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  • 町田の太田宏介、「思い出があり過ぎる」野津田でのホームデビューへ。声出しもある中、「勝点3という大きな花火を」

    町田の太田宏介、「思い出があり過ぎる」野津田でのホームデビューへ。声出しもある中、「勝点3という大きな花火を」

     町田加入が発表された7月18日、太田宏介は練習試合に出場していた。桐蔭横浜大戦に左SBで先発した太田宏介にとって、5月以来となる対外試合。立ち上がりの町田は相手に2度の決定機を作られるなど、劣勢な展開を強いられた中、太田宏介がCKからチョン・テセのゴールを演出した。セットプレー一発で劇的に戦況を変える。強化部が夏の補強方針に掲げた「スペシャルな能力を持つ選手」(唐井直GM)としての価値を、太田宏介は自慢の左足で見事に実証した。

     7月29日、選手登録が完了し、晴れて町田の一員となった。地元出身選手として、クラブのルーツであるFC町田ジュニアユース出身選手として、彼の町田帰還は「運命」だ。
     「思い出があり過ぎる」野津田でのホームデビューの舞台は、8月6日開催の大分戦。クラブは大分戦を「まちだ青城祭」と銘打ち、集客に力を入れている。相手もJ1昇格を争うライバルチーム。これ以上ない最高の舞台を前に、太田宏介は「持ってますね」と愛好を崩した。さらに本人は「節目の試合は得意」と豪語。彼がそう言い切るには、もちろん理由がある。
     例えば、前所属先である豪州パース・グローリーFCでは、加入後即ベンチ入り。ただ2週間の隔離生活を終えたばかりだったため、コンディションは万全ではなく、コーチングスタッフからも「5分だけ出す」との通達があった。ところが、実際にコーチングスタッフから途中出場の声が掛かったタイミングは、残り30分の時点。それでも、ピッチに送り出された太田宏介は2アシストを記録し、周囲の期待に結果で応えてみせた。
     新天地の町田でも、得意な節目の試合で結果を残すーー。待望の地元デビュー戦に向けて、太田宏介は「自分にプレッシャーを掛ける意味でも、勝利に直結するプレーを見せたい」と意欲を示す。
     さらに大分戦はハーフタイムに花火が打ち上がり、町田のホームとしては、初めてとなる「声出し応援の段階的導入運営検証試合」だ。そんな注目度の高いゲームだからこそ、太田宏介は「試合後に勝点3というもっと大きな花火を打ち上げたい」と勝利を誓い、「初めて聞く町田のチャントも楽しみ」と期待に胸を膨らませる。
     スタジアム内外でド派手な演出もあるという大分戦。同日は町田近郊でJ1のゲームがないため、「キャリアの中で最も長く在籍した」FC東京を支える青赤のサポーターの来城にも期待を寄せている。
    「FC東京は町田とは違った愛着があるクラブ。在籍期間は良好な関係を築けていた。東京を巣立った選手の1人として、まだ頑張っている姿をお見せしたいので、もし野津田に来ていただけるのであれば、うれしい」
     ついに、“約束の地”に降り立つ太田宏介。ビッグゲームでの勇姿は、必見だ。

    文・写真:郡司聡(エル・ゴラッソ町田担当)