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山形期待のCBジャイロ・ロドリゲスがいよいよ復帰へ秒読み!
堅調な守備と好調な攻撃、3連勝と調子が上がってきた山形に、さらに明るい話題を提供しているのが、長期離脱からの復帰と山形でのデビューを目指すジャイロ・ロドリゲス。今月24日には負傷後、初の対外試合に45分間出場し、「自分が思ったより手応えが良かった」と振り返った。
負傷したのは、静岡・御前崎キャンプ中の2月3日。練習試合でボールを追いスライディングする際に転倒、右股関節前方脱臼で全治6カ月の診断を受けていた。予想以上に大きなけがとなったが、ジャイロは歩行で松葉杖に頼る状態のままキャンプに残り、開幕後にはチームとともに山形に入り、リハビリを続けていた。
部分合流は5月30日。その後、急ピッチで参加するメニューを増やしていったが、6月11日の時点で、木山隆之監督には、「けががけがだけに、今ようやくやれてきたことが奇跡みたいなもの。いま順調にやってるけど、そんなに急ピッチでやらすのはどうかなと思う。本人は大丈夫だって言うんですけど、実際はわかんないよね」と早期復帰を明言せず、慎重に見極める考えを示していた。
練習試合のあとはリバウンドなし。体重もほぼベストに戻り、通常の練習でも、正確な予測からの厳しいタックルを見せるなどコンディションを上げている。頼れるセンターバックの山形デビューが近いことは間違いなさそうだ。ジャイロは「これから課題になるのは、試合のリズム感。それは試合をしないと取り戻せないものなので、それをこれから徐々に取り戻したい」と意欲を示していた。
文・佐藤円(エルゴラッソ山形担当) -
ゲリラ豪雨で練習が中断。讃岐にとっては“恵みの雨”?
30日のホームでのJ2第21節・東京V戦に向けて最終調整をおこなっていた讃岐に思わぬハプニングが発生した。
29日の試合前日練習はあいにくの雨の中でスタート。しかし、雨足は時間が経つにつれて強くなり、次第にバケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨に。それだけで済めばよかったのだが、稲光とともに雷鳴も鳴り響いたところでついに練習は中断。選手らは一旦屋根のある場所に避難することを余儀なくされた。
しばらく天候の様子を見守ったが、安全面を考慮し、練習を再開できないまま終了。これにより予定していた練習メニューは最後までこなせず、正味40分あまりの調整にとどまった。
ただ、選手たちの表情は曇ってはいないように見えた。
讃岐は先週からいつも以上にタフなトレーニングに励んでおり、「まだ疲れが抜け切っていない選手もいる」(清水健太)とコンディション面にやや不安を抱えるところもあったという。
しかし、この日の練習が思いがけず早めに終わったことで「厳しいトレーニングをした分、回復も必要。もしかしたら今節に向けて恵みの雨になったのかも」(清水健太)とこの荒天を前向きにとらえた。
選手たちは“恵みの雨”を味方につけ、今節の東京V戦で今季初の連勝を目指して戦う。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ讃岐担当)
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京都が早稲田大DF冨田康平の新加入内定を発表。強化部長は「長友選手のよう」と評価
写真提供:京都サンガF.C.
京都は29日、DF冨田康平(早稲田大)が来季のトップチーム新加入選手に内定したことを発表した。
埼玉県出身の冨田は、浦和高から早稲田大に進学。大学ではスタミナとスピードを兼備した左SBとして活躍している。小島卓強化部長によると、冨田は「スカウトの中山(博貴)が早い段階から目をつけていた選手」。今季から強化部でスカウトを担当しているクラブのレジェンド・中山博貴氏が見初め、入団内定に至ったとのことだ。
評価しているポイントについては、「初速からスピードがあってフィジカルの強さもある。すごく謙虚で人間的にも素晴らしい。でも、一番評価しているのは、グラウンドで100%の力を出し切れるプレーヤーだということです」と明かす。また、「実際に会うと、体幹が強くて、すごい体をしている。長友選手に似たタイプ」と、同じ左SBの日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)を引き合いに出し、即戦力として期待を寄せる。
今季の京都は2種登録のMF福岡慎平、MF上月壮一郎がすでにトップチームデビューを果たしており、この二人も京都U-18からのトップ昇格が濃厚。だが、小島卓強化部長は「有望な若い選手を集めたい」とも話し、今回内定が発表された冨田を加えた3人以外にも、さらなる新加入選手の獲得に動いていることを示唆している。
文・川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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4連敗中の徳島。話し合いを重ねた中でたどり着いた結論は『戦う姿勢』
4連敗と苦しい状況だが、ミーティングで結束力を高めた徳島。
「分かっていることだけど、確認することが大事。言葉にすることでギアが上がることもある」と内田裕斗は話した。話し合いで状況が一変するほど簡単なものではないかもしれないが、現状を変えようとする姿勢の重要性を感じた。
今週は監督とキャプテンや副キャプテンとのミーティングに始まり、全体ミーティング、選手間ミーティングを行って現状について話し合った。その答えとして浮かび上がってきた根っこの部分は『戦う姿勢』という基本的なことだったが、その後の練習内容は「素晴らしかった」とリカルド・ロドリゲス監督は振り返る。そして、「それが1日だけよかったでは意味がないので毎日やっていけるようにしたい。そして、目前の大分戦、その次の試合に向けて、同じようにやっていけるように」(ロドリゲス監督)と継続性の重要性を説いた。
30日に行われる今節・大分戦は、前半戦の最終節。勝利して後半戦につなげようと全力を注いでいる。
文:柏原聡(エルゴラッソ徳島担当)
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清水の夏季キャンプがスタート。初日から前半戦の課題解決に着手
28日から夏季キャンプがスタートした清水。15年以来3年ぶり御殿場は、16日間とJ1最長のオフを取った清水にとって、後半戦を戦う上で重要な1週間となる。
家庭の事情で帰国が遅れていたヤン・ヨンソン監督も、この日から合流。練習後には、「選手たちの目の輝きが違う。ハングリーで『ボールを触りたい』『サッカーをプレーしたい』という気持ちが出ていた」と久しぶりに見る選手の表情の違いを感じたようだ。
キャンプ初日は、クロスボールへの対応に重点を置いた練習を行った。「あえて初日にした理由は、クロスへの守備をしっかりやっていくということを感じてもらいたかったため」(ヨンソン監督)。クロスからの失点が多かった前半戦の課題は、ここで克服する。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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町田の勝利を後押しした、名古屋からの“驚きの援軍”
“驚きの援軍”が町田の勝利を後押ししていた。
17日に敵地・長良川で開催されたJ2第19節・岐阜戦に、明治安田生命保険相互会社・町田支社と姉妹所属関係にある同名古屋総合法人部、そして名古屋マーケット開発部の方々が応援に駆けつけていた。
試合前には選手たちを激励する数々のコメントが掲載されたブックレットが進呈され、そのブックレットはロッカールームに掲げられたという。そんな後押しもあって町田は好調な岐阜から1-0の勝利をつかみとった。
姉妹所属関係は2017年から始まり、今年で2年目を迎える。今回の応援は名古屋近郊の岐阜で町田の公式戦が実施されたことから、少しでも選手たちの力になればとスタジアムに駆けつけた。
参加した名古屋総合法人部・法人営業第三部法人営業課長の白瀧絵理さんは「後半は攻め込むことが多く、面白い試合でしたし、勝ててよかったです」と試合の感想を話してくれた。
試合後には、チーム主将の井上裕大、名古屋出身の選手会長・奥山政幸、そして名古屋の若き至宝と言われ、現在は町田に期限付き移籍している杉森考起がお礼の挨拶をし、記念撮影が行われた。
立地を考えると、普通なら、名古屋から来られた明治安田生命関係者のみなさんは、岐阜を応援していてもおかしくはないが、これもタイトルパートナーとして、明治安田生命保険相互会社がJリーグを応援しているからこその出来事だろう。井上主将は「本当に驚きました。決して縁が深いわけでもないのに、ユニフォームまで着てくれていて…。本当にありがたいです」と目を細めていた。
地域を超えたパートナーシップが生んだ微笑ましい光景だった。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
写真提供:FC町田ゼルビア