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4年ぶりに甲府に復帰したダヴィ。早速次節の出場もある?
クラブの初タイトルであるJ2優勝(12年)と3度目のJ1昇格に32ゴールで貢献したダヴィが4年ぶりに甲府に復帰する。
7月21日から練習生という立場で練習参加していたダヴィの加入が3日に発表された。佐久間悟監督は、「けがした部位の回復具合、コンディションを見極めて獲得するかどうか判断する。ダメなら(ブラジルに)帰ってもらう」という趣旨の話をしていたが、結局トレーニングマッチなどでプレーを十分に見極めるチャンスがないまま獲得することとなった。甲府から鹿島に加入した2シーズン目の14年10月にひざを負傷し、その回復具合が心配されたが、この点に問題がないことから獲得に踏み切ったものと見られる。
フィジカル能力が高く、実績もあることから、コンディションや試合勘の戻りが5~6割の段階でも1トップとして一定の役割を果たせるという期待をコーチングスタッフは持っている。即先発ということはないが、1トップで起用していたドゥドゥを得意とするポジション(シャドー)で使えるようになるのはプラス要素だ。
ダヴィは9カ月以上公式戦から離れており、3日の紅白戦形式のゲームなどではキレのなさが気になったが、6日の次節・川崎F戦では途中出場の可能性もある。それは、川崎F戦のあとは勝ち点1差でJ1残留を争っている新潟と対戦するということもあり、早めに慣らしたほうがいいという側面もあるからだ。ただ、川崎F戦が均衡したスコアのまま終盤までもつれた場合、佐久間監督は判断に迷うことになりそうだ。
そして、ダヴィの加入に伴い外国籍選手の枠を空けるためにチュカとの契約が解除された。外国籍選手の加入と契約解除、移籍ウインドーに関係なく契約できる無所属選手の獲得を見据えた練習参加と、J1残留のために主にFW、DFの人事が動いている甲府。同じポジションの選手は心中穏やかではないだろうが、いまは非常事態。結果を出せていないことを棚に上げることもできない。さて、どうなりますか。
文・松尾潤(エルゴラッソ甲府担当)
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“CB”清水航平。30cm差のシモビッチにも臆する様子なし
J1・2nd第5節・神戸戦(2◯0)と2nd第6節・G大阪戦(0●1)の2試合を3バックの一角としてプレーした清水航平。本職はサイドアタッカーだが、そのプレーぶりは実に堂々としたものだった。
体格の不利を感じさせないフィジカルの強さを発揮して相手アタッカーに自由を与えず、G大阪戦では大ブーイングを受けても動じないメンタルの強さも見せた。本人もすっかりとDFとして自信をつけており、「自信を持ってやっているし、抑えられる自信はある」とたくましい。
6日の2nd第7節・名古屋戦は、199cmのシモビッチとのマッチアップが控えている。なんと身長差が30㎝以上もあるが、清水にまったく臆している様子はない。
「しっかりと競ってからセカンドボールを拾うことがみんなでできているので、問題ないと思う」
168cmのDFは、名古屋戦でも大きく見えることだろう。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ広島担当)
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Jデビューを果たした群馬残留の切り札、ルーカス・ガウショ。「1試合でも早く、チームの勝利に貢献したい」
7月末に完全移籍で加入した新ブラジル人、ルーカス・ガウショが練習で精力的な動き見せた。
J2残留争いに甘んじている群馬が、得点力不足解消の切り札としてFKジャルギリス(リトアニア)から獲得したフィジカル系ストライカー。2011年まではブラジル国内でプレーし、その後はスペインやタイなど海外を転々としていた。
前節・愛媛戦ではチーム合流直後ながらも遠征に帯同。1点ビハインドのゲーム終盤で起用されJデビューを果たした。
ルーカス・ガウショは「短い時間だったが、試合に出られたことに関してはうれしい。ただ、チームは勝てなかったし、残留争いをしている状況なので、1試合でも早く、チームの勝利に貢献したい」と話した。
文・写真:伊藤寿学(エル・ゴラッソ群馬担当)
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リオ五輪日本代表のトレーニングパートナーとしてブラジルに帯同していた東京Vの渡辺皓太。合宿中に得た経験と衝撃とは!?
5日にリオ五輪の初戦・ナイジェリア戦に挑むU-23日本代表。そのトレーニングパートナーとして7月21日~31日までの11日間、直前合宿に参加していた東京Vの渡辺皓太が2日に帰国。3日にチームへ合流し、今回の合宿で得た経験とリオ五輪ブラジル代表戦の衝撃を語った。
渡辺は「五輪本番に向けた緊張感のある中で一緒にプレーできたことは良かった。一つひとつのレベルが高かったので、まだまだ頑張らないとダメだなと感じることができた」と今回の合宿を振り返る。特に東京Vユースの先輩である中島翔哉とはすぐに打ち解けたらしく、彼のプレーや日々の姿には刺激を受けたようだ。
さらに、今回の合宿の最後にはリオ五輪ブラジル代表と対戦。目の前で繰り広げられた光景に驚きを隠せなかったと話す。「間近で見ていても(ブラジルは)全然違った。速さも強さも両方すごくて、一瞬のスピードはこれまで見たことがないぐらい速くてビックリした。止める、蹴るがうまくないと日本でもやっていけないと感じたし、そこは全然通用しなかった部分だけど、その上で、ブラジルはさらにミスが少なかった。(東京五輪は)4年後だけど、4年しかないので少しでも差を詰められればと思う」。
あらためて感じた世界との差。この11日間で得た経験は渡辺皓太にとって間違いなく今後の糧となるはずだ。
文・林遼平(エルゴラッソ東京V担当)
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リオ五輪代表トレーニングパートナーから、小島雅也が仙台に復帰。4年後の東京五輪への展望を語る
リオ五輪代表のトレーニングパートナーとして帯同していたブラジルから所属チームの仙台に戻った小島雅也が、今回の経験について語った。
小島は2日にブラジルから帰国し、3日から仙台の練習に合流。ブラジルではピッチ内外において、上のカテゴリーに所属する選手たちの「すべてのレベルが高い」プレーなどに刺激を受けたという。
また、小島は練習試合CSセルジッペ戦に途中出場。ブラジル五輪代表との親善試合もベンチから体感した。U-19日本代表で同世代のブラジル代表と対戦したこともある小島だが、「相手もすべて、レベルが同年代より遙か上」と実感。「(オーバーエイジの)ネイマールのようなスター選手もいたが、そういう選手を止められるようにならなければ上のレベルには行けない」と、将来への展望を語った。
また、親善試合を行った現地会場の雰囲気にも、強烈な印象を受けたという。「自国代表のプレーに沸くところも、日本代表を煽るところも、ブラジルのお客さんはみんな盛り上がっていた。4年後にこういう雰囲気が“ホーム”になる中で、試合に出たい気持ちが強くなった」。東京五輪代表世代の小島は、4年後に向けて貴重な経験を積んだようだ。
なお、小島も所属した仙台ユースは、8月28日に17年度新高校1年の追加セレクションを行う。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当) -
古巣・東京V戦に臨む吉野恭平。「誕生日の安在には絶対に勝たせたくない」
7日に行われるJ2第27節で京都が対戦する東京Vは、京都に加入したばかりの吉野恭平にとってユース時代からプロ2年目までを過ごした古巣のチーム。いまも愛着は強いようで、「ヴェルディに入っていなければプロになれなかったし、いまの自分もいない。感謝している特別なクラブ」と、東京Vへの思いを口にする。
吉野が相手チームの選手として東京Vと対峙するのは、今回が初めて。やや複雑な思いもあるようで、「ヴェルディの試合はずっと見ていたし、結果も気になる。京都の選手である以上は勝たないといけないけど、そうなるとヴェルディが負ける。できれば戦いたくない」と苦笑いを見せる。
それでも、ユースから同期の安在和樹、楠美圭史との対戦は楽しみにしている様子。「高1からずっと一緒にやっていたし、二人のプレーはよく分かっている。安在は試合当日(8月7日)が誕生日? それなら、絶対に勝たせたくない。そんな日に勝たせると調子に乗る。京都名物をプレゼントしてあげるから、その代わりに勝ちはあげない(笑)」と話し、旧友へのライバル心をのぞかせていた。
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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かつてのライバル、チョン・テセとの対戦を楽しみにする札幌FW都倉賢
7日にJ2第27節を控え、札幌のFW都倉賢が、かつてのライバルとの対戦にモチベーションを高めている。
今週末に対戦する清水には得点ランク1位タイのFWチョン・テセがいるが、同選手とは川崎F在籍時に約2年半、チームメートの間柄だった。「テセさん(チョン・テセ)のほうが年上だけど、プロ入りは僕のほうが1年早かったし、近いタイプのFWとしてすごくライバル心があった」と当時を振り返り、「僕は結果を出せず移籍することになったけど、テセさんはその後も川崎Fを引っ張ってくれて、外から見ていてすごくリスペクトしていた」と続ける。
そんなかつてのライバルとの対戦を前に「ストライカーとして必要な要素すべてを兼ね備える、お手本のようなFW」とあらためて敬意を表した都倉。その上で、「でも、僕らはチームとしてしっかりまとまって、戦力の高い清水と良い試合をしたい」とキックオフを心待ちにしている。
文:斉藤 宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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高木俊幸の活躍。その裏には宇賀神、そして原口あり
「原口の最初のころを思い出した」
笑いながら宇賀神友弥が語ったのは、高木俊幸のこと。高木は2試合連続先発出場を果たして2点目をアシストした前節・甲府戦(2◯0)のあと、「90分をとおしてウガくん(宇賀神)がずっと声を掛け続けてくれていたので、その指示もあって良い守備ができたと思う」と話していたが、冒頭の発言はそれを受けてのものだった。
宇賀神は高木を「ドリブルに自信を持ってここまで登り詰めた選手」と認めながら、「原口よりは話を聞いてくれるけど、守備の個人戦術という部分では(高木も)原口と同レベルにある」と考えている。だからこそ、「特徴をうまく生かしながら、守備で足りない部分を俺が補ってあげればいい」と思いながら後方からサポートしていた。
また、試合前には原口を例に挙げてこう話していたという。「原口も『前で自分が取れなきゃ守備じゃねえ』、『俺がボールを取れなきゃ意味がねえんだ』と最初は言っていた。でもそうではなくて、お前が行くことでほかの選手が取れれば、それもお前のお陰。そういうことを意識してくれればいいんだ」。
そして甲府戦で柏木陽介をして「やっと合格点」というプレーを見せた高木。柏木の評価を「変な話だけど」と苦笑しながら、「それが一番うれしい」と話していたが、宇賀神も「自分と縦関係になったときにしっかりやることができて、アイツが陽介から合格点をもらったのは自分のことのようにうれしい」と語り、「自分も原口のお陰でそういうところも成長した」と笑った。
高木の活躍の裏には、以前から目を掛けていた先輩と、彼が同じタイプの選手とともにプレーしたことによって得た経験があったのだった。
文:菊地正典(エルゴラッソ浦和担当)
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中村航輔の“代役”ではない。磐田戦でのPKストップを振り返る、柏のGK桐畑和繁
7月30日のJ1・2nd第6節・磐田戦で19分に訪れたPKのピンチを防いだGK桐畑和繁。
「キリ(桐畑)らしい止め方というか、ピンポイントで止めるところは彼の持ち味」と下平監督も絶賛したシーンをあらためて本人に振り返ってもらうと、「(キッカーの)ジェイがGKを見て蹴るタイプではなかったし、情報も入っていた。前日の練習でも良い感触があった。ジェイもたぶん蹴るほうを決めていたと思うので、自分から先にアクションを起こさないで、相手に飛ぶ方向を悟られないように、どのタイミングで飛ぼうかということだけを考えていた」と、あの場面での駆け引きを明かしてくれた。
奇しくも次節は、前回対戦でセットプレーから3失点を喫し、「良い思い出がない」と語る横浜FMが相手。リオ五輪代表に選ばれたGK中村航輔の“代役”としてではなく、彼らしいプレーでチームの3連勝に大きく貢献している背番号1の活躍にこれからも期待したい。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当) -
ブラジル戦にも出場した冨安健洋が帰国。「逞しくなってきている」(井原監督)
福岡の井原正巳監督がブラジル帰りの若武者に言及した。
リオ五輪に参加するU-23日本代表にトレーニングパートナーとして帯同していた冨安健洋が帰国し、チームに再合流した。3日の練習はフルメニューを消化したが、「時差ボケとかそういうところだけかなと思うけど、ちょっと体の張りはあるみたい」と井原監督が語るように、万全の状態ではないようだ。
しかしながら、「去年は遠征に行って帰ってきたらヘロヘロだったが、たくましくなってきている」(井原監督)と昨季までとの違いも指揮官は感じ取っている様子。富安が出場したブラジル戦についても本人と話したそうで、「本人に聞いたら『もう試合(のすう勢)は決まっていたから、流していた感じだった』と言っていた」と落ち着いた様子で事もなげに振り返っていたそうだ。
ブラジルに出発する前のリーグ戦2試合では先発出場し、1勝1分とチームの好成績に貢献した若武者の帰還だけにチームの期待も大きい。コンディション次第だが、今週末のJ1・2nd第7節・大宮戦出場にも期待が懸かる。
文:杉山文宣(エルゴラッソ福岡担当)
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