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「人生で一番影響を受けた人物の前での試合」。町田のランコ・ポポヴィッチ監督が特別な感情で臨む千葉戦へ
千葉のホームスタジアムであるフクダ電子アリーナのゴール裏には、千葉で一時代を築いたイビチャ・オシム元監督の顔が彩られたビッグフラッグが掲げられている。その光景は、オシム元監督を「恩師」として敬愛する町田のランコ・ポポヴィッチ監督にとっても、特別なシーンだ。
「いつもフクアリにいくと、オシムさんのフラッグの前で写真を撮ってオシムさんに送ってきた。でも今回は(亡くなられているため)写真を送ることはできない。それでも、アシマ夫人には送ろうと思っている。いまだにそういうフラッグが掲げられているということは、オシムさんが特別な存在だったことを意味していますし、そうやってオシムさんがクラブ、サポーターの中で生き続けていると言える。常にオシムさんは私の心の中にあるし、消え去ることはないが、またフラッグを目にしたら、いろいろな思いが込み上げてくると思う」
もともと千葉はモンテネグロ人MFネナド・マスロバルがプレーしていたチームであるため、「その頃から情報は入っていた」という。またポポヴィッチ監督にとっての千葉は「オシムさん、息子のアマルさんが指揮を執られてきたクラブだし、かつての祖母井秀隆GMとも友人関係にあるため、親近感があるクラブ」とのことだ。
14日開催の今節は、その千葉とのアウェイゲーム。フクアリはポポヴィッチ監督にとって、いつだって感傷に浸ってしまう場所だが、勝負となれば、もちろん話は別だ。あのフラッグの前で、いま率いているチームの力を示すことが、師匠として敬愛するオシム氏への恩返しになる。
「人生で一番影響を受けた人物の前で試合をすることはモチベーションでしかない」とポポヴィッチ監督。「過去の対戦は紙一重の連続だった」千葉戦で勝利をつかむために、フクアリのベンチで指揮を執る。
写真・文:郡司聡(エル・ゴラッソ町田担当)