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「それが自分のスタイルなので」。バルセロナから2ゴールを決めた乾貴士が、C大阪の舞洲グラウンドに
24日午前、欧州から帰国したエイバルのMF乾貴士。リーガ・エスパニョーラの最終節では、カンプ・ノウで優勝が懸かったバルセロナから2ゴールを奪うなど、一躍、時の人となったが、ルーティーンは変わらなかった。帰国したその足で、関西国際空港から古巣・C大阪の練習場へ直行すると、9時半開始の全体練習に姿を現し、軽くボールを蹴り、ランニングで汗を流した。
休む間もなく練習場に姿を現したことについて、「自分のリラックス方法です。休みたいという気持ちがないので。できるときは何かしら体を動かしたい。休む日を作りたくない。休むことが大事だという人もいますし、それは間違いではないと思う。でも、自分のやり方も間違いではないと思うので。自分に合ったやり方があるし、自分自身で見つけるしかない。自分にはこのスタイルが合っていると思っているので、続けているだけです」と話す乾。帰宅前、ファンサービスを終えた後に応じてくれた、ミニインタビューをお届けする。
――もう何度も聞かれたかと思いますが、あらためて、高校生のころから憧れていたバルセロナのホームスタジアム『カンプ・ノウ』で2ゴールを決めた思いを聞かせてください。
「もちろん、うれしかったですよ。初めてカンプ・ノウでやったときは、そこでやることがうれしくて、でも、何もできなかった。達成感がまったくなかった。カンプ・ノウでプレーすることは昔からの目標だったので、少しは達成感があっても良かったと思うんですけど、そのときはまったくなかった。それが何なのかと考えたときに、やっぱり活躍したかった気持ちがあったんだな、と。だから次、カンプ・ノウでやるときは『リベンジしたい』『ピッチに立って何かを残したい』と思っていました。なので、『何か残したい』というところで言うと、2点を取れたことは良かったと思います。でも、ゴールシーン以外で考えると、相手にボールを持たれる時間も長かったし、試合にも負けたので、まだまだ反省すべき点の方が多いと思います。満足はしていないですね」
――優勝が懸かったバルセロナを相手に0-0の状況から2点を先に取って、スタジアム全体が静寂に包まれましたが、その時の空間については?
「本当にシーンとなったので、うれしさがめちゃくちゃあるわけではなく、『えっ? 入ったんかな?』という感じで(笑)。でも、チームメートが喜んでいるのを見て、『ああ、良かったな』と思いました。そのあと、『(カンプ・ノウで決めたのは)日本人初』とか、そういういろいろなもの(映像や記事)を見てから、さらに実感が湧きました」
――ビハインドをはね返すべくギアを上げてきたメッシ選手らと対峙した感想は?
「いや、もう、次元が違いますよ。メッシ、ネイマール、スアレス、イニエスタ。レベルは全然違いました。自分たちは必死でプレーして何とか、という感じの中、彼らは常に余裕を持ってプレーしていますし、レベルの差は感じましたね」
――リーガ2年目の今季について。良いシーズンになりましたか?
「そうですね。結果については悔しいですし、満足はしていないですけど、結果以外の部分ではチームの戦力になれたと思うので、そういうところでは、1年間戦えて、シーズンの最後までスタメンで出られたことは良かったと思いますし、自分の成長にもつながったと思います」
――移籍に関して清武弘嗣選手から相談を受けたときに、何か掛けた言葉はありますか?
「僕から言えることは特になかったです。僕とアイツの状況はまったく違ったので。チーム状況もそうですし、代表に入っている、入っていないもそうですし。そういう立場の違いがあるので、僕から言えることはそんなになかったですね。
でも、僕としては残ってほしかったので、そこは伝えました。ただ、(C大阪に復帰すると)決めた以上、アイツには本当に頑張ってほしいし、結果も出しているので、すごいと思いますね。(リーガで)対戦したかったですし、楽しみにしていた部分でしたけど、そのとき(第4節のエイバルvsセビージャ)は自分がベンチ外で。あそこでスタメンさえ勝ち取っていれば対戦できたので、悔いは残りますけど、もう終わったことなので。また、いつかどこかで、一緒にやるなり、対戦するなり、いろいろな形があると思うので、それができることを楽しみにしています」
取材中には、ユン・ジョンファン監督が乾に「今日、試合(ルヴァンカップ第6節)に出てよ」と声を掛ける場面もあり、「いいんですか?(笑)。出ていいなら!」と応じていた乾。今後も「基本的にはここ(舞洲)でトレーニングを重ねる予定」だという。
“永遠のサッカー小僧”の舞洲帰還により、いまの良好なチームの雰囲気が、より一層、明るくなりそうだ。文・写真:小田 尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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