12日に開催されたJ2第17節。2位・松本と3位・岡山の直接対決は、強い雨が降りしきる中、セットプレーをうまく生かした岡山が2-1で勝利。勝ち点3を上積みし、暫定ながら首位に立った。

　岡山は前半終了間際に得たセットプレーの際にPKを獲得すると、リオ五輪代表候補のMF矢島慎也がこれを冷静に決めて先制に成功。さらに57分にはCKから澤口雅彦がヘッドで決めて追加点を奪った。

　その後、松本の猛攻を受ける形となったが、相手の反撃を77分の高崎寛之の1点に抑えて2-1で勝利。昨季の長澤徹監督就任以降では初となる3連勝を飾った。

　4月22日の練習中に右ひざのじん帯を損傷し戦線離脱していたFC東京のMF中島翔哉が12日、J3第12節・FC東京U-23対藤枝戦に途中出場した。

　62分から出番を得た中島は、いきなり鋭い右足シュートを放つと、得意のドリブルでファウルを受け好位置でFKを奪うなど、チームのリズムを変えた。結局中島投入後、チームは得点することはできなかったが、終始相手ゴールに向かうプレーは復帰戦ながら活発な動きだった。

　元々海外の選手の技術を参考にするなど、日々意識高くプレーする中島。「負傷中もJリーグよりも欧州のサッカーしか見ていなかった。日本のサッカーは遅いので、自分たちも今日は速い攻撃をしていこうと話していた。ゆっくりよりも速い攻めがトレンド。そこは大事にしていきたい」と、忌憚なく意見をいう中島節も久々飛び出した。

　「けがの間も焦りはまったくなかった。自分のサッカーの考えを変えるチャンスだったし、すべてを変えたいと思っていた。例えばボールを受けた時に、今までだったら止まって足元に置いてというプレーが癖になっていた。それを、コースが空いているうちにゴールに向かう意識にした。なるべく速くプレーしていきたい」と、この期間で自己改革にも励んでいた中島。その片鱗は、この日投入直後にゴールに向かっていたプレーに早速表れていた。

　これまでU-23日本代表の一員としてともに戦ってきたDF室屋成と、奇しくも同じ復帰のタイミングになった。「成とはお互い戻って来ることができてよかったと話していた」というが、中島も当然狙うは今夏のリオ五輪出場。それに向けても、独特のスタンスを貫く。

「五輪に出られるか出られないかは分からないけれど、まだ本大会まで時間がある。心配はしていなかったし、逆に体を休ませることができてよかった」

　それは、しっかり自分のプレーができれば必ずメンバー入りできるという自信の現れ。パワーアップして帰ってきた中島の今後に、期待が懸かる。

文：西川結城（FC東京担当）

　FC東京のDF室屋成が12日、J3第12節のFC東京U-23対藤枝戦に後半途中から出場した。1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選で、U-23日本代表の右SBのレギュラーとして活躍。本大会出場権獲得と優勝に貢献したが、その後2月のFC東京・宮崎キャンプの初日に左足甲を骨折。長いリハビリの期間を経て、この日ようやくJデビューと戦線復帰を果たした。

　実に、あの韓国との激闘を制した、アジア最終予選決勝以来となるプレーだった。70分に交代でピッチに入ると、本職の右SBの位置へ。いきなりボールを受けては、高い位置まで侵入し、粘りのあるボールキープを見せた。さらに守備の場面でも帰陣を速くして対応し、上々の動きで復帰戦を終えた。

「4カ月ぶりの試合だった。自分にとってすごく大きな一歩。本当に長い期間リハビリをしてきた。今日はあらためてサッカーが好きなんだなと思った」

　感慨深く復帰戦を振り返った室屋。負傷直後は焦りの気持ちもあったというが、徐々に気持ちは前向きになっていった。

「入院していた時期は焦りもあった。ただ石川（直宏）選手やいろいろな人が声を掛けてくれて、徐々に落ち着いて考えられるようになった」

　この4月に明治大4年生となった、大学生Jリーガーの室屋。プロの世界で戦える体作りを、この負傷期間に取り組んできた。

「まだまだプロレベルでは体の弱さがあった。リハビリ中に鍛えて、強くなって帰って来たかった。体重も筋肉量も増やした。上半身も大きくなったので、ここからそれを動かせる体にしていきたい」

　目指すは当然、今夏に開催されるリオ五輪の出場。U-23日本代表、そして手倉森誠監督への思いも強い。

　「あのチームでプレーしたいと、常に思ってきた。手倉森さんは信頼している監督。最後にメンバーを決めるのは監督だけど、やっぱり監督と一緒にメダルを目指して戦いたい気持ちが強い」

　そのためにも、一日も早い本格復帰、そしてJ1デビューが待たれる。

　「サッカー選手として、一番上のレベルの試合に出ないと意味がない。コンディションを上げて、1日でも早くJ1でプレーしたい」

　手倉森ジャパンの不動のSB。負傷を乗り越え、リオ行きの切符をつかむべく、ついに室屋がピッチに戻って来た。

文：西川結城（FC東京担当）

　エースの大前元紀が前節で肋骨骨折のけがを負って離脱となった清水が、ホームに横浜FCを迎えた一戦を3-0で勝ち切った。途中出場で2ゴールを奪った村田和哉は大前から「攻撃はお前が引っ張ってくれ」と告げられていたと明かした。

　37分に枝村匠馬のゴールで先制した清水は、1-0で迎えた75分に村田がピッチに入ると、その直後に追加点を奪うと、90分にはダメ押しゴールを決めた。村田は「大前がああいうけがを負ってしまったぶん、自分が活躍してやろうという思いはあった。元紀と2日前にメールをして『攻撃はお前が引っ張ってくれ』というコメントをもらった」と試合後に語った。

　試合後にはスタジアムに「大前コール」も響き渡った。エース不在の一戦で、地力と団結力を見せた。

　6月14日（火）19時30分から放送されるニコニコ生放送の番組『【浦和レッズ】ミシャでタイトルを獲れるのか！？』に、エルゴラッソの浦和担当記者・菊地正典がゲストとして出演します。11日の鹿島との一戦には敗れてしまいましたが、1stステージ優勝の行方、そして年間王者への戦いはまだこれから。ペトロヴィッチ監督が浦和に就任した年から担当を務めているエルゴラッソの浦和番は、“5年目のミシャレッズ”の現状をどう見ているのか。ぜひ番組をご覧ください。

 ■MCタツのロスタイムTV『ミシャでタイトルを取れるのか！？名物番記者が緊急出演』
6月14日（火）19時30分～

http://live.nicovideo.jp/watch/lv266005487