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横浜FMのGK原田岳が念願のリーグ戦初のベンチ入りへ
横浜FMの2年目のGK原田岳が18日の仙台戦でメンバー入りを果たすことになった。
ルーキーイヤーの昨年は、ルヴァンカップで2試合にベンチ入り、今年は、11日に行われた天皇杯3回戦、横浜FC戦でもベンチ入りしていたが、リーグ戦では初のメンバー入りとなる。
遠征メンバーに入ったことについて原田は「ついに…」とはにかんだ。先発が飯倉大樹であるという事実に変わりはないはずだが、「大樹くんがけがをしたときは自分が出るというポジションになった。ピッチに立ったときに堂々としていられる準備はしていきたい。(出場機会が急きょ訪れても)そのために練習しているので、しっかりやってきたと信じてプレーするだけ」と意気込んでいる。
横浜FMユースの出身ということもあり、「マリノスのGKを代表して戦う覚悟は第3、第4GKのときからもっていた」という原田。メンバー入りはあくまで「通過点」だが、出場機会が訪れなくとも「いい何かをもって帰れるようにしたい」とリーグ戦をピッチレベルで体感することを成長の機会につなげるつもりだ。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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横浜FMの伊藤翔、かつてのチームメートが世界一に
「すごいっすよ」。言葉はシンプルながら、感情を込めて伊藤翔は元チームメート、W杯ロシア大会で全7試合に出場し、フランスの20年ぶりの優勝に貢献したオリビエ・ジルーについてそう表現した。
伊藤が中京大中京高を卒業してグルノーブルに入団した際、同クラブで2年目を迎えていたのがジルーだった。「当時からすごい選手だったけど、あんなにヒゲがもじゃもじゃになるとは思わなかった」と伊藤らしい冗談を交えたが、「すごく面倒見がいい人間で」あり、高卒でいきなり海外に挑戦した伊藤が「すごくよくしてもらったし、助けてもらった」のがジルーだったという。「W杯は日本も盛り上がったり、友だちも優勝したし、よかったですね」と伊藤は笑った。
その伊藤は17日の練習でレギュラー組のFWでプレーし、リーグ再開となる18日の仙台戦で先発出場すると見られる。「天皇杯(横浜FC戦)ではウーゴ(・ヴィエイラ)が点をとっていたし、てっきりウーゴが出るのかと思っていたからビックリした。でも出るからには頑張らないといけない。ウーゴのぶんも頑張らないといけない」。
伊藤とヴィエイラは同じポジションのライバルでありながら「互いにリスペクトし合っている」関係。それは横浜FC戦ではじゃんけんで勝ってPKを蹴ったヴィエイラが「翔じゃなければじゃんけんもしていない。好きな選手だし、好きな人間性。すごく頼りになる人間」と話していたことからも理解できる。
かつてのチームメートが世界を制したあと、現在のチームメートの気持ちも背負い、伊藤は仙台戦のピッチに立つ。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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清水のドウグラスが加入会見。目標は「オーバーヘッドでのゴール」
17日、清水に新加入したドウグラスが会見を行った。冒頭から、2年半ぶりに日本に戻ってきたことの喜び、そして感謝などを述べ、「チームと一緒に成長したい。チームが一丸になっているのであればより一丸になれるように。そうなれば、もっとよくなる」と話した。
また、ドウグラスには一つの目標があるそう。それは…。「オーバーヘッドでゴールを決めたい。それも、できればホームで」。動画サイトなどでドウグラスのオーバーヘッドを手軽に見ることができるが、清水サポーターにとっては生でスーパーゴールを見るチャンスとなるかもしれない。
また同日、ジェリー・ペイトンコーチの新加入会見も行われた。アーセナルで15年GKコーチを勤めるなど実績は十分。「清水を成功させる責任、選手たちのレベルを上げる責任、そしてコーチ陣に自分の知識を授ける責任、最後にヨンソン監督と一緒に戦っていく責任があると思っている」豊富な経験で、GKだけでなく、チーム全体の強化に努めることになる。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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福岡の鈴木惇と駒野友一がFK前に交わす会話とは
前節の讃岐戦で貴重な同点ゴールを決めた福岡の鈴木惇。ペナルティーアーク内中央やや右寄りの位置でのFKを得意の左足で直接沈めた。FKを直接決めたのは今季3度目。第9節の山口戦、第16節の水戸戦に続くもので、鈴木がFKを決めたその3試合はいずれも勝利を収めている。
福岡の場合、FKの際にセットされたボールの後ろに立つのは鈴木と駒野友一というパターンがほとんど。二人の間でどんな会話がかわされているのか。
「この前の讃岐戦も含めて、距離、位置、相手の壁の高さなどを踏まえて、僕とコマさん(駒野)のどちらが蹴れば得点の確率が上がるのかを話し合って、キッカーを決めています。この前は、コマさんが『ジュンのほうがいいんじゃない?』と言って譲ってくれました」
FKの場面ではよく、自分が蹴りたいと手を挙げる選手が数人いるために「なんだか微妙な空気が漂っているなぁ」と周囲も感じるくらいに、あまりよろしくない雰囲気になる。プロとして決して悪いことではないが、そこに強い自己主張があるからそうなる。
しかし、鈴木と駒野の場合、基本的には冷静な話し合いをベースにした譲り合いの気持ちがあるから、そこに流れる空気は穏やか。もちろん、鈴木のキック精度が高いことがベースにあるとして、鈴木がここまで3本のFKを決めているのは、穏やかな空気の中でキックに集中できるからでもあるのだろう。
抜群のキック精度を誇るキックの職人二人が作り出すのは、穏やかだけれども、不可侵の世界。残りのシーズン、二人が作り出す特別な空間から特別なゴールが、まだまだ生まれそうな気がする。
文:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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徳島のピーターウタカが芸人・出川哲朗さんの話題にテンション急上昇
6月に加入したウタカ。夏の登録期間が始まる今節・大宮戦に向け、約1か月かけて準備を進めてきた。今週は直前の調整として練習試合(5○1)で状態を確認。相手が大学生ということもあって「結果に対して意識はしていません」と言葉にしたが、貫禄のハットトリックは訪れたファン・サポーターの心をガッチリつかんだことだろう。
試合後の取材では、炎天下でのプレー直後ということもあって少しお疲れの様子。しかしながら、自身のインスタグラムで話題にしていた芸人・出川さんの話題になると「日本で一番のコメディアンだと思うよ!」と疲労も忘れてビッグスマイル。その魅力は「言語は違うんだけど、何をしたいのか表現やジェスチャーでその面白さがわかるんだよ」とご機嫌。さすが、世界の出川さん! 「ヒューマン&ヒューマン」(出川イングリッシュの名言)は伊達じゃない。「毎週日曜日の番組(世界の果てまでイッテQ)に出てるよね。知ってるよ!いつか会いたい! 」のラブコールがご本人の耳に届くことを期待したい。
文・写真:柏原 敏(エルゴラッソ徳島担当)