補完するのが長いキャリアで培った優れた戦術眼や展開を読む力を持つベテラン。将来性豊かな若手と元日本代表クラスのベテランの融合という観点でいまのJ1の上位を見ても、当てハマるチームがいくつもある。
「チームが上にいくにはそれが一番早いし、そうあるべきだと思う」。個々が自分の役割に徹した上で、上昇志向の強い若い個性が加わったとき、チームは加速度的に成長曲線を描くというのだ。
一方、千葉に目を向ければ、まだその域には達していないのが現状だ。だからと言って、J1昇格をあきらめたわけではない。
「最初の目標とはもちろん違うが、現実的にはどんな状況でも(J1昇格)プレーオフを目指さなければならないのは変わらない。可能性として難しくなり、『じゃあやめよう』となると、クラブとしてもその先はない。可能性が1%でもある限り、そこは目指さないと」
千葉のバンディエラは強い自尊心と覚悟を持って残り8試合を戦っていく。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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「自分は試されている立場。攻守両方で見せたい」。日本代表初選出の車屋紳太郎が思いを語る
日本サッカー協会は28日、10月初旬に行われるキリンチャレンジカップ2017に挑む日本代表を発表。川崎Fからは車屋紳太郎が選出された。
車屋にとっては初の日本代表入りだ。2016年の3月に日本代表候補に招集されたものの、その後は名前こそ挙がることがあっても、なかなか代表に選ばれることはなかった。その中で今回、10月6日に豊田スタジアムで開催するニュージランド代表戦。そして10日に日産スタジアムで開催するハイチ代表戦に臨む日本代表に選出された。
今季の車屋は背番号を7に変更し、左SBで不動のポジションを確保。ここまで全試合に出場するなど、チームに欠かせない一人として勝利に貢献していた。
「(代表に)入れたと最初に聞いたときは信じられなかった」という車屋。初の代表選出への喜びとともに、代表に対する強い思いを語っている。
「友達や家族から連絡が来て、徐々に実感が湧いてきている。今回は、自分はやっぱり試されている立場だと思う。攻守両方を求められていると思うので、両方で見せていかなければいけない。前回の代表合宿では自分のプレーに満足していなかったけど、そこからどれだけ成長しているかに興味があるし、楽しみにしているところがある。この2試合で自分のプレーを見せたい」
日本代表のユニフォームを背負った車屋がどんなプレーを見せるのか。10月の2試合を楽しみに待ちたい。
文・写真:林遼平(エルゴラッソ川崎F担当)
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キャプテンマークの重みを受け止め、さらなる飛躍を期す長崎のGK増田卓也
長崎のGK増田卓也が左腕の重みについて振り返った。
前節の千葉戦、負傷で欠場した髙杉亮太に代わってキャプテンマークを巻いたのは増田だった。「選んだのは監督だと思います。試合前にミヤさん(宮内祐樹主務)から話があった。『今回はマス(増田)でいくみたいだから』と」。増田は試合前のことをそう振り返った。
「個人的な課題としてもリーダーシップや後ろからチームメートを鼓舞する存在感というのをもっともっと出していかないといけないと思っている。その課題も含めて、もっと向上してほしいという監督の考えも込められていると思う」
増田は今回のキャプテンマークについてそう受け止めていた。「歴史ある長崎というクラブでキャプテンマークを任される責任感はあったし、この試合、絶対に勝ちたいという気持ちは今まで以上に増したというのが本音」と話したように、感情を揺さぶられるものがあった様子だった。その思いを胸に無事に大役を務め上げ、勝利に貢献した。
「いつも後ろから存在感を出す、チームをまとめるという気持ちは向上させないといけないと思っていたので、任されたときはそんなに驚きはなかったけど、やっぱりうれしかった」といつもとは違った部分があったようだ。広島から期限付き移籍で加入中だが、「長崎をJ1に昇格させたいという気持ちで来た」と話し、それが徐々に見えてきている。キャプテンマークを巻いたことで気持ちもさらに強くなった増田がさらに存在感を高めていく。
文・杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)