-
シュミット・ダニエルの川崎Fの特別指定選手時代を振り返り、「練習生などと比べれば、能力は全然違った」(安藤駿介)
先日行われたGK限定の日本代表候補合宿において、J2・松本からシュミット・ダニエルが選出されたが、彼は中央大1年から3年までの間に、川崎Fの特別指定選手として練習に参加していた経歴がある。そして、当時、彼とともに練習に励み現在も川崎Fに在籍する唯一のGKが安藤駿介だ。
安藤は、シュミットのプレー面以外について強く印象に残っているという。「(現在はそうとは思わないが)当時のイッカ(GKコーチ)の練習がキツくてイヤだったのか分からないけど、3回くらい遅刻してきて。特別指定選手なのに、すごいなと」と、その"図太さ"のインパクトが大きかったと話した。ちなみに中村憲剛は「あのときは本当に、しょうがなく来ていたオーラが満載だった。『本当にイヤでしょうがない』みたいな感じが全開だった(笑)」と振り返る。
ただ、その実力について安藤は「たまに来る練習生などと比べれば、能力は全然違った」。当時から光るものがあったようだ。J1の舞台でどこまでできるかは未知数であるが、ポテンシャルは間違いない。川崎Fに関わった選手という点も含めて、飛躍をしてほしい選手の一人でもある。
文:竹中玲央奈(エルゴラッソ川崎F担当)
-
2試合連続ゴール中の山形・松岡亮輔、好調を支えるその哲学とは?
豊富な運動量を武器に2試合連続ゴール中の松岡亮輔は、C大阪戦に向けた今週もハードなトレーニングで自らを追い込んでいる。
1週間のスケジュールには、全選手が参加する2部練習の日と、若手中心の指名練習の日が設定されている。指名された選手は週二度の2部練習となる。
今週は20日が指名練習日。ホワイトボードには選手名入りラベルを貼ったマグネットが全員分用意されていて、午前練習を終えた選手は自分が午後練習のメンバーに入ってるかどうかをそのボードで確認してからクラブハウスへ引き上げる。
ホワイトボードには指名練習に参加する若手中心のフィールドプレーヤー8名と、参加しないそのほかの選手に分かれてマグネットが配置されていたが、「その中間ぐらいに4人ぐらいポンポンと並んでたんですよ」(松岡)。自身のコンディションなどを考慮して参加か回避かを自主判断するグループだった。午前中の紅白戦15分×3本というハードな内容を考えれば、参加を回避し調整に充てることもできたが、松岡は「まあ置こうか」と自分の名前入りのマグネットを参加のグループに置いた。
翌21日の練習を終えた松岡は、「今日なんか全然動けなかったです。今日はほかのメンバーに申し訳なかったです。ほんとはどっちがいいのかなと。全体練習でパワーを発揮しないと本末転倒なのでもちろん頑張りたいけど、昨日はちょっとしんどかったですけどね」とジレンマも抱えているが、そうしたトライがあってこそ、チームを献身的に支える松岡のハードワークがあるのも事実。
いまも単独で初動負荷のトレーニングを続けたり、先発メンバーを外れていたシーズン前半にはセットプレーのキック練習を黙々と続けたり、ほかの選手とはひと味もふた味も違うアプローチを続けてきた。「陰で何しようが僕は自由だと思うし、それは個人の過ごし方なので。とにかく、どれだけピッチで力を発揮できるか、というのは昔から考えは変わってないです」。そこには、松岡なりの哲学があった。
C大阪戦の試合当日、松岡は32歳のバースデーを迎える。
文:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
-
讃岐でプレーするようになって一番変わったことは「走ること」(高木和正)
香川県出身で10番を背負う讃岐の高木和正。言わば、讃岐の顔だ。その高木が頻繁に言葉にするのが「走ること」。過去の高木は足下の技術を生かしてボールをさばくタイプのプレーヤーだったように思う。だが、いまではチームのために走る選手になった。Jリーグマッチデーハイライトでも高木が取り上げられる際は、「すごく走る選手になった」というような驚きのコメントが解説者から頻繁に出てくる。
そして、今節・熊本戦でも、その走力が求められる。残留をかけた大一番の前節・北九州戦(0●3)で敗戦し、J2第37節の熊本戦がより重要度を増した。熊本としても残り試合でJ1昇格を目指す上位勢との対戦が多く残っているだけに、勝利が欲しい一戦のはず。それぞれの局面で激しいバトルになることは間違いない。それは走ることも同じ。高木は「自分たちの置かれている状況は分かっています。相手に負けないように走って戦いたい」と言う。90分間走り切り、勝点3を目指す。
文:柏原敏(エルゴラッソ讃岐担当)
-
町田・相馬直樹監督との左SB出身の指揮官対決へ。「最後まで集中力を保つ」と岐阜の吉田恵監督
20位の岐阜は、上位チームとの対戦が続いている。J2残留に向け、岡山戦(第34節/0●5)、C大阪(第35節/2●3)は前半早々の複数失点から敗れたものの、前節・京都戦(0●1)では試合終了間際まで無失点を続けることに成功。吉田恵監督は「良い方向に向かいつつある負けだったと捉えている」と、3連敗の中でも進歩を感じ取っている。
そんな中で迎える今節は、町田(7位)が相手。同じ左SB出身でもある相馬直樹監督が率いるチームだけに、指揮官は「(現役時代の)プレーも非常にクレバーだったし、僕と比べたら、代表選手としての経験、アントラーズでの優勝経験と、強いチームにずっと在籍されていた方なので」とリスペクトを込め、「町田(のチーム作り)を見ても、守備のオーガナイズや攻撃に移行した際の、集団としてのカウンターや崩しが徹底されていて、勝ち方を知っているなと」と警戒している。
町田戦は“上位との4連戦”のラストゲームとなる。“勝ち方を知る町田”から勝ち点を奪くべく、指揮官は「やるべきことをやり続けること。この前(の京都戦)は残りの何秒かでそこが切れたので、最後まで集中力を保ち、スキを作らないようにしていきたい」と誓っていた。
文:村本裕太(エルゴラッソ岐阜担当)
-
磐田との『東海ダービー』に向けて、「私たちにとって一番重要なゲーム」と名古屋のジュロヴスキー監督
今節のJ1・2nd第15節、年間勝ち点14位・磐田との一戦を迎える15位・名古屋。J1残留を懸けた“東海ダービー”は、大一番になる。
降格圏に低迷し、一時は残留圏と『7』の勝ち点差があった名古屋だが、8月の監督交代後は3勝1分1敗。前節・福岡戦(5○0)までの2連勝で残留圏内の15位に浮上するなど、V字回復を見せている。自力残留の位置まではい上がってきたからこそ、ジュロヴスキー監督も「(監督就任後の)どのゲームも重要だったが、明日は私たちにとって一番重要なゲームになる」と自ら切り出した。
もちろんチームに慢心はない。リーグ戦の中断期間は静岡市で6日間のキャンプを張るなど、「(勝つ)準備はできている」と指揮官。冷静なプレーをすることを前提に「勝つためにはしっかりと走らなければならないし、高い集中力を持って臨む必要がある」と大一番を見据えた。
当日は3万人近くの来場が見込まれる豊田スタジアム。特大の後押しも背に、“ボスコ・グランパス”は3連勝を、そして奇跡の扉を開きに行く。
文:村本裕太(エルゴラッソ名古屋担当)
-
出場停止の明ける岡山の渡邊一仁、終盤戦に向けて語った覚悟
J2第35節・松本戦で退場となった岡山の渡邊一仁は、前を向いて出場停止の明ける第37節・金沢戦に気持ちを切り替えている。
「本当にクラブにとって大事な一戦だったんで、クラブにすげぇ迷惑掛けてんなとか、本当にいろいろ思いました」。退場となったことへの反省は尽きない。切り替えることは容易ではなく「時間が解決してくれるのを待ちました」というが、激しくボール奪取に行く自分のスタイルは変えられない。「あれを戸惑ったら自分ではない」とも話し、金沢戦への意気込みを語った。
「とにかく内容が悪くても勝つってことをやりたいと思います。次の金沢戦は特に、きれいにやろうとするとこっちがハマってくると思う」
中盤で泥臭い仕事を引き受け相手のイヤがるプレーを続ける渡邊は、チームに必要不可欠な存在だ。シーズンのクライマックスでJ1昇格を目指して戦う経験は「僕自身、キャリアの中でも初めて」で重圧も感じているが、「結局は自分たちが勝ち点3をどれだけ積み上げられるかになってくるんで、それしか考えないようにしています」と話し、渡邊は雑念を振り払って目の前の一戦に集中している。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ岡山担当)
-
初めて長崎U-18からトップチームへ昇格した林田隆介について、高木琢也監督がコメント
先日、クラブから発表された「林田隆介(長崎U-18所属)の仮契約締結、来期加入内定」について、トップチームを率いる高木琢也監督がコメントした。
クラブ初となるアカデミーからのトップチーム昇格となるわけだが、これに対して高木監督は「チームの歴史として初めての一歩でもあるし、本人にもそのぶん頑張って欲しい」と言及。さらに、地域やアカデミーでの育てるということが、Jリーグが目指す育成の形であることについて触れながら、「これからも、こういう流れを続けていけるようにするためにも、一人でも多くの選手が成長できるようにしなければならないし、トップチームが彼らにとって憧れの存在になれるようにしたいね」とコメントし、トップチーム昇格が内定した林田について、「体はまだ少し小さいけれど、チームの戦力として成長していってほしい」とエールを送った。
ちなみに、林田が熊本在住の両親とともにクラブ事務局へ来たときに、偶然、高木監督もその場にいたそうで、「高木監督が指揮を執っていたロアッソ熊本の試合をよく観に行っていた」と言われたという。きっと、熊本で指揮を執る高木監督を観ていた当時の林田少年にとって、それから数年後に自分が高木監督の指揮するチームでプロになるとは思っていなかったことだろう。
文・写真:藤原裕久(エルゴラッソ長崎担当)
-
豪州戦はサイドハーフで投入されたFC東京の丸山祐市、「本職の位置(CB)で良いプレーを」(篠田監督)
FC東京のDF丸山祐市が、22日のJ1・2nd第15節・鹿島戦で本職のCBでのプレーで存在感をアピールする。
丸山は11日に行われたロシアW杯アジア最終予選・豪州戦(メルボルン)に、試合終了間際に途中出場。そのポジションは何と左サイドハーフと、本来のDFとはまったく異なる位置に投入された。セットプレー時の高さ対策のために起用され、あくまでポジションは形式上のものだったが、まさかの攻撃的な位置での出場に「自分がいちばん驚いた」(丸山)という。
帰国後、チームの練習に合流した丸山は、鹿島戦に向けて当然センターバックで準備。そんな中、試合前日の取材で篠田善之監督は記者に「明日の鹿島戦で丸山をサイドハーフで使いますか?」というジョークを振られると、「見たいですか? やりましょうか?」とニヤリ。しかし、すぐに丸山への期待を込めてこう語った。「マル(丸山)にとっては、短い出場時間だったけどあの1キャップ(代表戦出場)で気持ちは全然違うと思う。モチベーションもより高まったと思うし、明日の鹿島戦では本職の位置で良いプレーを見せて欲しい」。
今回の代表期間中の練習では、同じセンターバックの吉田麻也(サウサンプトン)やボランチの長谷部誠(フランクフルト)ら、代表のレギュラーと同じチームでプレーする機会も多かった丸山。「海外組の選手たちのプレーからあらためて刺激を受けた」という丸山が、満を持してセンターバックとしてJ1再開戦に臨む。
文:西川結城(エルゴラッソFC東京担当)
-
鳥栖の福田晃斗が入籍。お相手はタレントの大戸千絵さん
鳥栖は21日、福田晃斗が15日に入籍したことを発表した。
クラブを通じて、福田は「私事ではありますが、10月15日にかねてよりお付き合いをしてまいりましたタレントの大戸千絵さんと入籍致しましたので、ご報告させていただきます。家庭的であり、どんなときでも元気な女性なので、いつもパワーをもらっています。そのパワーを糧にして、今後はこれまで以上に責任感を持ち、男として、またサッカー選手として、さらに成長できるよう頑張っていきます。いつも応援してくださるファン、サポーターの皆さまには、これからもご声援いただけるとうれしいです」とコメントしている。福田は5月末より先発に定着したMFで、今季リーグ戦19試合に先発出場。
大戸千絵さんは福岡を中心にレポーター、タレントの仕事をしている25歳。趣味は映画鑑賞、サッカー観戦、旅行とのこと。
-
大宮が過去J1最多勝ち点を記録した渋谷洋樹監督と契約延長
大宮は今季、J1昇格後過去最高勝ち点を獲得。ルヴァンカップは準々決勝進出、天皇杯でもベスト16に進出し、天皇杯はベスト16まで進出するなど結果を残していた。
クラブを通じて、渋谷監督は「来シーズンも大宮アルディージャで指揮を執らせていただくことになりました。まずは、シーズン中にもかかわらず、続投要請をしていただいたクラブに大変感謝しております。また、厳しいシーズンを選手・スタッフと共に一丸となって戦っていただいたクラブに関わる全ての皆さまにも心より感謝申し上げます。今シーズンは、J1リーグでの年間勝点「48」を目標としてスタートしました。年間を通し上位を目指せる戦いを続けることができ、クラブ史上最高の勝点を積み上げられましたが、満足することなく来シーズンもより一層の努力をし、さらなる高みを目指せるチームにし、覚悟を持って戦いに挑んでいきたいと思います。リーグ戦の残り3試合での勝利と天皇杯においては2005年以来となるベスト4以上を目指して戦いに挑んでいきますので、最後まで共に戦いましょう」などとコメントしている。
もっと見る