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岡山・加地亮の負傷離脱について、「一番準備している選手がけがをした」と長澤徹監督
29日の練習中に岡山の加地亮が負傷し、肋骨骨折(全治4~6週間)と診断された。シーズンが佳境に入ったところでチームの精神的支柱だったベテラン選手が離脱することとなり、岡山は大きなダメージを負うこととなった。
チームがどんな状況に置かれても、楽観も悲観もすることなく一日一日の練習に取り組む加地の姿勢がチームメートに与えていた影響は大きい。「加地さんがいるといないでは、試合だけじゃなく普段の練習の雰囲気も多少変わってくるところがある」と押谷祐樹はその影響の大きさを口にしたが、「加地さんがいないことで自分たちがやらないといけないっていう想いが個人個人に芽生えると思うんで、残った選手が自覚を持ってやっていければ」と語った。
長澤徹監督は「一番準備している選手がけがをしたってことは、それはもう逃れられないケガだったということだし、誰よりも一番つらいのは本人。いろんなことがチームとしてクラブとして試されるんで、置かれた状況で一番いい形のものを出していきたい」と話し、10月2日のJ2第34節・岐阜戦に向けた準備に取り掛かっている。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ岡山担当)
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3戦連発と好調の讃岐・木島徹也、その秘密は”自然体”にあり
現在3戦連続ゴール中で好調をキープしている讃岐の木島徹也だが、その好調の要因はどうやら“自然体”でプレーしていることにあるようだ。
「2点目も3点目のときもあまり(連続ゴールのことを)意識せずにできている。取れたら良いなという感じ」(木島徹也)
昨季は12試合出場でノーゴールだったが、今季はキャリアハイの7ゴール。昨季は少ない出場機会の中で危機感を感じるがゆえにプレーに焦りがあったことは否めず、その表情も常に険しさがあったが、今季はまるでそれらの憑き物が取れたかのようにのびのびとプレー。表情も別人のように明るくなった。これには指揮官の北野誠監督も「(今季の木島徹は)気持ちよくプレーできている。これまでのキャリアで初めてじゃないかな」と、その好転した変化を喜ぶ。
木島徹也自身、好調だからといって慢心はない。「ゴールが取れていることはうれしいけど、まだチームは安心できる順位ではないし、まだ点を取らなくちゃいけないという印象のほうが強い」と満足感はない。
4戦連続ゴールの懸かる今節の対戦相手は、10〜12年の3シーズンを過ごした松本。しかし、より気合いの入る古巣戦に対しても「倒したいというより、楽しみたいというほうが大きい」と、そのスタンスはあくまでも自然体だ。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ讃岐担当)
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J1通算500試合達成間近の阿部勇樹について、「安定して出られているのは阿部ちゃんのすごいところ」と遠藤保仁
昨年10月17日のJ1・2nd第14節・浦和戦で、史上最年少としてJ1通算500試合出場を達成したG大阪の遠藤保仁。そんな大記録を更新する可能性があるのが、次節のG大阪戦で出場すれば史上6人目の500試合となる浦和の阿部勇樹だ。出場すれば阿部は遠藤の35歳8カ月19日を更新し、最年少記録となる。遠藤自身は「(記録が抜かれても)特に思いはない。試合の数だけで評価されるものではないのでね」と数字にこだわらない遠藤らしい感想を口にした。
もっとも日本代表でも長年、僚友だった阿部については「賢い選手ですし、代表の経験も豊富。攻守両面でハイレベルな選手かなと思います」と最大限にリスペクト。また、阿部が積み上げてきた数字についても「多くの試合に出ているのはそれだけ評価されてきたということなので素晴らしい数字。ユースの頃から阿部ちゃんは試合に出てきたし、それだけ長く安定して試合に出られているのは阿部ちゃんのすごいところ」と賛辞を送っていた。
文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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3連続完封勝利に貢献の藤本康太、恩師である清水の小林伸二監督について「堅いチームを作る」
現在、リーグ戦4連勝中のC大阪は、直近3試合はいずれも完封勝利。守備陣の安定感が光るが、中でも貢献度が高いのが藤本康太。J2第31節の長崎戦(2〇0)で今季のリーグ戦初先発を飾ると、3試合連続で先発フル出場中。持ち前の人への強さを遺憾なく発揮している。
今節の相手は、現在リーグトップの得点数を誇る清水。オレンジの強力攻撃陣を抑えることが、C大阪の勝利には欠かせない。初対決となる清水のチョン・テセの印象について「どっしり構えて、点の取れるところに入ってくるイメージ。強さもあると思う」と語った藤本だが、同時に、「周りも動くので、そこも見ておかないといけない。(チョン・テセに)入るボールと後ろから出てくる選手を見ながら対応したい」とイメージする。
清水の指揮官、小林伸二監督は、ルーキーイヤーの2005年に指導を受けた恩師でもある。小林監督のチーム作りについて藤本は、「堅いチームを作りますよね。やり方が独特というか、キッチリしているから、最初はみんな付いていけないけど、慣れてくるとしっかりハマってくる。指示も守備のことが多いので、それが分かって来ると、堅いチームになるのだと思います」と、自身の体験も踏まえて振り返った。
「本当にいい選手。無理が利くし、身体能力が高い」と、かつて自身を評した恩師の前で、リーグ戦5連勝に導くプレーを見せる。
文:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
写真:CORACAO -
広州から甲州へ。日本と中国、サッカー新時代の序章が始まったのか
29日から甲府に中国スーパーリーグのギガクラブ・広州恒大のリザーブチームの鞠枫(21歳)が練習参加している。
広州恒大の公式HP上はリザーブチームに名前があるが、トップチームに登録されているそうだ。ただ、マルチェロ・リッピ監督からルイス・フェリペ・スコラーリ監督になってチャンスが少なくなったそうで、「Jリーグで受け入れてもらえるなら、Jリーグで出場のチャンスをつかみたい」ということで来日。これまで山形、愛媛、水戸の練習に参加して、J1クラブで受け入れたのは甲府が最初。
U-17中国代表に選ばれた経験もあるという彼のポジションはボランチで、紅白戦形式の戦術確認では控え組でプレーした。これは負傷者が多い甲府ならではの待遇。甲府のある選手の評価は、「即戦力という感じではないかもしれないけど、(パスを)つなぐのはできる感じ」、「ミドルシュートはないかな」、あるコーチは、「この先伸びる可能性があるけれど、現状では日本の平均的な大学生と同じくらいかなぁ」というもの。2日間だけなので正しい評価は難しいが、外国人枠が拡大されるのであれば即戦力でなくても1枠を充てて1~2年掛けて育てることも可能と判断するクラブは出てくるはず。
下心として、中国企業のスポンサーを獲得したいというものもあるが、中国サイドが彼のような選手を送り込んできて、Jリーグで育成し、Jクラブが育成費を受け取るという形もアリ。広州恒大はアカデミーとトップを合わせると60面のピッチを持っているそうなので、甲府の練習環境に否定的かと思ったが、この点についてもネガティブなことは言わなかった。Jリーグで中国人選手が何人も活躍するような時代が来れば、訪日・在日中国人が新たな観客層になるだろうし、放映権ビジネスも拡大するはず。Jリーグ勢はACLではここ数年苦戦しているが、Jリーグを東アジアのトップクオリティーのリーグにできる可能性を秘めるチャイナマネー&パワー。そのための連係の序章はもう始まっているのかもしれない。
文・写真:松尾潤(エルゴラッソ甲府担当)
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人生の節目、30歳の誕生日を迎えた京都の染谷悠太。「30代は日々の楽しさを追求したい」
30日、京都の染谷悠太が30歳の誕生日を迎えた。練習が非公開だったため、誕生日当日にサポーターから祝福を受けることは残念ながらなかったが、練習後の取材で人生の節目を迎えた胸中を明かしてくれた。
プロサッカー選手として歩んできた20代を、「駆け抜けた感じもしないけど、だからと言っておざなりにしていたわけでもない。そのときそのときで必死でした」と振り返った染谷。
プレーヤーとしては、いまがもっとも脂がのる時期。これからのサッカー人生については、「良い意味で日々を楽しんでいきたい。試合に勝ってチームを良い状況にすることもそうだし、個人のレベルを一つ、二つ上げていくこともそう。真剣にやるからこそ出てくる楽しみを、追求しながらやれればと思う」と、“楽しさ”をキーワードにイメージを描いている。
文:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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ステージ優勝とU-20W杯出場権。柏の19歳、中山雄太が狙う二つの「大きな獲物」
柏の中山雄太が、10月1日に控えるJ1・2nd第14節・湘南戦、そして13日からバーレーンで開催されるU‐19・AFC選手権への意気込みを語った。
今節・湘南戦は、チームにとっても2ndステージ優勝へ向けて重要な一戦。首位・浦和と3位のG大阪が、2位の川崎Fと4位の神戸がそれぞれ直接対決を迎えることもあり、柏が湘南に勝利すれば必然と上位陣との勝ち点差は縮まる。中山も「まずは湘南戦に向けて良い準備をしていきたい。チームとしてもしっかり勝って、次につなげられれば」と話す。
その上で、5大会にぶりとなるU‐20W杯の出場権獲得に向けて、主軸として臨む大会については「どうしても考えないようにもしていたけど、歴代の選手が(U-20W杯に)行ってないぶん、自分たちが行きたいというのはあるし、行ったら評価もされると思う」と述べ、さらに「自分たちは直接(東京)五輪につながる世代。(U-20W杯に)行けないと(東京)五輪を不安に思われるかもしれない。より結果にこだわらないといけない大会だと思っている。大会が始まったら(出場権を)もぎ取れるように頑張りたい」と抱負を述べた。
今季、柏ではCBのレギュラーの座をつかみ、チームに大きく貢献してきた。その一方で、東京五輪世代の中心選手として数多くの海外遠征をこなすなど、『二足のわらじ』を履いてきた若武者が、「リーグ制覇」と「U-20W杯の出場権」という二つの大きな獲物に挑む。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)
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U-19日本代表の磐田・小川航基について、名波浩監督は「末恐ろしい」と表現。大会での爆発も予言
磐田の名波浩監督は30日、AFC U-19選手権に臨むFW小川航基の活躍に期待した。
入団以来、全体練習が終わった後も居残りでシュートを打ち込んできた小川航。ボックス内でどのように動き、フィニッシュするかを繰り返してきた。時には指揮官とのマンツーマンレッスンの日もあった。
そんなルーキーについて名波監督は「100分以上公式戦に出て、シュート0本だからなあ」と手厳しいが、こうも話す。
「打てばものすごい可能性を感じる子だから、まず振ることが大事だと思う。1試合4~5本シュートを打ってほしい。アイツは打てばほとんど枠内に飛ぶから。あれでまだ19歳だからね。末恐ろしいよ」
そして、「堂安(律/G大阪)や三好(康児/川崎F)、神谷(優太/湘南)とかからいいボールが出て来れば、量産するのではないかな」と爆発を”予言”した。
U-19日本代表のエースである小川航。レジェンドの下で成長したという証を、アジアの舞台で存分に示したいところだ。
文:青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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前節・C大阪戦で活躍しながらも勝利につかめなかった徳島の長谷川徹、今節に強い思いを向ける
前節・C大阪戦(0●1)は敗戦ながらも、集中したコーチングとセービングで何度もピンチを救った徳島のGK長谷川徹。
「自分ひとりの力ではありません。それこそDFがいて、シュートが止められています」と振り返ったが、やはり長谷川の集中したプレーは目を見張るものがあった。しかし、C大阪戦では「結果的に勝点3は取れなかった」。そして、徳島の最大の決定機だった76分のFKの場面を話に挙げ、「(C大阪のGKキム・)ジンヒョン選手はFKを止めて勝ち点3につなげました。自分にはそれができませんでした」と悔しそうな表情を見せた。
「勝ち点3をアウェイに取りに行く」強い思いを胸に、今節・長崎戦に向かう。
文:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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残留争いのさなかの新潟、前野貴徳と伊藤優汰が負傷離脱
新潟は30日、MF伊藤優汰(写真右)とDF前野貴徳(写真左)の手術について発表した。
伊藤は11日に開催されたJ1・2nd第11節の名古屋戦で負傷し、29日に東京都内の病院で手術を実施。左ひざ前十字じん帯損傷で全治約6カ月と診断された。
前野は25日に開催されたJ1・2nd第13節の鹿島戦で負傷し、30日に東京都内の病院で手術を行なった。左外側半月板断裂で全治約3カ月と診断された。
リーグ戦が終盤に来て、主力2名が離脱することになった。
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