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ヘーレンフェーンへ移籍する磐田MF小林祐希。「海外で戦って、日の丸を背負ってW杯で優勝したいです」
12日にオランダ・エールディビジのヘーレンフェーンへの移籍を発表した日本代表MF小林祐希が磐田でのラストマッチに臨んだ。
ホームで行われたJ1・2nd第8節・G大阪戦で先発出場した小林はキャプテンマークを巻き、果敢にシュートを狙うも得点を奪えず。試合も0-2で敗れ、ラストマッチを白星で飾ることはできなかった。
試合後、小林は「人生というのはそんなにうまくいかない。勝って格好よく(オランダに)行きたかったんですけど、また負けてしまって悔しい」と話し、「ジュビロで4年間プレーして、昇格も降格も経験して、みんなの力で代表にもつれていってもらって、そして海外へ。本当に感謝しています。ジュビロに来て支えてくれた多くの方々に成長した姿を見せられるように、海外で戦って、日の丸を背負ってW杯で優勝したいです」と目に涙を浮かべながら海外での成長を誓った。
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浦和が名古屋に2-0で勝利。次節、年間勝点差『2』で首位・川崎Fと直接対決
J1・2nd第8節・名古屋vs浦和の一戦は、44分にMF武藤雄樹の3試合連続ゴールで浦和が先制。試合終了間際の87分には、GK西川周作の2試合連続となるアシストからFWズラタンが決めて追加点を奪った。試合はこのまま終了し、浦和が2-0で勝利。敗れた名古屋はクラブ記録をさらに更新する16試合勝ちなしとなった。
勝利した浦和は10戦負けなしの4連勝。年間勝点を『55』にした。年間勝点で首位を走る川崎Fがこの日鳥栖に0-1で敗れたため、2位・浦和と川崎Fの勝ち点差は『2』に縮まった。
そして次節、浦和が埼玉スタジアムに迎える相手はその川崎F。浦和に逆転の絶好機が訪れた。
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「おばあちゃんの前で良いプレーを見せたい」。J通算100試合出場の東京V・安西幸輝が祖母のために勝利を誓う
11日に行われたJ2第28節・金沢戦で、東京Vの安西幸輝がJ通算100試合出場を達成した。14年に東京Vユースからトップチーム昇格。そこから3年の月日を経て、100試合出場を果たした。
今回の達成について安西は「気付いたら(100試合出場)という感じでした。もちろん1試合1試合を覚えているけど、そこには良い思いもあれば、悪い思いもある。100試合目が(4-1と)良い形で勝てたので、ここからの100試合は良い思いを増やしていければいいなと思う」と次なる大台を見据えていた。
ちなみに14日に行われる横浜FC戦には、宮崎に住んでいる父方の祖母が花束プレゼンターとして訪れるらしく、「101試合目にして、初めておばあちゃんが見にくる。おばあちゃんの目の前で良いプレーを見せて、勝ちたい」と気持ちを込めた。
今季は苦闘が続く安西。100試合を節目として、ここから右肩上がりのパフォーマンスを見せてくれることに期待したい。
文:林遼平(エル・ゴラッソ東京V担当)
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打撲4箇所の激闘を振り返った山形DF渡辺広大。一番痛かったのは…
山形DF渡辺広大が前節・京都戦の激闘を振り返った。
前節・京都戦はスコアレスドローに終わったが、チームとして13試合ぶりの無失点試合となった。「いまのチーム状況の中で京都と引き分けたというのは、選手の粘り強さ。今までは簡単にやられたところを粘り強く対応できた」と石﨑信弘監督も評価したその試合で、もっとも体を張っていたのが渡辺。接触プレーで何度も倒れたまま起き上がれないシーンがあった。
渡辺に京都戦で負った打撲箇所の数を聞いてみると、「口の中切れてるんですよ、ほら」と下唇をめくってみせたあと、「4箇所ぐらいですね」とのこと。ちなみに、一番痛かったのは「ギシさん(山岸範宏)に蹴られたので。あれが一番痛い」と、終盤のFKの守備の際、GK山岸と接触して脇腹を痛めたプレーを挙げた。
これまでも度重なる鼻骨骨折など接触プレーで痛い思いをしているが、「それが仕事ですから。サッカーうまくないぶん、そういうところでチームに貢献できなきゃ意味がないので」とかっこよさげなセリフを残し、首位・札幌戦に向かっていった。
文:佐藤 円(エル・ゴラッソ山形担当) -
福岡戦に臨む鹿島。けがの柴崎岳に代わり、永木亮太が先発か!?
13日の練習で、主力組に永木亮太が入った。
これは、10日のスルガ銀行チャンピオンシップ、インディペンディエンテ・サンタフェ戦(0●1)で柴崎岳が右足を痛め、別メニューでの調整が続いていることを受けたもの。過去、小笠原の代わりに永木がピッチに立つことは多かったが、柴崎はここまで、リーグ戦全試合フル出場を続けてきたため、小笠原と永木でボランチを組むのは今回が初めてのことになる。
練習の中では直接FKを決めていた永木。
「キックのフィーリングは湘南にいたときよりも鹿島に来てからのほうが良い」
そう言って自信を垣間見せた。
チームはリーグ戦3連敗と苦しんでいる。
「試合で勝って自分たちがやってきたことが間違いないと証明するしかない。1勝すれば自信もつくだろうし、1stステージのように失点が少なく得点が多いチームになれると思う。その起爆剤は勝ち点3しかない」
2ndステージに入ってからは出場機会を増やし、ここまで5試合に出場中。ステージ3度目の先発出場で勝利に貢献することを誓っていた。
文:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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同郷の先輩・我那覇和樹がDFとしてプレーしているのが信じられず連絡した岡山FW赤嶺真吾。「本当でした(笑)」
真夏の3連戦の最後。岡山は14日にJ2第29節・讃岐戦に臨む。
タフに戦って前線を引っ張る岡山のFW赤嶺真吾は、「明日はホームなんでこっちが勢いを見せていきたい」と力強く意気込みを語った。そして、同郷(沖縄県那覇市)の先輩・我那覇和樹とのマッチアップも楽しみにしている。第24節・京都戦から我那覇がDFとしてプレーしていることが信じられずに本人に直接連絡を取ったという赤嶺は「本当でした」と笑い、「これまでも対戦は何試合かありますけど、もちろんFW同士だった。明日はDFとFWなのでイヤでもぶつかり合うと思うし、楽しみです」と話した。
もちろん、試合になれば遠慮はない。「そこは勝負ですから。始まれば何もないですし、楽しみながら勝ちたいと思います」と勇んでいる。第20節の対戦(1○0)では決勝ゴールを挙げている赤嶺は、先輩の前でも再びゴールを奪ってチームを勝利に導く。
文:寺田 弘幸(エル・ゴラッソ岡山担当) -
松本との決戦前日。C大阪の“キングサーモン”が3得点に絡む大暴れ
J2第29節・松本戦を翌日に控えた13日の練習場には、サポーター有志の手によって、試合で使用する横断幕がびっしりと貼られていた。これは昨季のJ1昇格プレーオフ以来であり、“決戦”ムードは自然と高まった。
前節の山口戦(2◯0)で、第20節の東京V戦(1○0)以来、今季2度目の先発を果たした玉田圭司も、「励みになるよね。サポーターも一緒に戦っている、という気持ちは、いつも持っている」と話す。今季はノーゴールが続く玉田だが、勝てば2位浮上となる大一番でJ1昇格プレーオフ決勝以来となるゴールが生まれれば、C大阪が勢いづくことは間違いない。
J2第29節・松本戦を翌日に控えた13日の練習では、11対11で酒本憲幸が自身の1得点を含む3得点に絡む大暴れを見せた。トップチームの一員としては今季初出場となった第26節の京都戦(3△3)後、「公式戦で試合に出て、応援してもらって、やっぱりサッカーは楽しいなと思ったし、『プロサッカー選手になれて良かったな』というところまでいきました(笑)。ベンチメンバーを含め、苦しいときにどれだけチームが一つになれるかが大事」と話した“キングサーモン”が決戦を前にチームを盛り上げた。
文・写真:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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GK高丘陽平復帰。し烈さを増す横浜FC・若手GKたちの戦い
前節の札幌戦(1◯0)、右ひざ外側半月板断裂の手術で長期離脱していた高丘陽平が、控えGKとしてひさびさにメンバー入りを果たした。4月5日に手術し、長いリハビリを経て今月初旬に復帰したばかり。「4カ月練習できなくて、悔しい思いを抱えていた。ベンチ入りさせてもらえたことは素直にうれしい」と笑顔を見せた。
横浜FCには南雄太という絶対的なベテラン守護神がいるが、高丘が不在の間に、インフルエンザで欠場した南の代わりに出場したGK渋谷飛翔が結果を出し、14試合先発出場を続けた。けががなければその争いに加わっていたはずなだけに、悔しさもひとしおだったはず。「絶対にけがをする前より強くなって帰ってやろうと思っていたし、早く試合に絡んでいきたい」と、ベンチ入りしたことで試合への気持ちがさらに増したようだ。
チームには彼が不在の間に“第三の男”として岡山からGK似鳥康太が期限付き移籍で加入し、GKは4人体制になっている。田北雄気GKコーチいわく、高丘のベンチ入りは「GK陣に刺激を与えるため」という意図もあったという。8月末からは天皇杯も開幕する。「彼らがチャンスをつかめるかつかめないか、チャンスに対してアラートになれるかというところが大事。刺激し合いながらトップを目指してほしい」(田北コーチ)。チームの次代を担う若きGKたちの熱い戦いも、この夏、佳境を迎えている。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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鳥栖戦で8試合連続ゴールを狙う小林悠。4年前の対戦で外したPKには裏話が存在した
J1リーグ記録に並ぶ8試合連続ゴールに王手をかけた小林悠だが、今節の対戦相手・鳥栖には苦い思い出がある。12年のJ1第21節、ホームでの鳥栖戦。1-2のビハインドの状況で川崎FはPKを獲得した。しかし、小林が蹴ったボールはGK奥田達朗に止められ、同点にする絶好のチャンスを逸してしまう。川崎Fはそのまま鳥栖に敗戦を喫した。
この試合後は「風間さんにけっこう怒られた」(小林)そうだが、ただ外しただけではなく、ここには裏話が存在した。
「あのときはメンタルが弱くて、いつも蹴っているほうではないほうに蹴ったんですよ。実はトヨくん(豊田陽平)か誰かに『データ取ってるから』と言われて、『え、データ取ってんの!?』と思って、いつもと逆の方向に蹴ったんですよね(笑)。『メンタル弱っ!』と(自分でも)思いました」
確かに当時の映像を見返してみると、小林が蹴る前に豊田が近付いて耳元で何かを言っているようにも見える。この一件があってから、小林はPKを蹴っていない。
ここで気になったのが、仮にこの一戦でチームがPKを取ったらどうするのか、ということ。本人にこの質問を投げてみると、「自分が取ったものなら蹴りたいですね。リベンジで」と意気込んだ。ただ、「PKではないところで決めたい」とあくまで流れの中でゴールを奪いたいと強調。J1記録に並ぶ8試合連続ゴールへ向けて、メンタル面の準備は万全と言って良さそうだ。
文:竹中 玲央奈(エルゴラッソ川崎F担当)
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2試合連続で冴えわたる、岐阜・吉田新監督の采配
吉田恵監督の采配が冴えを見せている。
前々節・讃岐戦(1△1)の後半ロスタイムに途中出場のFWエヴァンドロが劇的同点弾。前節の松本戦(1△1)では、何度も交代を取りやめ、最後の最後までピッチに残していたFW瀧谷亮が土壇場の89分に同点ゴールを奪った。
瀧谷の交代を取りやめた理由について“やってくれそうな雰囲気”を感じていたという指揮官。「ほかの選手の疲労度や出ている選手との兼ね合い、また、セットプレーの攻守で高さが必要だと感じていた。試合中のプレーは満足のいくものではなかったが、そういうところを信じた」結果、FKから背番号36の一撃が生まれた。
もちろん「夏場の連戦を勝ち切って乗り越えることが、チームにとって非常に大きなことにつながる」と慢心することはない。連敗ストップから2試合連続の勝ち点奪取にも、「3連戦の最終戦でも引き分ける、勝ちに持っていくことがものすごく重要になる」と油断を排除し、今節・徳島戦に臨む。
文・写真:村本裕太(エルゴラッソ岐阜担当)
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