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神戸の松下佳貴に次節先発出場の可能性。「チャンスだと思うし、トライしてやりたい」
負傷離脱から復帰した神戸のMF松下佳貴に今節・浦和戦での先発出場の可能性が出てきた。左SBを務めるDF橋本和は期限付き移籍元の浦和との試合に契約上出場できない。23日に実施した紅白戦で主力組に入った松下は、「出たいっすね」と笑顔で意気込んだ。
紅白戦の主力組は浦和と同じ[3-4-2-1]の布陣を組んだ。その左ウイングバックを担った松下は、「どこのポジションでも出たい気持ちが強い。チャンスだと思うし、トライしてやりたい」と話す。本職はボランチで、ボールを扱う技術には定評がある。巡ってきたチャンスに熱気がはらんだ。
ルーキーイヤーの今季はホロ苦い。開幕戦に出場するなど好スタートを切ったが、4月30日の1st第9節・柏戦(0●2)で負傷。左腓骨筋腱脱臼で全治3ケ月と診断され、「ショックなんてもんじゃない」と悔しがった。リハビリの最中には、同じく大卒ルーキーの小林成豪がプロA契約を勝ち取ったが、「成豪の良さは大学時代から知っている。悔しいというより、応援の気持ちが強かった」と話し、同期の活躍を見守ってきた。その一方で、「出たい気持ちが強くなった」とも話し、試合出場への欲は大きく膨らんだ。
8月頭に全体練習に合流し、14日のJサテライトリーグ第13日・名古屋戦(5◯3)にフル出場。「良いイメージができた」と状態を上げてきたレフティーは、16日の練習でも一時、主力組に入っている。松下は「1対1でも負けないように。強さを身に付ければ自分の力になる」と気合十分に意気込みを伝えた。
文・写真:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)
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闘将・田中マルクス闘莉王が名古屋に電撃復帰。合流は26日の予定
名古屋は23日、小倉隆史GM兼監督の休養を発表。代行監督を務めることになったボスコ・ジュロヴスキー氏が練習後の就任会見に出席し、「ベストを尽くしてこのチームを変えていきたい。特に戦うスピリット、メンタリティーをもっと変えていきたいし、自信を与えたいと思う」と残り8試合に向けた意気込みを語った。
そうしてボスコ氏が最後に口にしたのは、闘将の電撃復帰だった。突然「最後に一つ言いたいことがある」と自ら切り出し、「闘莉王が戻ってきます」と、昨季限りで名古屋を退団した田中マルクス闘莉王が名古屋に戻ってくることを明かした。
ボスコ・ジュロヴスキー氏は“ピクシー政権”の戦術面を支え、闘莉王ともともに戦った仲。「(自分が)名古屋を離れてから3年が経つが、(闘莉王とは)連絡を取り合っていて、友人のような関係だった。ここを辞める際『私が監督として戻ってきたときは助けてくれよ』と話していたので約束がかなった」と説明。そして「彼はファイティングスピリットを持った選手。いまは彼のような性格の選手が必要だ」と熱弁した。
闘莉王が合流するのは26日の予定。闘将の復帰について問われたGK楢﨑正剛は「僕たちにとっては力になってくれるだろうと期待はするけど、そういう状況になってしまったのは僕の立場からすれば悔しい」と前置きした上で、「ただ、そればっかりも言っていられないし、早くフィットしてもらえるように」と語った。
文:村本裕太(エル・ゴラッソ名古屋担当)
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リーグ戦好調の群馬、昨季1回戦敗退の天皇杯で雪辱を期す
群馬の服部浩紀監督が天皇杯1回戦への意気込みを語った。
リーグ戦直近の4試合で3勝1分の群馬は、好調のチーム状況で天皇杯を迎える。昨季は1回戦で岐阜セカンド(東海1部)に敗れただけに、今季は雪辱を期す。
服部監督は「昨季、1回戦で負けているので、まずは勝たなければいけない。いまはチーム状態が良く、どの選手を起用しても大丈夫なので、今週のトレーニングでしっかりと選手を見極めたい」と語った。
群馬は27日の天皇杯1回戦でソニー仙台(JFL)と対戦する。指揮官は「JFLだからといって格下だと思わない。トーナメントは何が起きるか分からないので、リーグ戦と同じ気持ちでぶつかっていく」と引き締めた。
群馬は、リーグ戦で出番の少ないブラジル人の司令塔マテウス、新加入のルーカス・ガウショらが起用される可能性がある。
文:伊藤寿学(エルゴラッソ群馬担当)
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神戸の大卒ルーキー・小林成豪が右ひざ外側側副靭帯を損傷。全治は約3カ月
神戸はMF小林成豪が右ひざ外側側副靭帯損傷で全治約3カ月と診断されたと発表した。
小林は20日のJ1・2nd第9節・G大阪戦で負傷していた。今季、関西学院大から神戸に加入した小林はここまでJ1リーグ20試合に出場。1得点を挙げている。 -
「勝たなければアピールをしても意味はない」。中1日の連戦を前に札幌の櫛引一紀が意気込む
熊本地震の影響により順延となっていたJ2第12節の札幌vs熊本が25日に組み込まれた。そのため、25日にリーグ戦を行い、27日にはすぐに天皇杯1回戦(筑波大戦)を行うという、稀な過密日程となっている札幌。
そうした中で、この二つの試合に向けて意欲を高めているのが6年目のDF櫛引一紀だ。「まずは熊本戦の先発メンバーに絡めるように、良いアピールをしたい」と発した上で、「定位置を確保している身ではないので、天皇杯でも良いプレーをして存在感を示さなければいけない」と続ける。「勝たなければ、どれだけアピールをしても意味はない。特に天皇杯は大学生が相手なので、プロとして勝利を得るのは最低限」と、まずはチームの勝利があってこその、自らのアピールであることを強調。
「リーグ戦は言うまでもなく重要だし、天皇杯の試合からもリーグ戦への良い流れは作れる。どちらも非常に大事な試合」。櫛引は今週の2試合を力強く見据えている。
文:斉藤宏則(エル・ゴラッソ札幌担当)
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休養となった名古屋の小倉隆史GM兼監督。選手たちに「力不足のところを、わびました」
名古屋が23日、小倉隆史GM兼監督が同日をもって休養することが決定したと発表した。
23日の練習前に小倉監督は囲み取材に応じ、「大改革の年、位置付けとして、GM兼監督として、いろいろな憶測が飛び交う中で、期待してもらってスタートした中、こういった結果、このような状況になってしまっていること、自分の力のなさに、ファン・サポーター、選手、スタッフも含めて応援して下さるみなさんに本当に申し訳なく思う」と無念さをにじませた。
練習前のミーティングで休養になることを選手たちに伝え、「監督という立ち位置のところで、良いガイドができなかったなと。力不足のところを、わびました。ただ、スタッフも含めて、選手たちは一生懸命やってくれたので、『感謝しています』と話した」(小倉監督)。
今後については白紙であることを明かし、「ちょっとゆっくり考えたいと思います」と語った。
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降格圏に沈む名古屋が小倉隆史GM兼監督の休養を発表。ジュロヴスキーアシスタントコーチが監督代行に
名古屋は小倉隆史GM兼監督が23日をもって休養することが決定したと発表した。後任はボスコ・ジュロヴスキーアシスタントコーチが監督代行を務める。
小倉監督は今季、ゼネラル・マネージャー(GM)も兼任する形で監督に就任。“5人が連動するサッカー”を掲げ、チームスタイルの確立を誓った。しかし、1stステージで14位に低迷するとここまでクラブワーストの17戦勝ちなし。年間勝点では降格圏の16位に沈み、クラブ初のJ2降格の危機に瀕している。
小倉監督はクラブを通じて「名古屋グランパスが『改革元年』と位置付けたシーズンにGM兼監督という重責を担わせていただき、自分自身、愛するクラブをなんとかしたいという思いで、全力で取り組んできました。また、フロント・スタッフ・選手も全員が一生懸命に取り組んでくれましたが、自分の力不足により、このような状況を招いてしまったことは、本当に申し訳なく思っています」とコメントした。
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月額1,750円。来季からJリーグの放映を始める『DAZN(ダ・ゾーン)』が概要を発表
写真:DAZN(ダ・ゾーン)CEOのジェームズ・ラシュトン氏がJリーグの放映について紹介
2017年以降のJリーグ放映権を獲得したスポーツのライブストリーミングサービス『DAZN(ダ・ゾーン)』は23日、都内にてローンチ(立ち上げ)にともなう記者会見を行った。
DAZNのCEOを務めるジェームズ・ラシュトン氏と日本社長の中村俊氏が登壇。DAZNの放映するスポーツコンテンツやシステム、理念について説明した。
ラシュトン氏は「Sport comes first(スポーツが第一)」を繰り返しアピールし、130以上のスポーツコンテンツを月額1,750円(税抜)で提供し続けること、最初の1カ月は無料のお試し期間となることを紹介した。Jリーグの放映が始まる2017年以降も値上がりはしない。
DAZNが掲げる“ビジョンとミッション”は、「スポーツ観戦の自由化」、「ファンにより良いサービスを」、「ライツホルダーにとっても有益なものに」、「新たなスポーツの楽しみを」の4つ。よりアクセスしやすく、分かりやすいサービスの提供を約束した。
文・写真:片村光博
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[書評]読むサッカーvol.7 『サッカーで一番大切な「あたりまえ」のこと』
サッカー観を再点検させられる、教本と呼ぶにふさわしい一冊
いまから遡ること4年半前、12年の1月。朴英雄(パク・ヨンウン)監督に率いられた大分高は県勢初の、高校選手権ベスト4という快挙を成し遂げた。ノーマークの無名校が見せた、一直線にゴールへと向かう“フリーマンサッカー”は、バルセロナのポッゼションスタイルが一世を風靡していた中で、全国に大きな衝撃を与えた。しかし、4年ぶりの出場となった15年度の高校選手権で大分高が見せたのは、180度違うパスサッカーだった。
矢板中央高に敗れ惜しくも1回戦敗退となったが、なぜ朴英雄監督は異なるサッカーに転じたのか。それは選手をシステムに当てはめるのではなく、システムを選手に当てはめるという考え方がベースにあったからである。大分高へ進学してくる生徒たちは、一線級の選手たちではない。だからこそ、選手の特長に合わせてシステムを選び、才能を最大限に伸ばす。誰にも負けない武器とピッチ上での的確な状況判断を身に付ける必要あったのだ。
韓国陸軍将校でもあった指揮官がどのようなアプローチで選手たちの才能を磨き上げ、ダイヤモンドへと昇華させたのか。それが本書には記されている。
サッカー関係者やサッカーに精通している者からすれば、「言われなくても分かる」という話も多いかもしれない。しかし、それを文章で説明できるかというとまた別の問題であり、頭で分かっていても、いざ言葉にすると適切な解を述べられないことも多い。理論整然とした言葉で解説された本書に向き合うと、「自分ならどう言葉にするだろうか」と、あらためて自らのサッカー観を再点検させられる。また、サッカーを知らない者が目をとおせば、「そういうことか」と思わず納得してしまうだろう。
サッカーを知る者も、知らない者も是非一度読んでみてほしい。読了後は、ぼんやりと見えていたサッカーの捉え方が明確になっているだろう。まさにサッカー教本と呼ぶにふさわしい一冊である。
文:松尾祐希(エルゴラッソ千葉担当)
著者:朴 英雄(パク・ヨンウン)/構成・執筆:ひぐらし ひなつ
発行:7月6日/出版社:内外出版社/価格:1,400円(本体価格)/ページ:224P