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大宮MFマテウス、さいたまダービーの活躍で一躍その名を轟かせるも謙虚な姿勢は変わらず
前節、浦和とのさいたまダービー(2△2)で衝撃的なゴールを決め、一躍その名を轟かせたマテウス。「たくさんの祝福のメッセージや電話を、友人や家族からもらった」とのことだが、慢心は一切ない。
「『ナイスゲーム』という声はたくさんあったけど、自分はそれに浮かれずに、どん欲に『試合に出たい』という気持ちをトレーニングから見せないといけない。そうしないと次の試合に出られないという危機感を常に持たないといけない。今週もそういう気持ちでトレーニングに励んでいた」
実際、マテウスのどん欲な姿勢には周囲も一目置いており、浦和戦のハーフタイムには横谷繁から「どんどんシュートを打ってくれ。そのために僕たちはパスを出すから」と言われていたという。「全体のサポートは非常にありがたいし、力になっている」と感謝を示すマテウスには、これからも多くのサポートがあるはず。まずは23日のJ1・2nd第5節・新潟戦で継続して好パフォーマンスを見せたいところだ。
「前節の得点は待ちに待ったゴールだった。このゴールの勢いを新潟戦にも生かしたいし、ゴールを取ったからといって試合にいつも出るという保障もない。チームの中での役割をしっかり果たさなければいけない。守備でも攻撃でも、任された役割を果たせばチームの力になる。そこからさらに結果にこだわってやっていきたい」。
謙虚な姿勢からは、さらなるブレイクの予感が漂っている。
文:片村 光博(エル・ゴラッソ大宮担当) -
町田戦後の騒動を受けて、柿谷曜一朗が「サポーターに伝えたいこと」
20日のJ2第24節・町田戦、C大阪は7分に杉本健勇が先制点を奪い、幸先良く試合を進めながら、後半に3失点して逆転負け。残念な結果に終わった。そして試合後、バックスタンドの一部サポーターの野次に対して杉本が言い返す一幕もあった。
試合直後で互いに熱くなっていた状態での出来事とはいえ、チームの雰囲気を高める上で、決して好ましいことではない。翌21日、この一連の流れについて、現在は負傷欠場中の柿谷曜一朗に話を聞くと、「サポーターに伝えたいこと」として、以下のコメントを寄せてくれた。
「実際にどんな野次があったのか、ハッキリとした真相は分からないけど、それだけお互い本気になって戦っているということ。健勇はいま、俺がいないぶんもと思って必死になって戦っている。野次に対して言い返すことはいいことではないけど、アイツの気持ちもみんなに理解してほしい。健勇もまだまだ子どもやから、突っかかってしまうけど、そういう熱い気持ちがなくなったらアイツじゃない。プレーとしては、ふざけたことはしていない。ただ、『(心ない)野次は放っておけばいい』ということでもなく、僕らは受け止めないといけない。そして、本当にセレッソを強くしたいのであれば、例えば練習場で冷静にコミュニケーションを取るとか、もっと建設的な方法もあるんじゃないかと自分は思う」
サポーターは選手の気持ちに火をつけることのできる特別な存在であり、ホームスタジアムはチーム一丸の雰囲気を作ることのできる神聖な場所でもある。“叱咤激励”を込めたブーイングは時に必要だが、そこから逸脱したギスギスした空気からは、ポジティブな結果は生まれない。セレッソのことを誰よりも思い、セレッソを良くすることを常に考えている柿谷だからこそ、今回の提言があったのだろう。
文:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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夏到来で熊本のクラブハウスにプール出現。しかし・・・
今週始めに梅雨が明けて以降、さっそく強い日差しが照りつけるようになった熊本。21日は午前11時から昨日のJ2第24節・徳島戦のリカバーなどを行ったが、気温も30℃を越えていたとあって、クラブハウスにはクールダウンのためのアイスバス(簡易プール)が用意された。
しかし、日向に置かれていたこのアイスバス、飛び込んだ選手たちが「ぬるい!」、「冷えない!」を連発。(そもそもこの大きさのプールを置ける日陰のスペースがクラブハウスにはない)。早々に引き上げていく選手もいる中、どうにかして水温を下げようとホースで水を加えたり、アイシング用の氷を投入したりと粘る選手の姿もあった。
文・写真:井芹 貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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リオ五輪で興梠慎三不在の浦和。競争が激化する前線の中で梅崎司が勝利に導く
23日に行われるJ1・2ndステージ第5節・鹿島戦からリオ五輪に出場する遠藤航、興梠慎三を欠いて戦うことになる浦和。リベロには那須大亮が入ることが確定的だが、前線は熾烈なポジション争いが繰り広げられると予想されている。
そんな中、20日と21日のトレーニングでレギュラー組のシャドーに入ったのが梅崎司だ。今季は興梠、李忠成、武藤雄樹の“KLM”が確固たるポジションを築いたが、梅崎司も昨季までシャドーのレギュラーとして活躍していた選手だ。
梅崎は鹿島戦での前線の組み合わせについて「どうなるか分からない」としながらも、「チャンスだという気持ちではいるし、悪い感触はない。シャドーに入る喜びはあるし、どう表現していくか、自分でも楽しみ」と笑顔を見せた。さらに「一つひとつの練習の中で(自分の力を)見せていくことが大事」と話した梅崎。出場機会が限られる中でもコンディションを維持し続け、レギュラー組の中で最も得点に絡む可能性を感じさせた。
「いつも以上にやるべきことを11人それぞれがチームのためにやること。どれだけハードワークして戦って、セカンドボールを拾って、拾えなかったらもう一度プレスを掛けて、ということを繰り返しやっていくことがベースだと思う」と鹿島戦に向けて話した梅崎。再びチームの主軸として戦い、なにより結果を残してチームを勝利に導くことを虎視眈々と狙っている。
文・写真:菊地正典(エル・ゴラッソ浦和担当)
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関東2部チームから熊本に加入のFW若杉拓哉、抱負を語る
19日に加入が発表された熊本のFW若杉拓哉。6月中旬からトレーニングに参加しており、そのポテンシャルが認められての加入となったが、関東2部リーグ所属のチーム(LB BRB TOKYO)からのシーズン途中の移籍というイレギュラーな要素でも注目されることになった。
大津高を卒業後、筑波大でプレーしたが、4年時に右肩を脱臼。Jクラブからのオファーもいくつかあったが、プロへの道を一時は断念せざるを得なくなった。
「現実を見て就職活動もしなきゃということで、籍はまだ大学にあるんですけど、練習参加の話をいただいてからはやっぱりプロへの思いがまた湧いてきました。地元のクラブに入ることができた恩も感じているので、これからはプレーで貢献して、震災で大変な思いをしている方に元気や勇気を与えられたらと思います」という。
自らの持ち味は「ハードワークとポストプレー」と言うが、清川浩行監督は「身体能力も高く、一人で打開できる力もある」と評価。同期にあたる八久保颯など年齢の近い選手たちと刺激し合いながら、公式戦デビューを目指す。
文・写真:井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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今季3度目の九州ダービーへ。福岡の城後、中村、神山が燃やす闘志
今節、今季3度目の九州ダービーを迎えるが、過去を知るからこそ、この一戦に闘志を燃やす3人が福岡にはいる。
J2での九州ダービーを数多く経験してきた城後寿、中村北斗、神山竜一がその3人だ。中村は「自分みたいに過去を知っている選手がもっと周りに伝えていかないといけないのかなと思っています。ダービーの重さというか練習からもっとピリピリしてもいいんじゃないかなと。そんなに意識している選手がいないように感じる」といまの雰囲気を感じつつ、ダービーに向けたバチバチ感の盛り上げに一役買うことを宣言した。
また、前々節からゴールマウスを守る神山にとっても、出場となればJ1リーグ戦での九州ダービーは初出場となる。「GKとしてはダメだけど、例えば5-4でも勝てばそれでいい。(福岡に)入った時から鳥栖には負けたくないと思ってやっているし、お互いにJ1でやれるのはうれしいと思うけど、勝負にこだわって、気持ちを前面に出して試合に臨みたい」とダービーへの思いを語っている。
そして、主将としてダービーに臨む城後は「開幕戦では負けているし、その借りを返さないといけない。ダービーはただの試合じゃないし、ホームなので負けられない」と、その言葉に力を込めた。
かつてのダービーを知る3人だからこそ、燃える気持ちがある。目指すはJ1での九州ダービー、初勝利だ。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ福岡担当)