-
甲府の「サポーター感謝デー」は新企画で盛り上がる
4年連続のJ1残留を果たした甲府の「サポーター感謝デー」が11月6日に開催された。
今年は胸スポンサーの「はくばく」の山梨本社・中央工場の敷地内でおこなわれ、広い敷地を生かして初めて飲食ブースが設けられた。
各ブースには選手が入り、焼き鳥は土屋征夫、焼きソバは橋爪勇樹、たこ焼きは岡西宏祐、クレープは福田健介、おにぎりは新井涼平、お茶は渡邉将基が販売(お茶は無料)を手伝ったのだが、福田は実際にクレープを作り、岡西は関西人の愛想の良さを生かして売上アップに貢献。
そして、本格的だったのはお好み焼きの盛田剛平。盛田の場合は手伝うのではなく、広島風お好み焼きの食材選びから関わり、仕込みもして自分でしっかり焼いて販売。ソバはいったん湯がいてから焼くとなど、こだわりがいっぱいで大人気だった。
新企画として「車でデート」も行われた。佐久間悟監督、稲垣祥、柴村直弥、熊谷駿と車(走行はしない)に乗って密室で話ができるというもの。希望者が多く、時間は一人(一組)3分間と限られたが、なかなかの雰囲気が出る企画。選手はクラブの営業車を使用したが、佐久間監督は自らのドイツ車の高級セダンを持ち込む気合いの入り様。写真の佐久間車の様子は、佐久間監督が「こうやったら危ない感じになる?」とノッてくれて撮影したもの。女性人気の高い稲垣は後部座席で二人に挟まれて会話するなど、短い時間だったが選手もサポーターも独特の空間を楽しんだ。
ステージでは最初にヴァンくん体操で場を盛り上げたあと、借り物競争や熊谷&森晃太の「森と熊さん」コンビの漫才などがおこなれた。借り物競争では変なノリになって、罰ゲームに関係ない輿水順雄社長やドゥドゥが、いま流行りのピコ太郎の『ペンパイナッポーアッポーペン』のパフォーマンスを、何のことか分からないまま音楽に合わせて踊らされていた。
「森と熊さん」の漫才は、激しくスベっているのに全く動じない熊谷のメンタルの強さが、ある意味来季への期待となった。また、契約満了が発表された選手(盛田、福田、柴村、渡邉、吉野峻光)が複雑な心境にもかかわらず、1年間応援してくれたサポーターにサービスする姿も印象的で、サポーターからは新しいチームが決まることを願う声が出ていた。
文・写真:松尾潤(エル・ゴラッソ甲府担当)
-
名古屋がジュロヴスキー監督の契約満了を発表
名古屋は6日、ジュロヴスキー監督の契約満了を発表した。
ジュロヴスキー監督は08年から13年まで名古屋のヘッドコーチを務め、今年8月にアシスタントコーチとして名古屋に復帰。小倉隆史監督兼GMの解任に伴い、同月23日に監督に就任していた。その後、降格圏に沈んでいたチームは息を吹き返し、一時は残留圏に浮上。しかし、猛追も及ばず、3日のJ1・2nd第17節・湘南戦で敗れ、J2降格が決定していた。
以下、ジュロヴスキー監督のコメント。
「今回、名古屋グランパスを去ることになり、悲しい気持ちでいっぱいです。
できることなら、もう少しだけ時間があれば、違う結果になっていたかもしれません。
ただ、そういった限られた時間の中で、選手、スタッフ、ファン・サポーターの皆さんの お陰で充実した時間が過ごせました。
皆さんへの感謝は尽きません。
何より本当に、ファン・サポーターの皆さんの想いは私に多くの力を私に与えてくれました。
特に、アルビレックス新潟戦前のファン・サポーター皆さんからのメッセージ動画は、 お互いにリンクしているという絆を実感させられました。
それが新潟戦の勝利につながったことは言うまでもありません。
本当に感謝しています。
また湘南ベルマーレ戦後、私の挨拶時にスタジアム全体から沸き起こる歓声、 拍手を生涯忘れることはないと思います。
例えクラブがJ2となっても、私や選手がクラブを去っても、名古屋グランパスと ファン・サポーターの皆さんは常にあり続けます。
だから、ファン・サポーターの皆さんには私からお願いがあります。
これからも名古屋グランパスを支え続けて下さい。
名古屋グランパスが再びJ1のクラブとなるために、皆さんの想いで力を与えて下さい。
私から、名古屋グランパスと名古屋グランパスを愛する全ての人々へメッセージを贈ります。
この言葉を忘れないでください。
"VIVA GRAMPUS"
名古屋グランパスのJ1昇格だけではなく、それ以上の飛躍と発展を心から願っています」 -
前橋育英高などが選手権出場を決める。市立船橋高はPK戦の末、辛くも準決勝進出
佳境に突入している高校選手権の都道府県予選。6日には新たに8校の全国大会出場が決まった。
青森県では青森山田高が八戸学院光星高を4-0で下し、貫禄の20連覇を達成。岩手県では遠野高が専大北上高を5-2で下し、4年連続の出場。群馬県では前橋育英高がライバルの前橋商高を2-1で下し、3年連続の出場を決めた。
そのほか、米子北高(鳥取県)、明徳義塾高(高知県)、佐賀東高(佐賀県)、鵬翔高(宮崎県)、鹿児島城西高(鹿児島県)が全国への切符を手にしている。
千葉県では、5日と6日に準々決勝が行われ、今夏の高校総体王者・市立船橋高が思わぬ苦戦を強いられた。千葉明徳高と対戦した市立船橋高は前後半ともに得点を奪えず、PKの末、4-3で辛くも勝利。そのほか、敬愛学園を4-1で下した流経大柏高、白井高を3-1で下した東京学館浦安高、翔凛高を2-1で下した八千代高が準決勝に駒を進めている。
東京都では5日と6日に準決勝が行われ、決勝カードが決定。Aブロックの決勝は関東一高vs成立学園高、Bブロックの決勝は駒澤大高vs帝京高になった。決勝は12日に駒沢陸上競技場で行われる。
■高校選手権各地域予選決勝 試合結果(6日) 青森県 青森山田高 4-0 八戸学院光星高 岩手県 専大北上高 2-5 遠野高 群馬県 前橋商高 1-2 前橋育英高 鳥取県 米子北高 7-0 鳥取城北高 高知県 高知商高 1-3 明徳義塾高 佐賀県 佐賀北高 2(2PK4)2 佐賀東高 宮崎県 日章学園高 1-2 鵬翔高 鹿児島県 鹿児島城西高 1-0 神村学園高 -
熊本に2-1で勝利した京都。J1昇格プレーオフ出場決定
13時にキックオフとなったJ2第40節・熊本vs京都の一戦は2-1で京都が勝利した。
試合は12分にイ・ヨンジェ、14分に山瀬功治が得点を挙げ京都が2点を先行して前半を折り返す。後半は熊本の流れになる時間帯もあったが、反撃を終了間際の1点に抑え、そのまま京都が勝ち切った。
この結果、京都は勝ち点を『66』に伸ばし5位に浮上。7位・町田との勝ち点差を『7』とし、2試合を残して6位以上が確定。J1昇格プレーオフ出場を決めた。 -
前橋育英高が3年連続の選手権出場を決める。青森山田高は20連覇達成
高校選手権群馬県予選決勝が6日に行われ、前橋育英高と前橋商高が対戦した。
試合は前半に前橋商高が先制するも、前橋育英高が後半に2ゴールを奪い、逆転。そのまま2-1でタイムアップを迎え、前橋育英高が3年連続となる全国大会出場を決めた。
そのほか、青森県では青森山田高が八戸学院光星高に4-0で勝利し、20連覇を達成している。
-
名門・国士舘大と早稲田大の関東大学リーグ2部降格が決定
関東大学リーグ1部第21節が5、6日に行われ、名門の早稲田大と国士舘大の2部降格が決定した。
早稲田大は5日に桐蔭横浜大との残留争い直接対決に挑み、前半で2点のリードを奪うものの、後半に3失点し、逆転負け。残留圏の10位・桐蔭横浜大に残り1試合で勝ち点5差をつけられ12年ぶりの2部降格が決定した。早稲田大は昨季、19年ぶりの関東大学リーグ優勝を果たしていた。
一方、国士舘大は駒澤大と対戦し、前半に先制点を奪うものの、試合終了間際にまさかの失点。1-1の引き分けに終わり、国士舘大は10位・桐蔭横浜大との勝ち点差が残り1試合で『4』に開いたため、降格が決定した。
-
[書評]読むサッカーvol.19 『アーセン・ヴェンゲル ―アーセナルの真実―』
名将にして革命家。アーセン・ヴェンゲル20年の足跡
20年前、当時のイングランドでは無名だった一人の男が、アーセナルの監督に就任し、“美しいサッカーで勝つ”という信念の元、プレミアリーグで革命を起こした。アーセン・ヴェンゲルである。
95年から96年途中まではJリーグの名古屋でも指揮を執っており、日本のサッカーファンにも広く認知されている人物だろう。以降、ヴェンゲルは今日に至るまでアーセナルを指揮し、強豪ひしめく世界一激しいリーグで輝かしい成績を収めてきた。順位は常に4位以上を維持し、欧州CLの出場権を18年連続で獲得。リーグ戦優勝3回、カップ戦優勝6回、97-98シーズン、01-02シーズンには二冠を達成し、03-04シーズンには前人未到のシーズン無敗優勝を成し遂げた。
本書はそのヴェンゲルがアーセナルで歩んできた20年の歴史を凝縮した、とびきり密度の濃い一冊だ。就任当時、アルコール問題やスキャンダルで停滞していたチームをいかにして立て直し、練習法、食事、戦術の改革を行ったのか。いかにしてインビンシブルズ(無敵のチーム)と呼ばれた伝説のチームを作り上げたのかといった足跡が、ヴェンゲル本人、当時の関係者たちの証言を中心に圧倒的な情報量で綴られていく。特筆すべきはそのコメント量の多さ。チームに革命が起こる現場を目の当たりにしてきた当事者の生の言葉が、次から次へと湧き出てくる。それら言葉の渦が、イングランドでは無名だった監督が世界的名将に至るまでの道程に臨場感を与え、まるでヴェンゲルの隣を長年一緒に歩いてきたかのような感覚を読者に与える。地元ロンドンでアーセナルを追い続けてきた著者だからこそなし得た経験の妙だろう。また、それらの言葉はヴェンゲルの功績を追うだけでなく、ときとして名将のチャーミングな一面も生き生きと描き出す。練習場で網の中からボールを出そうとしていたヴェンゲルが網に絡まって動けなくなり、スタッフに助け出されるといったエピソード群には、思わず頬が緩んでしまう。
文:横川僚平(エルゴラッソ編集部)著者:ジョン クロス(John・Cross)
発行:10月10日/出版社:東洋館出版社/価格:1,800円(本体価格)/ページ:448P