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横浜FMの和田昌士が「今までやったことがない」ポジションで先発へ
横浜FMの和田昌士が「今までやったことがない」ポジションで今季初先発を果たすことになりそうだ。
6日に行われる天皇杯2回戦・FC大阪戦。横浜FMの布陣は、「今までにない」(吉尾海夏)形になる模様。試合前日の練習で主力組と見られるチームは、2日の神戸戦から飯倉大樹、金井貢史、山中亮輔、オリヴィエ・ブマル以外の7選手を変更。加えて右サイドバックにはダビド・バブンスキー、そしてアンカーは和田昌士が入る“驚き”もあった。(途中、ブマルが負傷離脱し、代わってイッペイ・シノヅカが右ウイングでプレーした)。
和田は山口への期限付き移籍から復帰した今季、普段のトレーニングでセンターフォワードからウイング、インサイドハーフ、アンカーにサイドバックまで、さまざまなポジションでプレーしている。しかし、本来は攻撃的なポジションを得意とする選手であり、公式戦でアンカーでプレーすることになれば、人生初体験だという。
5日のトレーニングではGKやDFからパスを受け、前を向いてシンプルにパスをつないでは動き直してまたボールを受ける、というプレーを繰り返していた。「どうしても前に行きたくなる気持ちがあるけど、周りを見ながらバランスをとって基本的には真ん中、センターバックの前にいないといけない」と意識しながらプレーしていたようだ。
選手は自分の持ち味が最も出るポジションで勝負したいもの。和田にとってアンカーはそうとは言えないポジションだが、「逆に(アンカーも)できるようになれば自分の幅も広がるし、挑戦したい。ネガティブな気持ちはない」と前向きな様子。何より「試合に出ないと始まらない。どこがいいとか言っている場合ではない」。ルヴァンカップ4試合に途中出場したのみという現状で試合に飢えている。
アンジェ・ポステコグルー監督は和田について「練習でも常によく働いてよく動いてくれる」と評価するが、和田自身も「1回1回の練習を大切にやってきた」ことを理由に「自分でつかんだチャンス」であることを自覚している。その思いと持てる力を三ツ沢のピッチで発揮するつもりだ。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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今度は磐田の選手として。昨年の天皇杯得点王・中野誠也「いいイメージはもっている」
磐田は5日、天皇杯2回戦・中京大戦の会場となるヤマハスタジアムで前日トレーニングを実施。11対11の実戦形式に近い形でセットプレー練習を行うなど、約1時間半汗を流した。
J1・J2クラブが参戦する天皇杯2回戦。名波浩監督にとっては、15年の1回戦・北陸大戦、16年の2回戦・神奈川大戦に次いで3度目の学生チームとの対戦となる。指揮官は「俺たちが全身全霊をかけて100%の力を出して勝ち上がることが重要。『どうせ入らないよ』とか、『どうせやられないよ』とか、そういう気持ちで勝っても先はない」と全力で戦うことの重要性を話した。
また、この試合ではFW中野誠也の先発出場が濃厚。昨年の天皇杯では、筑波大に所属しながら5ゴールを挙げて得点王(横浜FMのウーゴ・ヴィエイラとタイ)に輝いた。今季はサックスブルーのユニフォームを着て挑むことになるが、このコンペティションについては「去年があるので、いいイメージはもっている」。学生として参加した昨季の経験を踏まえ、「去年対戦したチームは(相手が)受けてくれているという印象をもっていた。自分たちがそうはなりたくないから、スタートから思い切ったプレーが必要」と、学生チームと対戦する上でのポイントを話した。
ここ最近は、シャドーでプレーする機会が多く、新境地を開拓しつつある中野。「磐田のサッカーで求められるシャドー(像)が分かってきた」と手ごたえも感じているが、この中京大戦では久しぶりに最前線でプレーすることになりそう。「今までのサッカーキャリアを考えれば、最前線でやってきた時間のほうが圧倒的に長い。そこで戸惑っていたらダメ。最前線で自分のストロングポイントを思い切り出していきたい」と意気込みを語った。
昨年度大会のいいイメージを、そしてここ最近の好調なパフォーマンスをもって、チームを3回戦進出に導く活躍を目指す。
文・森亮太(エルゴラッソ磐田担当)
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好調を維持するチョン・テセ。FC今治戦に向けて強調するのは“守備”
チョン・テセが天皇杯2回戦・FC今治戦に向けて、意気込みを見せている。いまだにフェイスガードはとれていないが、ここ最近の練習の中でも調子のよさを見せている。「いまはやっていても楽しい。体も動いているし、ポジティブなメンタリティーをもって臨めると思う」と試合を待ち望んでいる。
5月30日に行われた練習試合・藤枝戦は2-2に終わり、チームとして課題を残す結果になった。しかし、チョン・テセはこう語る。「もうあんな試合にはならないと思う。FWがもっと守備をすることが大事。自分が出ることになればチームのために守備をしたい」と、「守備から」というところを強調している。攻撃でも、もちろん自信がある。「点をとるために頑張るのではなく、いい動きができているから点がとれると思う」。天皇杯の初戦は、攻守で大暴れするチョン・テセが見られるかもしれない。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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中2日での天皇杯2回戦・松本vs熊本。アピールに成功するのは!?
今年の“サッカー日本一”をかけて争う第98回天皇杯2回戦が6日、全国各地で開催される。ここから参戦となる松本は、アルウィンにて同カテゴリーの熊本と対戦する。
松本も熊本も、3日にJ2第17節を戦っている。中2日での試合となるだけにコンディション面を考慮すると、ここまでリーグ戦で出場時間の多くない選手にチャンスが与えられる可能性が高い。同カテゴリーのチーム同士の拮抗した展開が予想されるだけに、この試合で活躍すれば大きなアピールとなることは間違いない。
ケガもあってリーグ戦で1得点にとどまる永井龍が「チーム全体の力が問われてくると思うし、自分としては点に絡むプレーをしないといけない」と意気込めば、現在は先発起用から遠ざかっている下川陽太も「前への推進力や惜しみないアップダウン、体を張った守備なども見せていきたい」と燃えている。 まずは3回戦進出が目標となるが、今後のリーグ戦にもつながる内容と結果も欲しい松本。どのような試合を見せてくれるのか。
文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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プロとしての第一歩。愛媛のルーキー・竹嶋裕二が6日の天皇杯でデビューへ
今季、愛媛のフィールドプレーヤーの中でここまで唯一公式戦で出番のなかったルーキーのMF竹嶋裕二だが、6日に行われる天皇杯2回戦・水戸戦でついにプロデビューを果たしそうだ。
竹嶋は今季、千葉U-18から加入。当初は「自分はまだこんな低いところにいるんだ」とプロの壁を痛感させられたが、苦しみながらも前向きにトレーニングに励み、「この5カ月、このために準備してきた」とサブ組にもチャンスのある天皇杯に照準を合わせてきた。
プロとして過ごしきてきたこの5カ月で成長した自負もある。
「(成長したところは)簡単に言えば全部。すべてにおいて一段、二段高くなった。特に“考える”ということが一番身についた」
18歳という若さはまだまだ成長の過程段階だが、竹嶋自身はそれさえも言い訳にするつもりはない。
「若いからしょうがない、というのはピッチに入ったら通用しない。そう思われることがサッカー選手として一番恥ずかしい。なんでアイツを使わないんだ、とサポーターのみんなやクラブ関係者、先輩方に思われるようにならないと」
むしろ期待がかかるのは若さから発せられる勢いあるプレー。
「健太さん(川井監督)もそういうところを見せてほしいと思っているはず。とにかく走ってチームのために戦いたい」
プロとしての第一歩で力強く足を踏み出し、クッキリとした足跡を残すつもりだ。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)