EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2019.3.23(Sat)

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  • 平成最後の北東北ダービー。前哨戦となったe-sports対決は岩手が勝利

    平成最後の北東北ダービー。前哨戦となったe-sports対決は岩手が勝利

     岩手の今季のホーム開幕戦(J3第3節・秋田戦)を翌日に控えた3月23日、盛岡市にあるパルコタウンにて前日記者会見が開催された。岩手からは菊池利三監督、福田友也選手、秋田からは間瀬秀一監督、垣根拓也選手が出席。会場にはメディア、サポーターら30人ほどが集結した。

     トークセッションでは両監督が今季2試合の採点をボードに記入し披露。菊池監督が最大勝点6のうち半分を挙げたことから「50点」と採点した一方、勝点1にとどまっている秋田の間瀬監督はボードに割り算の筆算式を書き「16.666…点」として会場を笑わせた。この特別な機会に一般参加者からの質疑応答も実施され、話題は両監督と同年生まれ(間瀬監督は生年月日も同じ)であるイチロー選手の引退についての質問にも及ぶなど、非常に和やかでアットホームな雰囲気で進行した。終盤には北東北ダービーの前哨戦として両選手がe-sports(FIFA19)での対戦も行われた。福田選手は岩手と同カラーのレアル・マドリーを、垣根選手は秋田の青をまとったチェルシーを操作。試合は多くのチャンスに会場に歓声が響く中、徐々に対応力を発揮した福田選手が1-0で勝利し本番へはずみをつけた。

     会見の最後には翌日の試合への抱負が語られた。岩手の菊池監督、福田選手は自分たちが培ってきたものを発揮し、無失点での勝利を強調。一方で秋田の間瀬監督、垣根選手は何度も「ダービー」という言葉を用い、秋田のサポーターに喜んでもらえる結果を手にしたいと意気込んだ。

    文・写真:高橋拓磨(エルゴラッソ岩手担当)

    平成最後の北東北ダービー。前哨戦となったe-sports対決は岩手が勝利

  • 相模原加入の水野晃樹、いまの思いを存分に語る。現役続行を決意させたのはあの人の言葉

    相模原加入の水野晃樹、いまの思いを存分に語る。現役続行を決意させたのはあの人の言葉

     今月19日、水野晃樹の相模原加入が発表された。昨季限りで鳥栖、期限付き移籍先の熊本を退団となり、一時は現役続行に対する気持ちも揺らいだという。しかし、最終的にはJ3という舞台での挑戦を決意。一度は消えかけた炎、再び燃え上がらせたものは何だったのか。水野はある人物への感謝を口にしつつ、思いを語ってくれた。

    --19日に相模原加入が発表されましたが、あらためて加入に至った経緯から教えてください。

    上のステージで代理人にチームを探してもらっていて、それでここまで引っ張って、結局、話がなかったので、カテゴリーを下げてお願いしますというときに、相模原が声をかけてくれた。(昨年)11月の終わりで熊本のチームトレーニングが終わってから、あまりサッカーをする機会というのがなかったので。話が来て先週1週間、練習参加させてもらって、最終的には合意に至りました。

    --J3というカテゴリーに対して、葛藤のようなものはなかったですか?

    いや、葛藤というのは特になかったです。カテゴリーが違ったとしてもやることは一緒。そういう部分で、変な感情というのはなかった。このチームで1年しっかり戦って、(クラブごと)次のステージに上げられれば、それが一番良い話なので。

    --チームが決まらない時間は、苦しさもあったと思います。

    正直、時間が経つにつれ、考えることが多くなって、プレーを続行する以外のことも考えました。でも、その中でいろんな方と話すことによって、「続けたほうが良いんだな」という気持ちにさせてもらったので、その方々には感謝していますし、その人たちのためにも、ここに入ったからには良いプレーをして、チームが勢いづくように、日々の練習から盛り上げていければなと思います。

    --相談というのは、例えばどういった方にされたのでしょうか?

    ロアッソのコーチの北嶋(秀朗)さんが一番ですね。彼とは密に話していて、近況とかも常に連絡を取り合っていたので。その中で、僕が「プロじゃなくて、ほかの地域リーグとかに行って選手をやりながら、教える側のほうもやりながらというのもいいかな…」と相談したところ、「いやいや、それはお前やめたほうがいい」と。「選手をやり続けることができるのであれば、絶対にそっちを選んだほうがいい。辞めることはいつだってできるし、続けることというのが難しいことだから。とりあえず話があるんだったら、お前は絶対にできるから」と。一番印象的な言葉が、「オレはお前のファンだから」って(笑)。そう言ってもらえたのがすごくうれしくて。そうやって周りが盛り上げてくれたり、支えてくれるというのが僕にとってはすごい大きなものであって、それが僕の人生を左右しているんだなとまたあらためて感じました。

    --北嶋さんの言葉も、大きな後押しになったんですね。

    そうですね。毎回毎回、あの人には本当に助けられています。セルティックから帰って最初に柏に入って、そのときに一緒だったんですけど、一番最初の試合で前十字靭帯を切ってしまって、そのときも彼の言葉にすごく助けられていて。それからお互いに意識し合って、普段から連絡を取り合う仲でした。

    --その北嶋さんがヘッドコーチを務める熊本とも、今季は同じリーグで対戦があります。

    それはそれで楽しみだし、(自分が在籍したのは昨季の)半年間だけでしたけど、すごく地域ぐるみで温かいサポーターが多かったので、その人たちに「まだプレーできているんだよ」というのを、4月の頭に試合があるので(J3第5節/4月7日)、そこにどうにか食い込んで見せられたらと思っています。

    --コンディションのほうはいかがですか?

    (チーム練習が)11月いっぱいで終わって、1月いっぱいまでは個人的にもやっていたんですけど、2月に入ってから給料的なものが止まるわけじゃないですか。そういうのもあって、知り合いのところで仕事の手伝いをさせてもらっていたので、なかなか動くことができていなかった。キャンプもやっていませんし、ここに練習参加させてもらいましたけど、みんなと同じようなメニューでしかやっていない。これからはコンディションを上げていくために、練習後の自主練だったりとか、少しロングランをやったりして、ついていこうとは思っています。でも、登録された以上は、次の試合からメンバーに食い込めるように、コンディションが整っていない中でもできることはあると思うので、そういう部分でしっかりやっていきたいなと思います。

    --環境面でも今までとは違った難しさもあると思いますが?

    (日によって)練習場が変わるのは、ジェフ時代のオシムさんのときもありましたし、甲府も3箇所くらい(練習場が)ありました。ただ、人工芝でやるというのが初めて。僕は膝のケガもやっていたので心配は心配ですけど、そこで心配だからやらないとなると、パフォーマンス的にもどんどん上がっていかない。そこはしっかりと割り切ってやらなきゃいけないなと思っています。どういう状況であれ、サッカーがまたできるということに感謝しながらやらないといけないなと思います。

    --水野選手と言うと、「走力があって、クロスがあって…」という印象がありますが、いまのご自身については?

    ここに来たときもそうですけど、みんなが思っている僕のイメージというのがたぶん10数年前のプレースタイルだと思う(笑)。それから膝のケガをやったりとかでプレースタイルは変わったんですけど、その変わった僕をしっかりみんなに分かってもらわないといけないと思うし、「僕が持ったらこういうボールが出てくるんだよ」というのをいち早くみんなに示していかないと。必ずチャンスを作れると、そこは自負しているので。

    --最後に、今年は水野選手にとってどんな1年にしたいですか?

    ライセンスの問題がまだ分からないと言っていましたけど、もちろんこのチームを上に連れていけるよう、その一コマになれるように。それプラス、やっぱり若い選手が多いので、イナさん(稲本)もいますけど、経験だったり、プレーで見せられるものもあると思う。できるだけ引っ張っていける存在、若いと困ったときに何をしていいか分からなくなることもあると思うので、そういうときに矢印を示してあげることも大事。もちろん選手として、良いプレーをして勝たせるということもそうですけど、それ以外のピッチ外でもいろいろと伝えていけたらなと思っています。

    文・写真:林口翼(エルゴラッソ相模原担当)