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「山形戦の悔しさをぶつけていきたい」。町田の菅沼駿哉、『まちだ青城祭』の大分戦で必勝期す
キム・ジョンミンとの空中戦をことごとく制し、マッチアップする相手がパワフルなブレンネルに代わっても、決して自由にはさせなかった。3-1での勝利に貢献した前々節・岩手戦の終了間際、FKでマークすべき相手だった牟田雄祐にゴールを決められたものの、「いい意味で肩の力が抜けていた」という町田の菅沼駿哉は、「ようやく町田のチームの一員として試合に入り込めた」という自負があった。それだけに前節・山形戦で喫した敗戦は、悔しさばかりが募っているという。
「守備に追われて相手に圧倒されてしまったことは守備陣として悔しさが残っている。『なぜああなってしまったのか』。それをずっと考えながら次の大分戦に向けた準備をしている。山形戦に負けて気持ちを引きずりがちだけど、強気のライン設定をすれば状況が変わったと思う。大分もボールを持てるチームなので、後ろに重たくなりがちかもしれないが、僕と(高橋)祥平で強気にラインを上げて、山形戦の悔しさをぶつけていきたい」(菅沼)
今節、町田がホームに迎える相手は、昨季までJ1を戦っていた大分だ。相手は1試合未消化とはいえ、町田と大分は順位が1つ違いで勝点差もわずか『1』しか離れていない。そのため、J1昇格を争うライバルチームであることに変わりはない。
今季の大分は下平隆宏監督に代わったが、G大阪でチームメートだった長沢駿に情報収集をし、「下平さんのチームは、横浜FCと同様に後ろから組み立ててくるチーム」であることは把握している。もちろん、「サッカーを知っているチーム」(菅沼)でもあるため、難しいゲームになることも想定済みだ。
そして大分の最前線にはG大阪で約半年、チームメートだった呉屋大翔が君臨している。「ガムシャラにどん欲にゴールを狙う“ザ・ストライカー”」とのマッチアップは楽しみの1つ。ただ警戒すべき存在であるため、「しっかりとつぶしたい」と完封を誓う。
なお、今回のホームゲームは、クラブが『まちだ青城祭』と銘打ち、チームの勝利をスタジアム内外から後押ししている。過去2年の町田は、そうしたイベント下でのホームゲームは戦績がいい。その背景には「クラブが盛り上げてくれるぶんも、より一層勝たなければならない気持ちになる」(菅沼)意思が隠されているに違いない。ましてや「ホームで勝ってこそ、地元に愛されるクラブになる」という菅沼の姿勢は、チームの総意を代弁している。
もちろん、菅沼個人としても、今回のホームゲームでどうしても勝ちたい理由がある。4試合連続先発中の2試合目となった長崎戦は1-2で敗れたし、それまでも、途中出場したホームゲームは、チームの成績が芳しくないからだ。
「僕自身、まだホームで良い思い出があまりないので、町田のサポーターに認めてもらえるように、モチベーションを高めて、チームが勝つために戦いたい」(菅沼)。大分は難敵そのものだが、町田を支えてくれる人たちに勝利を届け、自身の価値をあらためて証明する。大分戦の菅沼は、困難な“二兎”を追いかける。
[試合情報]明治安田生命J2リーグ第30節
FC町田ゼルビア vs 大分トリニータ
2022年8月6日(土)19時キックオフ/町田GIONスタジアム文・写真:郡司聡(エル・ゴラッソ町田担当)