-
自慢の左足は準備万端。太田宏介、「イラクはセットプレーの対応に弱い。左足のキックで勝利に貢献したい」
日本代表DF太田宏介(フィテッセ/オランダ)が、自慢の左足を生かしたプレーで虎視眈々と出番を狙っている。
先月に続いて、2カ月連続で代表に選出された太田。前回の招集時同様、依然所属先のフィテッセではベンチスタートの日々が続くが、「それでも先月に代表に来たときよりは、最近はカップ戦で90分間プレーできたし、少しは良い状態」と話した。
そんな太田は、今回のロシアW杯アジア最終予選・イラク戦に向けて、すでに万全なシミュレーションを行ってきたという。先月行われたイラク対豪州戦の試合映像をしっかりとチェック。「イラクはセットプレーの対応に弱い。中東のDFはボールウォッチャーになりがちだし、豪州の2点目のゴールもファーサイドにマークがついていけていなかった。厳しい試合をモノにするためにはセットプレーは大事。自分も左足のキックで、勝利に貢献したい」と、相手の弱点を挙げながら自分の長所をアピールした。
文:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当) -
「自分が決めて勝たせる」。国内随一のストライカー・小林悠がゴールを狙う
日本代表は3日、W杯アジア最終予選のイラク、オーストラリア戦に向けた合宿の2日目を迎えた。前日の国内組に香川真司(ドルトムント)ら海外組6人、そして前日にJ2リーグを戦った山口蛍(C大阪)を加え、この日は20人でトレーニングを行った。
今回の日本代表は、海外組の選手にコンディション面の不安がささやかれる中、日本でプレーしている国内組の奮起が求められている。9月に行われた最終予選から引き続き招集された小林悠は「選ぶのは監督。自分が出たときにどういうプレーをするのかをイメージしながら準備することが大事」と語り、まずはどんな状況でも出られる準備をしたいと語気を強めた。
9月6日に行われたタイ戦では85分から途中出場。短い時間ではあるが最終予選の舞台に立つことができた。しかし、小林にはさらなる向上が求められる。
「前回は、チームが全員集まったときの紅白戦もやらせてもらえない状況だった。だけど少しずつアピールして、練習で良いプレーができたから使ってもらえたと思う。今回もやることは変わらない。FWなのでゴールを決めることが仕事。監督の意志とチームの状況を考えたプレーをしたい」
今季は川崎Fでゴールやアシストを量産。J1リーグでは15ゴールを記録し、得点ランクの3位タイ(日本人選手では1位タイ)につけている。Jリーグのトップを走る一人だからこそ、日本のサッカーに対する思いも強い。
「日本代表で海外の相手と試合をして、そこで点を取ることで日本のサッカーも盛り上がると思うし、そういう責任が自分にはあると思う。もちろんチームの勝利は大事だけど、自分が決めて勝たせるという気持ちでいないとチャンスは回ってこない。試合に出たら狙っていきたい」
川崎F、そして日本のサッカーを背負うストライカーは、最終予選での活躍を虎視眈々と狙っている。
文:林遼平(エル・ゴラッソ日本代表担当)
-
出場機会は少なくとも「しっかりトレーニングしてきた」と香川真司
2日、日本代表は6日に行われるロシアW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)に向けた合宿2日目の練習を行った。
現在、ドルトムントで出番が減少している香川真司は、この日帰国すると空港から練習場に直行。チームの面々と合流すると笑顔を見せ、トレーニングが始まってからも思い詰めた表情はなく、終始明るくボールを蹴り続けた。練習後に取材に応じた際も、苦しい現状を冷静に語っていった。
「ドルトムントに関しては、まだ試合が多いし、これから。いまはチームにおいては我慢。自分自身の調子が悪いわけではなくて、それ以上に新しく入った選手と結果を残している選手がいるので、彼らが試合に出るのは当たり前。その競争に勝つために、日々やるしかない。まだ始まったばかり。何も悲観する必要はない」
2012-13シーズンから3年間プレーしたマンチェスターU(イングランド)でも、なかなか出場機会に恵まれなかった経験を保つ。当時も補足トレーニングでコンディションを維持したが、今回も練習の質と量を重要視している。
「ドルトムントは基本1週間に2試合あって、練習の負荷を上げたくても上げられない。ただ、現状はあまり(試合出場の)チャンスがないと感じたので、今回もしっかりトレーニングしてきた。こんなに試合をやっていないのは初めてなので、なんとも言えない。だからしっかり練習をして、準備して、あとは気持ちをどれだけ前向きに持っていくか。そこは何より一番徹底することだと思っています」
UAE戦の敗北、そして自身も低調な出来となった先月。しかし、今回の香川は何度も「結果を出す。この2試合で勝つだけ」と自分に言い聞かせるように連呼し、前を向く。
「あらためて最終予選はタフだと感じた。前回(の予選)のスタート(2012年6月)は3連戦を2勝1分。今回は1勝1敗で厳しいスタートになった。でもまだ8試合ある。この2試合をまずは勝つのみ。それ以外のことはないので、何もネガティブに考える必要はない。海外組も試合に出ていない選手が多くて、すごくネガティブに捉えられがちだけど、僕たちはしっかり結果で証明するだけ。代表はW杯に行くことが目標。そこへの思いを持ち続けていれば、必ず勝てる」
いつも以上に強い思いを表に出した香川。どこか悩める姿が際立っていた先月だったが、そんな周囲の印象を払しょくするためにはピッチで躍動するしかない。そのことを、香川が一番理解している。
文:西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
-
川口能活、楢﨑正剛から川島永嗣へ。受け継がれるベテランGKの役割と矜持
6月のキリンカップ以来、4カ月ぶりに日本代表に復帰したGK川島永嗣(メツ/フランス)が、豊富な経験を生かしてチームを支える思いを語った。
先月29日に行われた代表発表会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は川島の招集理由をこう語った。
「エイジ(川島)はグループの中では特別な存在で、発言力もある。チームに良いスピリットをもたらせる。リーダーで経験もあり、厳しい戦いの中では彼のような存在感が必要になってくる。この2試合は、今までよりもメンタルを強調していかないといけない。そのためにエイジを入れた」
ある意味、プレー機会は与えないことを明言したような趣旨にも聞こえるが、川島は指揮官から与えられた役割をあくまで前向きに捉えている。
「監督からは今回呼ばれたことへのメッセージを受け取った。それを受けて、このキャンプを過ごしていく。先月の最終予選2試合も結果をチェックしていた。UAEに負けたときは自分もショックだった。これまで最終予選を経験してきた分、選手の痛みも背負うものの大きさも理解できる。いま大切なことは、一人ひとりが自信を持って、輝きを取り戻して戦うこと」
熱い思いを語る川島は、持ち前の語学力を生かし、ハリルホジッチ監督ともフランス語で直接話すことができる。もちろんこれまでの代表でともに戦ってきた仲間も数多くいる。チーム最年長の自分が、いまできること。それは、6年前、南アフリカW杯の直前に正GKのポジションを奪った際に見た、先輩GKたちの振る舞いと重なる。
「僕は(川口)能活さん、ナラさん(楢崎正剛)という偉大な先輩の姿や行動を見てきた。ういまでも僕は彼らに追い付きたいと思っている。いまの立場になって、あらためて二人の存在の大きさを感じる。チームに対して、また新しい役割ができるかもしれない。先人に学んで、できることをやっていきたい」
もちろんプレーヤーとしてピッチに立つ意欲を簡単に失うほど、このベテランGKは軟ではない。しかし、常にポジティブな男が代表に帰って来た。先輩GKの最高の成功サンプルを持つ川島が、代表に好影響を与えていく。
文:西川結城(エルゴラッソ日本代表担当)
-
主将・長谷部誠、試合から遠ざかる海外組への不安の声に対し「ピッチの上で自分たちの価値を証明する」
日本代表は3日、埼玉県内で行われているロシアW杯アジア最終予選に向けた合宿に、長谷部誠(フランクフルト)ら海外組6人と前日にJ2を戦った山口蛍が合流。6日のイラク戦(埼玉)に向け、20人でトレーニングを行った。
同日に合流したメンバーとともに、簡単な調整メニューで練習を終えた長谷部。今回の最終予選に向けては「まずは初戦を絶対に勝たなければいけない。タイ戦はしっかりといい形でプレーできたので、そこをしっかり取り戻すためにやっていく」と、短い期間でのチーム作りに意気込みを語る。
一方、メンバー発表の会見でハリルホジッチ監督が言及したように、今回の海外組にはコンディション面に不安が残る。その話題に対して、長谷部はそれ以上に大事なことがあると話している。
「もちろん試合に出ているに越したことはないが、こういうときは多くを語らず、とにかくピッチの上で自分たちの価値を証明しなければいけない。シンプルに答えはピッチの上にある。監督から信頼されて選んでもらっているし、それに応えるというのは選ばれた選手の使命。ピッチの上で結果を出したい」
チームは最終予選の初戦であるUAE戦に敗れ、苦しい状況が続く。それでも日本の主将である長谷部は強い言葉を残す。
「初戦に負けていることで、今度は(10月の2試合で)勝ち点6を取るという気持ちもあるし、敗れて初めて見えてきたものがチームの中にはあると思う。そこはポジティブに考えて、結果につなげていきたい」
現状を分析しながら、今後をしっかりと見据える長谷部。今回の最終予選でも頼りになる存在であることは間違いない。
文:林遼平(エルゴラッソ日本代表担当)
-
日本サッカーへの適応に苦しむ金沢のダビ。「僕が今まで経験してきたサッカーと大きく違う」
残留争いの渦中にいる金沢は、得点力や推進力を期待して、夏場にブラジル人FWダビを獲得した。ダビがチームに合流してから約3カ月半。ここまで0ゴール0アシスト。日本のサッカーへの適応に時間がかかっている。
「日本のサッカーは、僕が今まで経験してきたサッカーと大きく違う」
サウジアラビアやオマーンでキャリアを積んだダビは、日本のサッカーについて「コンパクトでテンポが速い」と口にする。先発出場した試合では、守備意識や攻守の切り替えに伴う運動量が乏しく、周りの選手がそのシワ寄せを受けた。
「自分が一番好きなプレーは、足元で受けて、そこから前へ行く形。“裏へ”という動きは、自分が金沢に来て一番学んだこと。(裏への動きを)もっと学んで持ち味にして、より多くの攻撃ができたらいい」
前方にスペースがあれば、俊足を生かしてボールを運べるダビの見せ場。中東でのゴールパターンは「足元で受けて、そのまま突破してシュートという形が一番多かった」。だが、「日本は4人で守るなどきちんとポジションが決まっている。組織的に動いて守るので、一人抜いても、またすぐにDFが来る」と言う。
前節・京都戦(0△0)で途中出場したように、現状はベンチスタート。だからこそ、ゴールという結果が求められる。「すごく(ゴールが)欲しいが、まだ結果が出ていない。自分は最大限の力で仕事をして、ゴールを決めたい。サポーターも待っていると思うので、ゴールを見せたい」。
ダビは助っ人らしい初仕事で、チームに勝利をもたらすことができるか。
文・写真:野中拓也(エル・ゴラッソ金沢担当)
-
練習試合で2得点の愛媛FW西田剛。好感触を得てリーグ戦今季初得点へ
3日、愛媛は四国リーグを戦う高知ユナイテッドとトレーニングマッチ(30分×3本)を行い、5-1で勝利した。
1本目の立ち上がりに近藤貴司のゴールで先制点を奪った愛媛だったが、その後は豊富な運動量と球際の厳しさで迫る高知に苦戦。同点に追い付かれ、1-1のタイスコアで1本目を終える。
しかし、2本目になると愛媛が実力どおりの試合展開に持ち込み、河原和寿のゴールで勝ち越すと、その5分後には西田剛(写真左)がPKで追加点。3本目にも藤直也が鮮やかなミドルシュートでさらにリードを広げ、タイムアップ直前には西田が得意のヘディングシュートを叩き込んで試合を締めくくった。
今季ここまでリーグ戦でゴールのない西田だが、この日は2ゴールを奪い存在感を発揮。「最後の最後で自分らしいゴールが決まった。これでまた練習から気持ち良く臨んでいける」と好感触を得て、個人としてもリーグ戦にはずみをつける結果を得た。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
-
群馬の瀬川祐輔が今季11点目。ルーキーながらエースとしてチームをけん引
群馬のエース瀬川祐輔が、J2第34節・千葉戦(2◯1)で今季11点目となるスーパーショットを決めた。
70分、カウンターから右クロスをファーで受けた瀬川は、胸トラップでDFのマークを外すと、左足からのボレーで豪快にゴールネットを揺らした。
先制点を決めた瀬川は「(中村)駿と目が合った瞬間に、必ずボールが来ると思って、シュートまでの動きをイメージしていた。左足には自信があるので、うまくミートすることができた」と笑顔を見せた。
瀬川は1-1となった83分に、中村駿の決勝ゴールもアシスト。1ゴール1アシストで、千葉撃破に貢献した。
瀬川は今季、明治大から群馬へ加入。キレのあるドリブルと、両足からのシュートでゴールを量産。ルーキーながら第34節時点でJ2得点ランク9位タイの11ゴールを挙げている。
文:伊藤寿学(エル・ゴラッソ群馬担当)
-
ルヴァンカップ・ニューヒーロー賞の投票途中経過が発表
Jリーグは3日、「2016JリーグYBCルヴァンカップ」におけるニューヒーロー賞の投票途中集計結果(準々決勝終了時)を発表した。
ニューヒーロー賞は、各試合において活躍が顕著であった23 歳以下(大会開幕時)の選手を対象に、グループステージから準決勝までの各試合会場において実施する報道関係者の投票をもとに決定される。今回は新たに8選手が上位にランクインを果たした。
選手名 ポジション 所属 関根 貴大* MF ☆ 浦和 江坂 任 MF 大宮 マテウス* MF 大宮 室屋 成* DF ☆ FC東京 中島 翔哉* MF ☆ FC東京 富樫 敬真 FW ☆ 横浜FM 石田 崚真 DF 磐田 井手口 陽介* MF ☆ G大阪 アデミウソン* FW ☆ G大阪 呉屋 大翔* FW ☆ G大阪 中坂 勇哉 MF ☆ 神戸 冨安 健洋* DF 福岡 ※準々決勝終了時点 ※得票順ではありません ☆準決勝ステージ進出チーム *準々決勝終了時に新たに上位に入った選手 -
残留争い直接対決で露わになった希望と絶望/名古屋 vs 福岡
もっと見る