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甲府・伊藤彰監督がサービス発言。負傷明けの主将・小出悠太の今季初出場を明言
ホームスタジアム・山梨中銀スタジアムの改修のために開幕からアウェイで3試合を戦った甲府が3月16日に山梨県昭和町のイオンモール甲府昭和で、ホーム初戦の前日会見を行った。
会見には甲府から伊藤彰監督と小出悠太、長崎から手倉森誠監督と島田譲が参加して質疑応答とフォトセッションが行われた。イオンモール甲府昭和の1階イベントスペースで行われた会見は用意された70席はすぐに埋まり、周辺を多くの人が取り囲み2階3階から覗き込むように見ていた人を加えれば200~300人が足を止めて見守った。質疑応答では、「監督としてお互いをどう見ていますか?」という質問に対して、長崎の手倉森監督が「Jリーグでは日本人監督がもっと頑張らないといけない」と自身と伊藤監督へのエールにもとれるような話をし、「仙台の(監督としての)手倉森としては甲府に苦手意識があったが、今年は(長崎の監督として)違いを出せればと思っています」と付け加えて甲府のファン・サポーターの心をくすぐった。
一方、甲府の小出はシーズン前のトレーニングマッチで負傷し、今節が今季初出場になる見込みだが、「小出選手が会見の場にいるということは…(明日は出場する)ということですか?」というサポーターからのストレートな質問があり、伊藤監督は「小出にはキャプテンとして責任をもたせています。明日ピッチの上でチームをまとめる活躍をしてくれると思います」と出場させることを認める答えをして会場を沸かせた。
文・写真:マツオジュン(エルゴラッソ甲府担当)
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目指すはともに初勝利。富山と福島の一戦はスリリングな攻め合い必至!
富山のホーム開幕戦を翌日に控えた16日、富山市内のホテルで記者会見があり、対戦する富山、福島の監督、選手代表が明日への抱負を語った。
明日の試合ではともに今季初勝利を目指す。富山の安達亮監督は「福島は前節の藤枝戦で圧倒的にボールを支配していた。攻撃的なチームだと思う。われわれも攻撃的なサッカーを掲げているので、攻め合って、観客のみなさんも、やっているわれわれも楽しい試合になればいい。お互いに攻撃的にゲームを進めると、攻守の切り替えのところがポイントになるかもしれない」。福島の松田岳夫監督は「富山は攻守ともにバランスがとれた非常にいいチームだと思う。彼らの背後への飛び出しなど鋭い攻撃をしっかりと抑え、守備をいかに崩していくか。ますは自分たちのサッカーを貫けるかどうかが大事になる」と述べた。
選手代表として出席した福島のMF橋本拓門と富山のDF今瀬淳也は国士舘大で1学年違い。今瀬は警戒すべき選手として先輩の橋本を挙げ、「昨年の対戦ではFKから得点を決められた。ポゼッションサッカーのキーマンだと思うので、いい配球をできるだけさせないような守備をしなければいけない」とコメントした。
両選手に注目すべき同僚を尋ねると、今瀬は「FW高橋駿太選手は今日のシュート練習でもフィーリングがすごくよさそうだった。やってくれると思う」と期待。橋本は「パスをつなぐチームにあって、池田昌生選手はドリブルで変化をつけられる。彼に注目して」と語った。
報道関係者のほか、参加を希望した約40人のサポーターが見守り、会見後には「魁! 安達塾」と題した、今季のチームの戦い方についてのレクチャーも行われた。
文・写真:赤壁逸朗(エルゴラッソ富山担当)
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千葉・小島秀仁が見せる強烈な反骨心。苦境脱出に向けて強調する「当然のこと」
千葉が序盤から数的不利を強いられた10日のJ2第3節・山口戦。誤解を恐れずに言うなら、68分にピッチに送り込まれた小島秀仁は怒っていた。
実際はそうではなかったかもしれない。だけど、少なくとも筆者の目にはそう映った。そのぐらい14番の所作には鬼気迫るものがあった。
伏線は1-4で大敗した第2節・新潟戦後からの1週間にある。小島が今季初先発した新潟戦は1-4で大敗したものの、自身のパフォーマンスは悪くなかった。むしろ、相対的にはチーム内でトップクラスの出来だった。ところが、翌週の実戦練習では控え組に組み込まれた。小島は言う。
「監督にも(理由を)聞きにいきましたし、悔しい気持ちがありました」
ただ、その悔しさをぶつけられるのは自身でも他者にでもなく、ピッチ内でのプレーでしかないのは分かっていた。だからこそ、シュート性のクロスからのアシストシーンが代表するように、一つひとつのプレーからは小島の気持ちがほとばしっていた。しかし、力及ばず、結果は2-5の大敗。「どんな状況で出たとしても、全力でやらないといけないと思っていました。その部分を出したかったのですが、あのような結果になってしまったので、アピールできませんでしたね」と唇をかむ。
まだ3試合を終えたばかりとはいえ、千葉は3戦未勝利の最下位に沈む。だからこそ、苦境を脱するためにいま最も必要なのは小島のような強烈な反骨心なのだろう。小島もそれは重々承知している。
「まずは原点に帰って走らないといけないし、球際で勝たないといけないし、セカンドを拾わないといけません。サッカーで勝つための当然のことを全員で全力でやって、一人ひとりが戦う気持ちを前面に出さないとこの状況は変わらないと思います」
そして、明日に控えるのは開幕3連勝中の水戸戦。14番の先発復帰は不透明だが、ベクトルは内側に向いている。「やらないといけないことがたくさんありますし、まずは自分たちに目を向けないといけない。自分たちがどう戦うかだけだと思います」。終始、厳しかった小島の表情がチーム内の危機感を物語っていた。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)